CDはよく買うんですが、ほとんどがリイシューものばかりで、最近の音楽は
ほとんど買わないのです。試聴はしてるんですが。
昨日ひさしぶりに、いわゆる「最近のR&B」アルバム、
Amp Fiddlerの「Waltz of a Ghetto Fly」を購入しました。
「最近のR&B」としてはラファエル・サディーク以来だから、本当に久しぶり。
でも、このアンプ・フィドラーさん、元エンチャントメントのメンバーで、
Pファンク軍団の日本公演にも参加したそうだから、めちゃめちゃベテランさんなのでした。
けだるい、重いファンクのリズムと、美しいメロディーの間をアナログ・シンセがうにょうにょと
縫うように流れ、煙ったボーカルがつぶやくようにブルージーに歌う、とてもかっちょよい
アルバムです。
スガシカオ好きなら絶対気に入るはず。
それにしても、このアンプ・フィドラーにしても、ラファエルにしても、
エリカ・バドゥやメイシー・グレイやミシェル・ンデゲオチェロにしても、
なんでこんなに暗いんだろう?
スライ&ザ・ファミリー・ストーン「暴動」の、ずぶずぶと沈みこむようなファンクが
伝染したみたいに。
かといって王道の「今時R&B」が明るいかというと、やっぱりどこか影がある。
暗くて、病んでいて、しかもコマーシャリズムに毒されてスカスカのスポンジみたい。
だから、最近のメインストリームのブラック・ミュージックは聴いていて本当に絶望的な
気分になります。
上に書いたアーチストたちは、その中でも、ブラック・ミュージックの本質である、肉体性や色気を
きちんと理解・リスペクトしてその上で今の時代なりの革新性を付け加えた傑作をいくつも
世に出している。
だけど、なんでこんなに暗いんだろう?
スライ「暴動」の暗さは、キング牧師の死やベトナム戦争など、当時の黒人の絶望を
表していたとされるけど、今はそんな時代じゃないでしょう?
あと、今のメインストリームの歌ものブラックミュージックを「R&B」と言うのは、どうしても
違和感がある。(本国でもそう言われているらしいけど)
だって、今のR&Bは、昔のそれとは全く異質なものになってしまっているから。