今日はここ、大森にやって来ました!
ちょっと大森に用事があって。
その前にちょこっとケーキを食べていこうという算段。
大森周辺、実はなにげに実力派のケーキ屋さんが何軒もあって。
かなりのパティスリー密集地帯なのです。
その中から今回は2軒、行くことにしました。
京浜東北線に乗って大森駅に着きました!
大森駅といえばやっぱりこれははずせない、考古学生誕の地。
ここからケーキツアー、スタートです!
大森駅の北口から出て、西の方に進みます。
すると、「ジャーマン通り」という通りに出ます
そこを約7~8分歩くと、威風堂々たるパティスリーが現れました。
ここが最初の目的地、「ル・ガリュウM」さんです!
自分がお店に着いたのは、開店直後の10時少し過ぎ。
そして、お店の2階のカフェがオープンするのは11時とのこと。
ありゃー・・・事前チェックが甘かった・・・
店内で食べられないのか・・・あうううう・・・
仕方ないので、お店に出ていたシェフに、「あの、この近くに公園ないですか・・?」と聞いたら、
哀れに思ってくださって、特別に2階で食べてもいいことにしてくださいました。
そのかわり、コーヒーなどのドリンクはなし。水のみ。ということで。
ううう、なんて優しいんだ・・・ありがたい。
一時は公園で寒風吹きすさぶ中食べることを覚悟していただけに、優しさが身にしみました。
それで、ケーキを選ぶことになったのですが、
このお店、「我流」というわりに、クラシカルなケーキがかなり多い。
サントノレ、ピュイダムール、ムラングシャンティ、などなど・・・
そして、「パリブレスト」のプレートもありました。
なので「パリブレストは出てきますか?」と聞いたら、まだ作っている最中とのこと。
なるほど、それじゃ仕方ないですね。
ということで、ケーキ4つをチョイス、2階で食べさせてもらうことになりました。
こちらが今回選んだ4品です!
まずは、手前のムラングシャンティからいってみましょう!
ムラングシャンティって、大好きなケーキなんだけど、いつも食べるのに苦労する。
ナイフで切ろうとするとメレンゲが崩壊してしまうことが多くて。
でもここのムラングシャンティのメレンゲは比較的しっかりしていた。
でも、口の中に入れるとシュワっと溶ける。甘くて美味しいーーー!!
そして、生クリームもとてもミルク感があって、メレンゲと一緒に食べるとまさにミルキー味。
それにトップに載ったいちごを加えると、いちごミルク味。
やっぱりムラングシャンティの置いてある店は絶対間違いないですね。すごく美味しかった。
次に、これも出す店の少ないピュイダムールを。
自分ピュイダムールも大好きで、売ってたらまず買います。食べます。
ここでも出会えて感激。
切ってみます。
ここのピュイダムールは特徴的で、中にりんごが入ってるんですね。なので、通常のピュイダムールの「パイケース+シブーストクリーム+表面キャラメリゼ」が単調にならないように工夫されている。
りんごの酸味と、カルバドスも効いてるんじゃないかなあ?ちょっとそんな香りもしました。とても複雑な味のピュイダムールです。
表面はもっと盛大に焦げててもいいけど、これがお店なりの解釈のピュイダムールなのでしょう。これはこれでとても美味しいケーキです。
次に、「苺のサントノレ」を。
サントノレ、ちゃんとシューに飴がけしてあるのが好感。
切ってみました。
このサントノレは、名前の通りいちご味のクリームがメイン。
でも、このいちごクリームは、やや子供っぽい味に感じました。
いちごの酸味があんまりないんですよね。やっぱりいちごは酸味がキュッとあるほうが好みなので。
それ以外のパーツ、シューにしてもパイにしても、それぞれに飴がけがしてあって、正統派のサントノレだけに、いちごバージョンじゃないストレートなサントノレを食べてみたいとちょっと思いました。
そして、「クロディーヌ」。
断面。
このケーキは、チョコとコーヒーと、スパイスとしてアニスを使っているとのこと。
アニス、かなり強めに効いています。でも、アニスとチョコレートが組み合わさると、とても大人っぽい洗練された味わいになるんですよね。
その大人っぽい味わいを補強しているのがコーヒーのほろ苦さ。
これは、アニスというクセのあるスパイスを使っていながらここまで上品に仕上げるのはすごいなーと思いましたね。
・・と、ここまで食べた所で、シェフが2階に上がってきて、「パリブレスト出来上がりましたが、食べますか?」
そりゃモチのロン食べますよ!
