超高級バターといえば、のエシレバター。
外国でこのバターがどのような位置づけなのか知りませんが、日本では特殊な存在ですよね。ほとんど信仰の対象じみている。
丸の内にあるエシレのお店、未だにバタークリームの塊のガトーは開店前に並ばないと買えないらしいですし。
そのエシレバター、去年銀座SIXに催事出店して、焼き菓子やソフトクリームを販売してましたね。
その時も、焼き菓子は瞬殺。ソフトクリームは自分食べましたが、量少ない割に高すぎるわ!がおー!という印象だったので、特に記事にはしなかったのですが・・・
そして、今年は、そのエシレバターを使ったスイーツ、去年に引き続きの銀座SIXと、今年は新宿伊勢丹にも催事出店するとのこと。
これが焼き菓子とソフトだけだったらスルーなのですが、今年は目玉として、アントルメのミルフィーユが限定販売されるとのこと。このミルフィーユ、中にはバタークリームとラムレーズンがたっぷりらしく、それは、超高級マルセイバターサンドということかい!?と、かなり興味をそそられて。
じゃあ、いっちょ買ってみますかね!
さいわい、同じ週にマパテではアンヴデットも出店している。
アンヴデット、先月末に新宿高島屋パティシェリアに催事出店してたのですが、その時はタイミング合わなくて買えなかったんですよね。これは清澄白河行かないとなーと思ったら、向こうから来てくれた。
これはちょうどいいじゃない?両方買いますよ!
でも、事前情報では、エシレのミルフィーユ、1日20台限定?とか噂があって。
それは、気合い入れて絶対ゲットせねば!
・・と、今日、自分にしては超早起きして、地下鉄乗って、伊勢丹地下に着いたのは9時ちょい過ぎ。
やった!さすがに誰もいない!
勝ったな・・・
その後は、あらかじめ持ってきていたKindleFireでピクロスしながら時間つぶしてたのですが、その後も全然人こないじゃん!
なんだよ!自分バカみたいじゃん!
・・で、結局、開店30分前ぐらいまで、ほぼ誰も来ず。
そのあたりからようやく少しずつ人が増えてきました。
これだったら、30分前に来ても全然大丈夫だったよ!
でも、その後すごい勢いで人が増えて。
そして、開店。
自分はBダッシュでマパテ2に。なんとか一番乗りはたしました。
自分の後ろには瞬時に大行列ができ、そのあたりはスタッフも読んでいたみたいできちんと行列さばいていました。30人ぐらいかな。
もし、本当にミルフィーユ20台しかなくて、ほとんどの人が買ったとしたら、開店時ダッシュで最後尾についた場合買えない可能性が。
自分、これが嫌なんですよ。開店後、売り切れの恐怖と戦いながらじりじりと待つのが。だったら開店前に並んで最前列にいたい。
そんなわけで、一番乗りの自分、当然ミルフィーユ。と、サブレサンド、あと焼き菓子が数種類ありましたが、いちばん美味しそうなのを。
そして、争奪戦に勝利した足でそのままマパテ1に。
アンヴデット、ケーキもいっぱいだけど、パンも色々。
やっぱり、このあたり、最近マパテは意図的に生ケーキ以外のアイテムを増やしてますね。
パンも買いました。
今日は夏の暑さ。
なので、急いで帰ってきて、なにはともあれ冷蔵庫でケーキよく冷やします。
そして、まずはアンヴデットのケーキを食べることに。
最初は、ココアナナ。
トップにパイナップルが載ったヴェリーヌです。
スプーンですくうと・・
このヴェリーヌは、名前の通り、ココナッツとパイナップルが主役。
この2つをメインにすると、トロピカルなのは当然。
でも、南国フルーツって、ちょっと刺々しい、というか、刺激が強いものが多いじゃないですか。
パイナップルは舌を刺すような酸味がある場合もあるし。
それが、ここでは、パイナップルが完熟で酸味がキツくない、というのもあるし、中段のムースリーヌがパイナップルの酸味をやさしく包み込んで、トロピカルな風味はそのままに、刺激的な部分をやわらげている。
そこにほんのり塩気のクランブルや、ココナッツのダックワーズで、夏らしさを感じさせつつも、まろやかにまとめあげている。
すごく丁寧に作られたヴェリーヌですね。
この丁寧さがアンヴデットの持ち味なのかな、と思います。
次に、これも南国風かな?パナマージュ。
これはバナナのタルトですね!
