本当は、昨日ケーキ食べる予定だったのです。
天気も良かったし、まさにケーキ日和!12月にしては暖かいし、どこ行こう!
と思っていたのですが、
なんと、行きの電車中でカメラ代わりのiPhoneが死亡!
そ、そんなーーーー
まだ買って1年とちょいしか経ってないのに、もう壊れるかぁ??
そんなわけで、急遽銀座のアップルストアに行き先変更。
そこのジニアスバーで見てもらって、一旦は回復したかに見えたのですが、
アップルストア出て数分で再びブルースクリーン。
だめだこりゃ。
ということで、有償交換。
お金が、お金が・・・
お金も痛かったですが、設定が。
なんかSIM読み込んでくれなくて、ネットにつなげられなくて。
そうなるともうお手上げですね。
そんなわけで、せっかくのお天気の一日、ほぼ徒労に終わってしまいました。
そして今日。
もう、今日は、狂犬のようにケーキが食べたくて。
相変わらずダルさはあるのですが、そのダルさとケーキ欲が混じって、もう大変なことに。
そして、外は雨がパサパサとしのついている。あいにくの天気。
でも、もう今日は絶対にケーキ食べる!
そんな強い気持ちで、ダルさをねじ伏せて、雨天決行のケーキツアー、無事開催です!
今日は、ここに来ましたよ。
はい、ブロンディールです!
ブロンディール、移転リニューアルした初日に行って以来、ご無沙汰してたので。
このたぎるケーキ欲を鎮めてくれるには、このぐらいの名店でないと務まらない!と思って。
久々のブロンディール、今日はじっくり店内を眺めていたのですが、改めてすごいですねこのお店。
生ケーキはもちろん、焼き菓子、ヴィエノワズリー、チョコレートからぺろぺろキャンディーなどのコンフィズリーまで、ズラリと揃ってる。
オーボンヴュータンとフジウのステキな部分を凝縮して再構成させたみたい。
中でも目立ってたのが、ショーケースの上にうず高く積まれた焼きメレンゲたち。
これ、前から食べたかったんですよねー。
そして、焼き菓子もシュトーレンやベラベッカなどのクリスマスのお菓子を始めとして、美味しそうなタルトやら焼きっぱなし系のお菓子やら充実していて、どれもこれも買いたくて困りました。
その中から1つチョイス。
そんなこんなで、ケーキ欲に身を任せてケーキ買いまくってたら、お会計が5600円になってしまったという。
それでも、買いたいスイーツの1/3も買えてない。
ほんと底知れぬ奥深さやで・・・
ケーキ箱3箱を強引にひとつの袋にまとめてもらって、ひいふういいながら帰ってきましたよ。
さてさて、久しぶりのケーキタイム、華やかに開幕です!
まず最初に食べたのが、「ノスタルジ」という、ステキな名前のケーキ。
このケーキ、すごく美味しいのです!
すごく美味しいのですが、見かけのシンプルさからは考えられないほど複雑な味わいで。
基本はアーモンドとホワイトチョコのケーキなのですが、そこにレモンのクリームがひとすじ。
レモンの酸味はやわらかで、名脇役に徹している。
なんだけど、このケーキは、その材料以上に様々な味を醸成していて。
ちょっとスパイシーだったり、ちょっと焦げたような香ばしさだったり、材料に手をかけている部分で新しい味がふわりと立ち上がってるんですよね。
これはまさに「藤原シェフ」のケーキ。古典的な構成だけど新しい。
素晴らしいとしか言いようがないです。
次に、「タンタシオン」というケーキ。
真っ赤です!ステキ!
断面。
このケーキもすごいです!
真っ赤なケーキの中は、ラズベリー、いちご、リュバーブ。
味の構成としては、かなり似た味の素材です。
にも関わらず、それぞれの素材の味の違いがはっきりと分かる。
ラズベリーの酸っぱさ、いちごの優しい甘酸っぱさ、リュバーブの野性味ある酸味。
その微妙なタッチを繊細に組み合わせていて、もうこれは芸術的というか、絵画的ですよね。
絵のマチエールになっている。
そして、ひたすら美味い。いやー、さすがというか・・・
そして、ノワゼティエというケーキ。
断面。
このケーキは、名前の通り、ヘーゼルナッツが主役のケーキ。ローストして香ばしさを増したヘーゼルナッツがトップにも中にもぎっしり。
でも、ここでも味が単調にならないようにパッションフルーツが隠し味になってるんですね。
ヘーゼルナッツとチョコとパッションの調和。
これがビシっとはまってる。
パッションはなくても十分に美味しいヘーゼルナッツのケーキにはなるだろうけど、この一工夫が「それ以上」になってるんですよね。凄みを感じます。
季節限定のタルトタタンも買いましたよー
このタルトタタンはかなり小さめ。
断面。
このタルトタタンは、どちらかというとりんごのフレッシュさを大切にした作りになってる。フレッシュ&ジューシー。
なんだけど、ちゃんとキャラメリゼした焦げ感はあるんですよね。これは、表面はしっかり焼いて、中は半生という、絶妙な火入れでなければ実現できない美味しさ。
シンプルだけど、その手間隙は大変なものかと。
その存在感あるりんごを受け止めるパイ生地の美味しさも言うまでもなく。
美味しいタルトタタンです!
