例えばDorothy Ashbyのように、ハープという楽器は端正な音も出すけれど、深くて黒い音を紡ぎだすことも出来る。不思議な楽器。
ハープに限らず撥弦楽器はそれぞれに深遠な魅力を持っているように思いますが、ハープは特に陰陽の2面性がはっきりと表れる気がします。
でもまあ、ハープというとだいたいはイージーリスニングというか、ニューエイジというか、最近の言い方だとヒーリング・ミュージック系に流れてしまいがちで、なかなかドロシー・アシュビーさんのように心動かされるアーティストにめぐり合わなかったりするのですが、最近知ったLori Andrewsさんのアルバム"Bossame Mucho"は、かなり良かったです。
Lori Andrews公式:http://www.jazharprecords.com/
日本語ページ:http://jazharp.aquarianwave.com/(音出ます。注意)
このアルバム"Bossame Mucho"、例によって日本でのCDの取り扱いはほとんどないみたいですが、公式サイト内のCD紹介ページで試聴可能で、iTMS-Jで購入も出来ます。
"Dindi"や"One Note Samba"といったブラジリアンやBobby Caldwell"What You Won't Do For Love"、Grover Washington Jr."Take Me There"といったナイスな選曲が、端正だけどグルーヴ感を伴ったハープの独奏とうまくマッチして、安易な方向に流れていない。きっちり「ハープによるジャズ」作品として成立している。
正直、バンド編成の作品については自分はあまり評価できないのですが、ハープ独奏の作品はどれも良いです。
これからの季節にピッタリの"Jazz Harp Christmas"も、すんごく可愛らしくて素敵。ジャケも可愛い。
これもiTMS-Jから買えます。