断面。
さっきの話の続きになるのですが、南国フルーツは刺激が強いというのはバナナにも言える部分があって、バナナって、かなりエグみのキツいフルーツだと思うのです。生でそのまま食べるとそんなわかんないのですが、ジュースにしたり、バナナのパウンドケーキを焼いたりすると、そのエグみが意外に強いことに気づかれるかと。
ことほどさように、素材としては意外と難しいバナナ、パナマージュではどのように扱ってるかな?と食べてみたのですが・・
おー!これは!
上段にあるバナナのムースが、これが甘さはそこまで強くないんだけど、ふわっと軽めのムースになっていて、バナナそのもののねっとりした食感もあって、嫌味なく美味しい。
その下にはチーズクリームが。このチーズクリーム、酸味はそんなになくて、こちらもバナナのエグみをうまく包み込んで、まろやかな味わいにしている。
土台のタルト生地は、ほんのり塩気、わずかにシナモン?香りがよくて、バナナの風味とすごく合っている。
バナナの風味はしっかり楽しめるけど、嫌味がない。美味しいケーキに昇華させる手腕は、やっぱり丁寧な仕事あってこそ、だなーと。
そして、サントノーレルージュピスターシュを。
これ、かなり大きいです!すごく大きい。
アカシエのサントノーレほどではないけど、インパクト大。
断面はこんな感じ。
このサントノーレ、たっぷり絞られたピスタチオのクリームが、かなり濃厚。豆っぽさもあって、重めです。
さらにシューに塗られたフォンダン、シューの中のカスタードと、全体にかなりもったりと甘め。
大きさも大きさだし、やや重さを感じるので、アクセントになるベリーのソースがもうちょっといっぱいあってもよかったかも。酸味が欲しくなりましたねー。
下に敷かれた薄いパイ生地がカリッと香ばしくて美味しい。
最後、レンジというケーキ。
これは、チョコ・ヘーゼルナッツ・アプリコットの組み合わせ。
この組み合わせ、やや上級者向けというか、ちょっと見合うの?と思われるかもしれません。
でもこれ、実はそんなに突飛でもなくて、素材の相性としては決して悪くない。
このケーキの場合も、香りの良いヘーゼルナッツのコク、親しみやすいミルクチョコレートの甘さに、アプリコットの強すぎない酸味がうまくアクセントになって、とてもバランスが取れた美味しさ。
さらにこのケーキでは食感もよく考えられていて、ミルクチョコのムースはトロッととろける食感、中にはヘーゼルナッツのスポンジのしっとりもっさりとした食感、下はサクサクのサブレと、バラエティに富んでいて、食べ飽きない。
これも仕事丁寧ですねー。
あと、パンも買いました。
これは明日の朝ごはんかなー。
さてさて、休憩ののち、メインエベント、いきますよー!
エシレシャレットの「ミルフィユエシレ」開封の儀です!
デカイ!そして、箱から出しただけでラム酒の香りがふわっと。
これは期待できるのでは?
ちなみに、箱の裏を見ると・・
おー!オリジンーヌ・カカオが作ってるのか。それじゃあマズイわけがないわな。
では、ザクッと大胆に切りますよー
さてさてさてさて・・
ワクワクしながら、一口。
おー!!!
