昨日は六本木で2つの展覧会を観てきました。
1つは、会期が5/6までの国立新美術館「アーティストファイル2008」
もうひとつは、森美術館で4/25スタートの「ターナー賞展」。
この2つの展覧会が両方観られる4/25-5/6までの期間を狙っていました。
「アーティストファイル」は名前の通り注目の現代アート作家を適当にピックアップして並べた展覧会。
目的はさわひらきさんの新作≪hako≫でしたが、素晴らしかったです。
これまでの作品に頻出してた木馬、駱駝、飛行機、観覧車といったわかりやすいモチーフを最小限に抑えて、6箇所で同時に投影されている6種類の映像が、それぞれ違った世界観を呈しながら、全体がきっちりリンクしているという。
それは「波」をモチーフとした静謐な世界。
波打ち際を飛ぶ鳥、岸辺から打ち上げられる花火、柱時計、路と海のメタモルフォーゼ・・・。
動きがほとんどない、普通だったら退屈に思える映像に、ついうっとりと見入ってしまう。他のお客さんも足早に立ち去る人はほとんどいませんでした。
さわひらきさん以外のアーティストも総じて良かったです。
特にエリナ・ブロテルス(Elina Brotherus)とポリクセニ・パパペトルー (Polixeni Papapetrou)の両者とも「外国勢、写真、女性」が共通の2人がとってもよかった。
エリナさんの、ほとんど抽象画のような作品が、よく見るとほんのわずかなディテールでそれが風景写真とわかる作品は杉本博司の海のシリーズのようでもあり、
また「景色を眺める人を後ろから撮る」シリーズもよかった。
↓で作品たくさん見られます。
http://www.sag.se/foto/elinabrotherus/elina.html
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ポリクセニ・パパペトルー(絶対名前覚えられない)さんのは、荒涼とした風景の中に、19世紀〜1960年代の服を着た子供たちによる、ストーリー性を感じさせる写真作品でした。
いくつかの作品にみられた、闇の中にスポットライトを当てられた子供の、ファンタジックでちょいダークの作品は、ちょっとグレゴリー・クリュードソン的な風合いを感じました。
「hanging rock」のシリーズはやっぱりあれですよね。
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他にも「不思議の国のアリス」をモチーフにした作品「Wonderland」なんてのもある。
海外のいくつかのギャラリーでは実際の作品取り扱ってるみたいだし、ちょっと値段聞いてみようかな・・・。
http://www.stillsgallery.com.au/