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美人女性アーティストは不利ではないか

カニエさんやJAY-Zとの共演で知っている人も多いヴァイオリニスト、Miri Ben-Ariがソロアルバムを出すそうです。

9月20日にユニバーサル・レコードよりリリースされる予定のミリ・ベン・アリのアルバム『The Hip Hop Violinist』は、カニエ・ウェスト、ジョン・レジェンド、ファボラス、リル・ウェイン、トゥイスタ、ファロア・モンチ、アンソニー・ハミルトンらがゲスト参加し、既にファットマン・スクープとヴィシャスをフィーチャーしたファースト・シングル「Jump and Spread Out」がリリースされている。

Hip Hop Violinist

Hip Hop Violinist


公式サイトhttp://www.miriben-ari.com/内でシングルカットになるのかな?
"Sunshine To The Rain"のPV(リンク)やライブパフォーマンスなどの映像クリップ(リンク)が視聴できます。
また、既にシングルで発売されていて今回のアルバムにも含まれる"Jump & Spread"(リンク)や"We Gonna Win"(リンク)もリンク先から試聴できます。


"Sunshine To The Rain"はミディアム・テンポのハッピーチューンでいい曲だけどちょっとアクが足りないかな?という感じ。きれいにまとまりすぎているというか。




Miri Ben-Ariさんに限らず、クラシカルな楽器・マイナーな楽器をバカ上手テクで演奏してなおかつポップフィールドでも活躍する美人女性アーティストというのも、ひとつの系譜になっているような気がする。
前だったらシーラ・E*1とか一時すごかったし、最近では前にここでも書いたアルパの上松美香さんやヴァイオリンの 寺井尚子さん、ギターの村治佳織さん、弦楽四重奏の"Bond"なんてのもいたし、女子十二楽坊なんかもその系譜かも。


美人が一心に楽器を演奏する姿は美しいです。絵になります。クラシカルな楽器だと更にエレガント。・・・ということでCMなんかには引っ張りだこ。知名度も上がってCDのセールスもそのジャンルでは通常考えられないほどの売れ行き。
だけど、それの裏返しで、彼女たちには常に「あんなに美人なのに演奏も上手い」というフィルターが常にかかってしまう。それは彼女たちを音楽家として純粋に評価するうえでのネックにもなっているような気がするのです。


CDジャケットもこんな感じで。
mika agematsu ドリームダンシング レスプランドール
Explosive: The Best of Bond 輝煌 ~Shining Energy~
こういったジャケットに象徴されているように、否応なしに付帯してくる「付加価値」は、知名度を上げるには多大な貢献をするだろうけれど、その「付加価値」が肥大して「本質」を押しつぶし・・てはいなくても覆い隠している部分はあると思う。
かといって、殊更「美人女性だとかそういうことは関係なく」というエクスキューズをつけるのも、逆に意識している事にほかならないし。


彼女たちは決して「あんなに美人なのに演奏も上手い」というレッテルに満足する人たちではないだと思うんだけど、作品を制作するときには往々にして本人が目指しているのとは別の方向でプロデュースされるジレンマがあるのでは?とMiri Ben-Ari"Sunshine To The Rain"のPVを観てちょっと思った。
「美人である」ということはむしろハンディキャップであるかもしれないよなぁと。

*1:エスコヴェード家のサラブレッド