うーむ、なかなか栗狩りが思うように進まない。
ここのところ、パティスリーじゃなくて映画みたりCD聞いたり音楽フェス行ったりと、別案件で忙しく。
まあそれはそれで充実してたのですが、栗の季節もどんどん過ぎていくわけで、ここからは少し巻きでいかないと。
ということで、今日は恒例ですね、エーグルドゥースの栗を拾いに。
エーグルドゥース久しぶりだー。楽しみ。
今日は、もう10月も10日になるのですが、まだちょっと暑いぐらい。
今年は涼しくなるのが少し遅いかもですね。だから、多分ある時点で一気に寒くなるのではと予想。
本当は秋らしい爽やかな天気の日を満喫したいのですが。
そんな中、目白駅からテクテク、おなじみの道を歩いてまいります。
いつも行列ができるつけ麺のお店はお休みしてました。
エーグルドゥース、おひさ!
エーグルドゥースのショーケース、秋物の新作と、夏物のもうすぐ終わりますよーのケーキが一緒に並んでた。
どれも美味しそうねー。
そんな中、栗を含めて6個ほど買ってきました。
エーグルドゥースのトルシュオーマロン、持ち帰り制限1時間ですが、うちは幸い1時間かからずに持って帰れるのでねー。四谷まじケーキ好きにはオススメ。
ということで、まずはすぐに食べますよトルシュオーマロン。
今年のはどうかなー・・・
半分に切ってみます。
ワクワクしながら食べてみました。
おー!今年も美味しいですなー。
栗はほくほく、メレンゲはシュワっと溶ける。
出来立てならではの、繊細な美味しさ。
今年の和栗クリームは、ややナッティな気がする。
そして、バニラがかなり強いですねー。
トルシュオーマロンのバニラ、去年も強めに感じたのですが、今年はさらに強まってる気が。
年々バニラ感が高まっている気がするのは気のせいかどうか。
和洋折衷を目指しているのかも!
ともあれ今年も美味しくて満足。
ひとつ課題クリアですね!
次に、シトロンアメールを。
断面。
このケーキは、上にレモンのジュレが埋め込まれていて、下はチーズのクリーム。
レモンは香りがすごく良くて、酸味はそこまで強くないです。チーズの方はしっとりもろもろとした食感。
レモンとチーズの組み合わせだと、酸味を強烈に立たせた組み合わせになる場合も多いのですが、ここでは優しい酸味と香りの融和を主眼においている。軽やかなバランスです。
トップのメレンゲは、酸味がそこまでないので、甘さを膨らませる役割ですね。いいんですが、グラサージュの上ですべって落っこちちゃうので、一緒に食べるのがちょっと大変。
でも美味しかったです!
その次に、ラ・ドロームを。
これ、以前食べたことありましたねー。買った時は忘れてた。
断面。
これはキャラメル風味のミルクチョコにあんずの組み合わせ。
なんだけど、さらにオレンジが加わってますね。
ここでも酸味は抑え気味で、あんずとオレンジの異なる酸味が柔らかく感じられます。
チョコの味わいはとても薄くて、バニラがけっこう強め。
あと、少しアニスのような香りも感じたけどどうだろ。
全体としては、凝った構成にはなっているんだけど、複雑な味わいをうまく一つにまとめている。
こちらも軽やかな味わいで、奥深さを感じさせながらも食べやすい、という、手腕が光りますね。
そして、デリス・ア・ラ・ポワールを。
これは、名前からすると洋梨のケーキですよね。
切ってみます。
こちらは、表面が洋梨のジュレ。そして下にはトンカ豆のババロアが。
洋梨とトンカ豆、相性どうなんだろ?と思ったのですが、これがかなりいい。
基本トンカ豆は味の濃いものと相性が良くて、あっさりしたものと合わせると香りが勝ってしまいがちなのですが、ここでは洋梨の香りとトンカ豆の香りを、バニラが絶妙につないでいて、接着剤で異素材どうしをくっつけたみたいに、ピタッと合わさっている。
なるほどー。こういう使い方なんだ。
すごいなー。
これもかなり構成に凝ったケーキで、多くのパーツを使った複雑な味わいなんだけど、やっぱりまとまりがいいんですよね。トンカ豆の香りを完全に制御していて、素晴らしいです。
そしてそして、ピスターシュ65というケーキを。
これは見ての通り、ピスタチオのスポンジでピスタチオのムースを挟んだ、ピスタチオまみれの一品。
ピスタチオの部分は、そこまで豆っぽさはないものの、しっかりピスタチオを感じる。
そして、ピスタチオ以上に、ラズベリーのジュレが、ここぞとばかりに酸味がキュン!と効いていて、しかも果実味が素晴らしい!生のラズベリー以上にラズベリー。
このラズベリーの甘酸っぱいフレッシュな味が、ピスタチオと拮抗していて、どちらが主役というのが言えないバランスに。
これは、これまでのケーキがかなり軽めのバランスを取っていたのに対して、テンション高めの位置でバランスを取ったケーキになっています。これはエーグルドゥースらしさが前面に出た、すごく好きなケーキですね。
最後、サブール。
これ、外見上では四角いだけで何のケーキかわかりにくいですが・・・
断面を見ると、ミルクチョコのムースとチョコスポンジが何層にも重なっている。
そして、その中にペースト状の、ポルト酒風味のいちじくが入ってる。
いちじく、種のプチプチはあるんだけど、形としてはほとんど残ってない。
なんだけど、このいちじくとポルト酒が、シンプルなチョコケーキに深い余韻を与えているんですね。
ともすれば単純になりがちなこのケーキが、シンプルに見えて味わい深いのは、このいちじくがあればこそ。
素晴らしいです。
ということで、久々のエーグルドゥース、やっぱりすごいですねー。
軽いケーキは軽やかに、重いケーキは濃厚に。
そして凝った構成でもそれを感じさせない食べやすさ、シンプルなケーキでもそこに味わいを深くする一工夫を。
こうした卓越した発想とそれを形にする技術は、やはり衰えてない、と感じましたね。