先日発売された柴田書店「カフェ・スイーツ」の最新刊。
これに影響されまくっていて、先日のパリセヴェイユに引き続き、今日はアヴランシュ・ゲネーです。
アヴランシュ・ゲネーの新作ケーキ、お店のカラーの重厚さに加えて暖かい季節に合わせたサッパリ系のケーキも並んでいるとの事だったので、もう期待大ですよ。
今日は梅雨の合間の晴れの一日。絶好のケーキ日和。
後楽園駅からお店目指してテクテクと数分。
真っ赤なファサードが見えてきました。
店内の生ケーキのショーケースを見ると、期待してたマカロン・サモトラケはまだ並んでなくて、でもサバランやフォレノワールのアレンジバージョンは売ってたので、それを含めてケーキ6個購入。
更に、噂では「東京一濃厚なチーズケーキを目指した」と言われるガトーゴルゴンゾーラも購入。
楽しみだわー!
ゲネーのケーキ、まずはさっぱり系のケーキからスタートです。
サバラン・パスティス。
ゲネーのサバラン、以前はオレンジとコーヒーのサバランを食べたことがあったのですが、この新作サバランははじめて。
どんなだろー??
ナイフで切ってみます・・・
これ、見ての通り、トレイの形状を完全に無視した大量のシロップが。びじゃびじゃ。
びっくりですよ。
汁がこぼれないように慎重に食べてみたのですが、
美味しいですなー。
サバランのババ生地はキメが細かくて、シロップをたっぷり吸ってもしっかりした弾力が感じられて美味しい。
そこに、上に載ったオレンジやオレンジピールのさわやかさ。
パンデピスを練り込んだクリームの、ややこってりした味わい。
それらを口に含んで、嚥下してから最後にパスティスの薬草の香りがふわっと。
この時間差、すごいですね!ストーリー性のある、素晴らしく美味しいサバランです。
次に、初夏らしいフルーツタルトいきます。タルトコナツです。
断面。
上に載ってる小夏みかんは、酸味はそれほどなくて、適度に甘酸っぱくてさっぱりしていて美味しい。
それに酸味をプラスする、ヨーグルト風味のクリーム。
そして、このタルト台が、すっごく美味しいですな!
中のクレームダマンドがややねっちりした食感で、アーモンドの香りとバターの香りがかなり強めに香ってくる。このタルト台が上のフルーツやクリームをがしっと受け止めて、さっぱりしているだけじゃないケーキとしての美味しさにまとめ上げているんですね。
さすがのタルトです。
これもさっぱり系のケーキ、ヴィオレ。
このケーキは名前の通りすみれを使ったケーキとのことなんだけど、自分、すみれの味ってよくわからない。
でも、このケーキ、すごく香りが良くて、その香りは、なんだか「蜂蜜」のような、甘くてフラワリーな香り。
これがすみれなのかなー?違う?
でもすごくいい匂いだよ。
そこに、強めの酸味があるベリーが合わさり、すっごく美味しいケーキになってる。
上のシュトロイゼルがいいアクセント。
ゲネー、さっぱり系もいけますね!美味しいです!
そして、これが意外にもはじめてのミルフィーユ・ヴァニーユです。
このミルフィーユ、絶品です!
パイ生地が!バターの香りと小麦粉が焦げる直前まで焼かれた匂いが最高!噛むとみしみしした食感で、噛みごたえがあります。
そして、中に入っているカスタードも、パイ生地の強さに負けていないパワフルな濃厚さで、パイとクリームのベストマッチ。これは相当レベルの高いミルフィーユ、と言っていいでしょう。シンプルだけどクオリティはめちゃくちゃ高い。
次に、これもカフェ・スイーツで見て食べてみたかったフォレノワールカシスフレーズ。
正直、フォレノワール好きの自分としては、カシスといちご、本当にフォレノワールとして成立しているの?という疑問もあったのですが・・
これ、見事にフォレノワールの新境地を開拓している!
ちゃんとチョコは濃厚で、チェリーはたっぷりで、フォレノワールのベースは崩さずに、そこに控えめにカシスといちごが加わって、とかく重くなりがちなフォレノワールに若干の軽さを加えている。
でも、この若干というさじ加減が難しくて、軽すぎるとフォレノワールじゃなくなるし、でも、このフォレノワールは絶妙のバランスで、フォレノワールを美味しさをキープしたまま食べやすく改良してある。これはいいですね!フォレノワール好きの自分も納得です。
生ケーキ最後は「フォルティシマ」という、強そうな名前のケーキ。
見るからに濃厚そうなチョコケーキですが。
漆のような上掛けのグラサージュと、中のガナッシュは、見たとおり濃厚。でも、ラム酒がキリッと効いているので、濃すぎてもたれる、ということがない。いわゆる「コクがあるのにキレがある」という味わい。
甘さは極端に控えめで、お酒も効いているので大人限定ですが、このケーキ、甘ったるいチョコケーキが苦手な人でも、美味しく食べられると思う。濃すぎないけどチョコレートのビターな芳醇さはしっかり感じられる、とても美味しいチョコケーキです。
そして、待ってましたのガトーゴルゴンゾーラ。
箱から出して、ナイフで切っただけで周囲にチーズの香りが。
ワクワクしながら食べてみたのですが、
!確かにチーズ、すご!
あ、でも、これ、好き。
すごく美味しい。
チーズの部分は、確かに強烈なチーズ臭いです。塩気も強いし、その代わり甘さはほとんどなくて、この部分だけ取ればサレ系のケーキ、とも言える。
けど、下の台の部分は、ほんのり甘くて、これがいいバランスなんですよね。単に塩っぱいだけじゃなくて、ちゃんとケーキとして成立させてある。これがとてもいいです。
確かにお酒にも合うケーキかもねー。でも、ケーキとして紅茶と合わせても全然いける。
これは、これまで最強のチーズケーキと思ってたタントマリーを超えたかも。
素晴らしく美味しいです。
そんなわけで、久しぶりのゲネーのケーキ、初夏らしくさっぱり系のケーキも多かったですが、ここのケーキは、さっぱり系でもしっかりとした強さを持っていて、逆に濃厚なケーキでも食べやすさが考慮されていて、そのあたりの工夫が人気の秘訣なのかも?と思いました。
フォレノワールカシスフレーズがその最たる例で、フォレノワールの濃厚さをキープしたまま食べやすくアレンジするという、難しいチャレンジに成功している。ここらへんが上霜シェフの実力のなせる技なんでしょうね。
ガトーゴルゴンゾーラはまだ残ってますが、後引き系の美味しさなので、今日明日中にはなくなる予感・・・