普通の人よりはほんのちょっとだけモンブランを食す機会が多い自分ですが、
まだまだモグリだなーと思うのは、有名なモンブランで、まだ食べてないのがいっぱいあるんですよねー。
その中でも特に食べておきたい!と思っていたのが、谷中「和栗や」のモンブラン。
和栗や、代々木にモンブラン専門店も出店しましたが、そっちにも行きたい気もありつつ、谷中のお店もやっぱり気になる。
でも、すっっっごく並ぶらしい・・と聞いていて、並ぶのはなー・・と二の足を踏んでいたのですが。
そしたら、先日、ブログのコメント欄に、枯山水さんから、「ル・クシネというお店のモンブラン食べたことありますか?」というコメントをいただいて。ル・クシネ!知らんぞ!・・と調べてみたら、根津にあるらしく。しかも金土日しか営業していないと。
そこでピコーンとひらめいたんですね。
「そうだ!谷根千ケーキツアーしよう!」と。
そんなわけで、自分としては早起きして、やってきました日暮里駅。
谷中の階段に降り立ちましたよ!
和栗や、谷中ぎんざのかなり終わりの方にあるんですね。
なんとか無事到着。
時間は、11時開店に対して10:20到着。
先客は6人。全員女性です。
自分は7番目。
まあこのぐらいの並びは予想の範囲内かな?なんて思ってたら、甘々で。
10:30になったら、続々と人がやってきて、長蛇の列が。
最終的には50人ぐらい並んでたんじゃないかな?
すごー!
そして、開店。
自分はなんとか一巡目に入ることができました。
和栗やのメニュー、色々ありますが、今の時期は、秋のモンブラン「HITOMARU」一択でしょう。
開店前に店員さんがオーダー聞きに来たので、煎茶と一緒に発注してました。
店内に入ってからも多少・・10分ぐらい待って、いよいよご対面です!
おー!これがかの有名なHITOMARUさんですか!
アップ。
豪華ですねー。
では!食べてみます!
このモンブランは、メレンゲは側面についているのだけ。ごくゆるーく立ててある生クリームに、たっぷりの和栗クリームが。
で、この和栗ですが、ふーーむ。ふむ。
栗のほくほく感はたしかにしっかり。
なんだけど、かなり焙煎香が強い。
なんというか、ごく有り体に言うと、甘栗っぽい。
すごく美味しいのは間違いないんだけど、せっかく最高級の和栗を使ってるなら、
もうちょっと繊細さを感じさせる方法はないのかなー?と思ったり。
美味しいのは間違いないんだけど、ってしつこく書くけど、でも、それを踏まえて言うと、ラブリコチエの方が繊細さは上。あれですよ、美味しいモンブランにいい栗は必須だけど、いい栗があれば美味しいモンブランが作れるのか、というとまた別問題、ということではないかと。いや、美味しんですけどね。
そんな感想でしたねー。
そんなこんなで、和栗やをサクッと退散、次に千駄木方面に向かいます。
谷中~千駄木の間、趣のあるお店多いですねー。かなり惹かれるお店あった。
あと、いせ辰は寄りたかったなー。もう何十年も訪れていない。今度来よう。
そして、千駄木から根津に向かう途中に、小さなお店がありました。
はい、ル・クシネですね!
お店ほんとに小さい。ショーケースも小さいんだけど、シンプルなケーキがいっぱい並んでました。
今はモンブランとエクレアとシュークリームあたりが押しみたい。
そんな中から、自分なりに気になったケーキをチョイス。
保冷剤は1個30円なので、1時間分入れてもらいました。
ル・クシネを出て、更に根津方面へ。
地下鉄の根津駅すぐそばに、最後の目的地、パティスリーセレネーが。
おー、老舗の風格ありますねー。
セレネーは、お店の中はそこそこ広い。
ショーケースには、クラシカルなケーキから、ちょっとおもしろそうなケーキまで、色々揃ってましたね。
特にモンブランは、「和栗のモンブラン」「3ヵ国のモンブラン」「ショコラモンブラン」の3種類もあって、ちょっと困りましたねー。
そんな中から、これも適当にチョイス。
ケーキ箱2つ下げて帰ってきました。
一息ついて、まずはル・クシネのケーキから。
最初にモンブランを。
下の紙をはずして、切ってみます。
このモンブランは、9時間焼いたメレンゲに、和栗洋栗を合わせたクリーム、というのが特徴。
食べてみると、メレンゲが、口当たりは軽いんだけど、かなり香ばしさが強い。やや焦げくささ?も感じられて、ちょい微妙。
マロンクリームは、和栗の良さと洋栗のねっとりした甘みとがうまくバランスを取っていて、なかなか美味しい。
全体としても、とても良くできたモンブランだと思います。目の覚めるような驚きはないけれど、とても手堅い。美味しいです。
次に、ちょっと面白そうだったムース系、ワーズワーズマントゥを。
