1990年のお正月にNHKで放送された「いとうせいこうの'90年代論 噂だけの世紀末」を発見。
当時「ノーライフキング」が注目され、"MESS/AGE"を発表して
「思想派ラッパー」(こう書くとすごくカッコ悪い・・)いとうせいこうによる
1990年代および21世紀についての考察番組。
21世紀もだいぶ過ぎた今見返すと、鋭い部分もあれば、見当はずれの部分もあり。
やはり目前に迫っていたネット社会についての考察がもっと欲しかったところ。
「TVゲーム→噂の一人歩き→都市伝説」までは迫れていたんだから、あと一息で
2ちゃんの出現を予測できたのに。惜しい。
その番組内で、「2001年のお正月のTV番組」という設定での未来予測が
語られるのですが、それで上の写真は「2001年のいとうせいこう」メーキャップ
なのですが、実際のいとうせいこうはこんなに老けてない。というか昔からほとんど
変わってないのですが、
その架空の番組案内での「1990年に予想された2001年のNHKテレビ」はこんなかんじ。
- ボートピープル受け入れ、外国人コミュニティーが普通のものとなる
- 外国人を受け入れられない日本人は孤立し、外国人に対し被害妄想的になる
- 大相撲中継では力士の血圧・脈拍がリアルタイムに表示。また史上初のソビエト人力士の参加
- 「男尊女卑」「終身雇用」「単身赴任」といった言葉が死語となっている
- 採用には性別・学歴等が不問になり、一部企業を除いてほとんどのサラリーマンが頻繁に会社替えをする。
- 少子化に伴い受験生がいなくなる
- 大河ドラマに13ヶ国語の副音声が付く
- CIの手法を援用して日本の新国名・国旗を制定
あと、この番組のサブタイトル「噂だけの世紀末」は、いとうせいこうとヤン富田、
宮崎泉による名盤"MESS/AGE"の中の要となる名曲ですが、ここでヤン富田が
使った元ネタは
前半:Pharoah Sanders / Love Is Everywhere
(from Love In Us ALL)
後半:Gary Bartz NTU Troop / Dr. Follow's Dance
(from Follow, The Medicine Man)
今はどちらもCDで入手できるようになってます。
Sun RaのSpontaneous Simplicity(from Live in Paris at the Gibus)も最近再発されたし、すごい時代になったもんだ。