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杉本博司展@森美術館


行ってきました。


MORI ART MUSEUM [杉本博司 時間の終わり]


正直に感想を言うと、ちょっと物足りなかったです。
期待が過剰だったのかなぁ・・・。
今までここのダイアリーでさんざん煽っておきながら、本当に申し訳ないです。


もちろん杉本作品の絶対的な美しさはゆるぎないのですが、その美しい作品の背後にある、というかその美しさを持ってのみ表現できる非常に挑戦的な試み、――つまり写真という「リアル」を写し取る(とされる)メディアから「リアル」(現実:3次元的空間要素や時間的要素)を徹底的に削り取って抽象化していき、リアリティが完全に消失する寸前で最後に残ったひとひらの「リアル」、そのギリギリの緊張感と美しさを写真で表現するという途方もないエネルギーを必要とするチャレンジの系譜――それをもっと明確に浮き上がらせて欲しかった。
全体の構成や作品のチョイス、配置が散漫な印象で、そのために一見バラエティに富んだ作品群に通底している(杉本博司を写真家ではなく現代美術家たらしめいている)主義、観念・・が全然伝わってこない。
「時間の終わり」というこの展覧会の素晴らしいタイトルは何のためにあるのかと。すごく残念です。


最大の見せ場である"Seascapes"でのスポットライト(今回のために特注した四角いスポットライトということでしたが)の位置のずれとか、致命的なミスもいくつかあったし。本当にいろいろ残念でした。
それでも杉本作品をまとめて鑑賞できる意義は大きいとは思います。行くならば夜ですね。昼は大騒ぎしながら館内をうろうろしているおっちゃん連中とか多くて最悪。*1作品世界も夜の静謐さのほうがふさわしい。
だけど「影の色」シリーズだけは昼間の太陽光の下で見たほうがいい気がするし・・。むー・・・。


展覧会の後、ヒルズ内の「TORAYA CAFE」でお茶。
ここでは、今回の杉本展にちなんだ限定スウィーツ「夜の海」が食べられるのです。
TORAYA CAFE「夜の海」
代表作"Seascapes"をイメージしたお菓子で、上層が「あずき茶」にわずかに寒天を加えた限りなく液体に近いゼリー、下層がこしあんの水羊羹の2層になっていて、その2つの層の境目にラム酒と黒豆を仕込んでいるという、とても複雑な味の和洋折衷デザート。
一見地味だけどよく見るとストイックな美しさをたたえた形といい、ひねりを加えてあるけど基本はしっかりはずしていない味といい、こちらは「杉本コラボ」にふさわしい、素敵なお菓子でした。
ちなみに、ここ「TORAYA CAFE」のレシートを持っていくと杉本展の入館料が200円引きになり、杉本展の半券を見せると「TORAYA CAFE」のお茶代が100円引きになります。どちらに先に行くかはあなた次第。


追記:杉本展のカタログですが、6,000円するけど、あまりよろしくないです。無駄に分厚いし。「Brutus」のバックナンバーを買ったほうがまし。値段は1/10だし丁寧に作ってあるし置き場所にも困らない。
大きめのポスターも2種類各3,900円だったかな?売ってたけど、これもちょっと。
オリジナルプリントつきの豪華版カタログは約95万円。限定25部。

*1:自分に観客の質云々を言う資格があるとは思っていないけど、あれは展望台に来たついでに何だか見てみるか〜というだけで明らかに美術展を見に来た客じゃないから。