これ、冷蔵庫でちゃんと冷やしたんだけど、ムースが保型ギリギリの柔らかさで、というか保型できてないじゃんというか、どんどん傾いてくる。
あわてて食べてみました。
ムースは、ベリーのムースとミントのムースの二段重ね。
どちらも、見ての通りやわやわで、口溶けの良さは半端ない。
ベリーは甘酸っぱくて、ミントはスースーするということはなくて、フレッシュな香り。
さらにこのムースの食感もあって、非常にさっぱりかつ儚い味わいですね。
かなり美味しい。
そして、ちょっとビックリしたサヴァラン。
なんかすごいなー。この形。
ナイフで切ってみました。
このサヴァランは、購入するときにもアルコール強いですよと念押しされていただけあって、シロップが飲めるほどの量だし、ラム酒がガッツガツに効いている。
ババ生地は適度なスポンジ、食べごたえあり。それ以上にすごいのが、山盛り生クリームに、中央はなんとバナナ!さらにベリーを中心としたフルーツが散らしてあって、満艦飾の出来。
このサービス精神たるや・・
味わいとしては、シロップも含めてかなり甘いのですが、ラム酒でキリッと締めていて、甘ったるいだけじゃない美味しさ。
これはかなり気に入りましたねー。すごく好き。
最後、オペラも買ってみました。
このオペラ、今どき珍しいぐらい、スタンダードなオペラですよね。衒いもなくこういうオペラ作るのはなかなかすごいのではないかと思って食べてみたのですが・・
確かにこれはオペラ。見かけも味も、教科書的なオペラです。そして、すごく美味しい。
チョコの濃さも、コーヒーリキュールの効かせかたも、シンプルかつ最高のバランス。簡単なようでいて難しいですよね。
そんなわけで、コメントで教えていただいたル・クシネさん、モンブランも美味しかったけど、自分としてはサヴァランの個性、オペラの正統な美味しさにより惹かれましたね。
そして、パティスリーセレネーのケーキ。
まずは、3種類あるモンブランの中から、秋限定の和栗のモンブランを。
断面はこんな。
このモンブランですが、マロンクリームは、香りは間違いなく和栗、だけど、ねっとりとした食感を含め、味わいはかなり洋の要素を感じます。
タルト生地のバターの香りも強いので、和栗だけどやや重め。
大きさもそこそこあるし、渋皮煮がトップと中にも入ってるので、栗を食べた!感はかなりあります。美味しい。
次に、店名を冠したケーキ「セレネー」を。
このケーキは、店名ケーキなんだけど、プレートに「好みが分かれます」と書いてあったんですよね。
その意図は?と思って食べてみたのですが・・
おー!!
これは・・
確かに好みが分かれる味だ。
このケーキ、構成としては、コーヒー、発酵クリーム、焼きりんご、が主なパーツなのですが、
問題は中央の「発酵クリーム」という代物。
発酵クリームって、何?よくわからないんだけど、味はものすごく独特です。
サワークリームのような酸味と、チーズのような発酵臭が、かなり強い。
チーズと言っても、マスカルポーネのような優しいものではなく、ウォッシュタイプに近い、相当に香りがキツいタイプのチーズを思わせる。
なので、癖はめっちゃあるのですが、チーズとりんごって合うじゃないですか?そういう意味では、レストランのデセールの前のフロマージュにりんごを合わせて食べる、みたいな、そんなイメージのケーキ。
これは、慣れは必要ですが、慣れればクセになる美味しさ。
さらにコーヒーも加わって、唯一無二の個性です。
こんな通好みのケーキに店名をつけるなんて、ほんとすごい。感服です。
そして、プラリネというケーキ。
このケーキは、名前の通りプラリネのムースを主体に、バニラムースなど9層を重ねて、表面をキャラメリゼしたケーキ。
プラリネの香ばしさ、キャラメリゼの香ばしさは感じますが、全体をバニラのムースが優しく包み込む感じ。
コクはありますが、とても食べやすい。万人向け。でも、見ての通りしっかり仕事してある。
すばらしいですねー。
最後は、トロワ・フロマージュ。
これも、名前の通り3種類のチーズを使ったチーズケーキで、主軸はベイクド、そこにレアチーズのクリームがかかっている構成。
このベイクドチーズが、ふわっとしながら適度な重みがあって、チーズもくさくはないんだけどしっかりチーズを感じさせて、とても美味しい。上のチーズクリームはさっぱりと。
オーソドックスだけど、間違いのない仕事ぶりがうかがえます。
パティスリーセレネーも初めてだったけど、老舗おそるべし、クオリティ高かったですねー。
すごく手が込んでたし、凝ってたし、でも味わいは統一感があって。
いやー、谷根千栗拾い、どこもレベル高くて、とてもよかった。
ほんとはね、近くの鶯谷まで行くこともできるのですが、それはまた今度ということで。