ということで追加のパリブレストです!
このパリブレスト、出来立てということもあるけど美味しかったなー!
正統派のパリブレストです。シューはさっくりと固く、ほんのり塩気も感じさせる。
そしてプラリネクリームはねっとりと濃厚。
キャラメリゼしたナッツのカリカリも楽しい。
そんなわけで、ル・ガリュウM、我流と言いながら実はとても謙虚に古典に学ばれている、その姿勢に感動しました。
以前からジャパンケーキショーなどでいくつかケーキ食べて実力は知っていましたが、やっぱり本店で食べるとその美味しさはひとしおですね。
すごくいいお店でした。
ル・ガリュウMをあとにして、大森駅に戻ってきました。
今度は東へ。大森海岸駅の方向に歩いていきます。
目指す目的地は、「アンサンク」。
ごっつい歩道橋を渡ったところにお店がありました。
アンサンク、ケーキの種類はやや少なめながら、どれも手間がかかった美味しそうなケーキ。
これは選ぶのにかなり苦労しました。
なにせ前の店でケーキ5個食べてるから、ちょっと控えないと、でもどれも美味しそうだし・・・
そんなわけで、長考の末、ケーキ3個をセレクト。
紅茶と一緒に食べることにしました。
こちらが今回選んだアンサンクのケーキです!
まずは、店名を冠した「アンサンク」から。
可愛いですね!
断面。
この店名を冠した自信のケーキ、いちごとバニラの構成。
でも、こちらのいちご味は、ムースの優しさとジュレのキュンとした甘酸っぱさ、いちごの両方の美味しさがたっぷりと湛えられていて、すごく美味しい。軽やかで優しい味わいだけど、なよっとした感じではなく凛とした、気品のある味のケーキです。美味しい。
そして、こちらもスペシャリテ、「バナモン」を。
断面。
このバナモン、構成としてはバナナとキャラメルとチョコ。
この組み合わせはまず美味しいのはわかりきっていますが、その鉄板の組み合わせでも、やっぱりお店によって考え方の違いがあるんですね。
ここのバナモンは、バナナのちょっとしたえぐみも含めたむせるような濃厚さ、それにしっかり甘いキャラメルショコラを合わせていて、食べやすいだけでなく力強さも感じるんですよね。
バナナも不思議な果物ですね。生と火入れでも全く味が変わるし、えぐみを残すか消すかによっても味が変わる。
ここのバナモンは、クセも含めたバナナの美味しさを表現したケーキになっていました。
最後、ミルフィーユを。
食べやすい横倒しスタイルですね。
ナイフでガリッと切ってみます。
ここのミルフィーユは、パイの一枚一枚が手で剥げそうなくらい、ふわふわ、さくさくとした軽やかさ。
でも、火はしっかり入っていて、軽く焦げ臭さを感じる。このぐらい焼いてあるとやっぱり味の深さが変わりますよね。
それに対して、中のクリームは、断面図を見ておわかりかと思いますが、かなり白い。
これはムースリーヌに生クリームを混ぜているのかな?かなり軽い味わいになっていました。
個人的にはこれだけよく焼けのパイだったらもっと重めのクリームでもいいかな?とも思いましたが、これは万人向け、とても食べやすいバランスのミルフィーユになっていました。
このパイのサクサク感は、湿気たミルフィーユしか食べてない人には衝撃があるんじゃないでしょうか。
アンサンクのケーキ、3個だけでは評価は下せませんが、どのケーキも美味しかったです!口当たりは軽やかなのですが、その芯はしっかりと一本通っている。これは丁寧な仕事がなせるワザですね。素晴らしかったです。
ということで、大森のケーキ巡り、どちらも素晴らしいお店で、とても美味しかったし嬉しかったです。
大森は、普段なかなか行く機会のない場所ですが、これだけ実力のある店があるわけですから、よかったら一度機会を作って行ってみてはいかがでしょうか?
今回行かなかったお店でも、実力のあるパティスリーはまだあるみたいですし、ケーキツアーには最適な場所だと思いましたよ。