なんかすごいぞ。
順番に説明すると・・
まず、パイ生地。バターたっぷりで、ガッツリ焼かれていて、すごく香ばしくて、サクサクした食感も含めて、素晴らしい生地。
そのパイに挟まれたバタークリームですが、なんといってもラムレーズン!これが、かなりどっぷりラム酒に漬けたとみえて、ラムの香りが素晴らしい!この香りの良さだけでも、満足感がある。
バタークリーム自体は、しっかり冷蔵庫で冷やしたのですが、ややザラッとした食感。バターはもちろん感じられるけど、「バターのかたまり!」というほど強烈ではない。味わいとしては、バタークリーム自体はマイルド。むしろラムレーズンの方が印象強い。
これは、ガッツリ冷やすよりも、少し常温に戻したほうが食感なめらかになっていいかも?どうだろ?
とまあ、一口だけでも強烈な存在感。
ただ、バタークリーム狂にとっては、バターはそこまで強く感じられないので、やや物足りなさを覚えるかも。
確かにバタークリーム好きはぜひ試して欲しい一品であることは間違いないし、すごく美味しいんだけど、争奪戦を勝ち抜いてまで買うべきか?と言われると、どうなんでしょうねー。
正直、正直なはなし、今回のミルフィユエシレ、バター感でいえば、シャンドワゾーのミゼラブルほどの衝撃はないです。
自分、今回のエシレケーキ食べる前に、ツイッターで「ケーキ買っておいてなんだけど、エシレってそこまでか?シャンドワゾーのミゼラブルはイズニーだし・・」みたいなことをつぶやいたのですが、そうしたらおざさとさんから、「それは、エシレバターを生かす「腕」にまだ出会えていないからでは?」といった意見が。
確かに、なるほど。そうかも。
エシレの場合、丸の内のエシレのお店で売ってるガトーエシレ食べたことないのでなんとも言えないのですが、有名パティスリーでエシレを使ったケーキはいくつか食べてますが、さすがエシレ!というものにはあんまり出会ってないんですよね。シャンドワゾーのミゼラブルにおけるイズニーであるとか、ユウササゲのラメールにおけるボルディエであるとか、そういった、圧倒的なバターの美味しさは、まだエシレでは感じたことがなく。
もちろんエシレ、すごく美味しいと思いますよ?ヴィロンでモーニング食べた時にパンに塗ってすっげー美味いなー!と思ったし。でも、ケーキではこれぞエシレ!というのはまだ経験がなく。
だから、今回のミルフィユエシレでは、これぞエシレ!というのを味わえるかなー?と思ったのですが、確かに素晴らしいミルフィーユではあるけど、シャンドワミゼラブルを超えた!とはならないですねー。
オリジンーヌ・カカオさんが作ってるだけに、仕事は間違いがなく最高のものであるし、だとすると、やっぱりエシレのポテンシャルの問題なのかなー?うーん・・??
今回のエシレシャレット、他にもサブレサンドが3種類あったので、買ってみました。
ミルフィユエシレが巨大なのに対して、めっちゃ小さい。一口サイズ。
包装紙をはずしてみます。
こちらは、サブレ生地はほろっと軽め。
そして、バタークリームはとてもシンプル。特にブールは混ぜものなしのストレートなバタークリーム。
ラムレーズンとピスタチオも、そこまで個性が強くない。
それだけに、こちらの方がよりエシレバターの風味をダイレクトに感じることが出来る。
なるほど、やっぱりエシレって美味しいバターなのね、というのは、こっちの方がわかりやすい。
なので、ミルフィユはちょっとゴツすぎると思う向きは、こちらのサブレサンドだけの購入もありかと。
焼き菓子は、サンボリックというのを買いました。
袋に3枚入っていました。
1枚取り出してみます。
いい焼き色!
食べてみると、カリッとサクッと美味しい。バターの風味が素晴らしいし、食感もクリスピーでいいし、甘さはやや控えめで、お茶請けにカリカリ食べるのに最高ですな。
そんなわけで、エシレのお菓子、色々食べました。
どれも美味しかった。そして、自分の中でエシレバターの位置づけがなんとなく確定したっぽい。
確かに素晴らしいけど、最高峰ではないかな、というのが自分の中の位置づけ。
今回のミルフィーユ、できれば食べていただきたいけど、無理ならサブレサンドだけでもいいかも。