そして、これは見るからに美味しそうだった「レコルテ」というケーキ。
断面。
もう、これは見ただけで美味しさ確定でしょう。
でも、食べてみたらもうもう・・・
ナッツの香ばしさ!キャラメルのねっちょりした食感!タルトのザクザクとした食べごたえ!そしてアクセントになっているレモンの甘酸っぱさ!
・・・最高かよ。至福です。
サヴァランも初めて買いました。
ここのサヴァラン、かなり独特のフォルムですが。
スプーンですくってみます。
わお!
これもおいっしい!美味しい!
普通のサヴァランだと、ババ生地にラム酒、という組み合わせになるのですが、これは、ババ生地にラム酒はもちろんたっぷりなのですが、上掛けのバニラたっぷりカスタードソースと酸味強めのラズベリーソースが、すんごく美味しいのです!
これはちょっともう震えが来ましたよ。ゾクゾクするほど美味しい。
うわー・・・これはもう・・・
生ケーキ最後は、普通のケーキとはちょっと違う異様な雰囲気を放っていたこちらのケーキ、ニダヴェイユを。
このケーキ、ケーキ皿からはみだしそう!巨大です!
ナイフで切ってみました・・・
このケーキは、多分古典菓子なんだろうと思います。ブリオッシュ生地にカスタードを挟んだだけのシンプルな構成。
なのですが、これが美味しいのですねー。
ずっしりと重いブリオッシュ生地に、バニラとラム酒がたっぷりのカスタードクリーム。地味なんだけど、紅茶と一緒に食べると、なんとも幸せな気持ちになる。
生地はかなり重めですが、甘さは控えめなので、けっこう食べ進められる。
そして、ピチビエグラッセも買いましたよ。
以前見たピチビエグラッセは、フジウのデザインと似ていたのですが、今日買ったのは、だいぶ見かけからして違っていますね。
これもナイフでカット。
なるほど、このピチビエグラッセ、フジウのとはだいぶ味が違いますね。
生地はかなりしっとりとしている。アーモンドの香りは弱めで、代わりにオレンジフラワーウォーター?柑橘系のさわやかな香りがふんわりと。フォンダンも薄めで、甘さは控えめ。
これは、古典とモダンの融合ですね。フジウのクラシカルなピチビエグラッセもすごく美味しいと思ったけど、こちらのピチビエグラッセは方向性は違うけどやっぱり美味しい。
最後に、これ食べたかったんですよの焼きメレンゲ、「ムラングノワゼットバニーユ」です。
まあ、藤原シェフはメレンゲの達人なわけで、絶対美味しいと決まっていましたが、やっぱり美味しかった!
メレンゲはさくっふわっはらり。軽さの中にも存在感をしっかりと主張した生地になっていました。
そこにヘーゼルナッツが入っていて、香ばしさをプラス。
これはもう、期待以上の美味しいメレンゲでしたね。やっぱりね。
そんなわけで、自分のケーキ欲も無事鎮魂。
思ったのですが、ブロンディールのケーキは、間違いなくフランス菓子なのですが、それとともに間違いなく藤原シェフのケーキになっている。
古典的なケーキにも、その味の芯をはずさずにアレンジしたり、単調になりがちなケーキにはアクセントをプラスしたり・・・
その繊細な感性はまさに藤原シェフだけのもの。フランス菓子の持つ力強さを保ったままこれだけ繊細な仕事をしているのは、やっぱりすごい。その感性はますます研ぎ澄まされているように感じました。
ブロンディール、遠いけど、遠いけど、日本発のフランス菓子の最高峰が味わえるのは間違いない。
この距離に負けずに訪れて欲しいパティスリーですよ!