昨日観てきました。
http://www.ueno-mori.org/special/aida_yamaguchi/
6/19まで開催。
もちろん最初から観に行くつもりでしたが、この展覧会の公式ブログ
(http://aida-yamaguchi.iza.ne.jp/)で、お持ちのブログに記事載っけてくれるなら招待しますよ〜的な企画があって、それに便乗してみた次第。
初日(5/20)の閉館後に1時間ちょいの時間をもらって、その間に鑑賞・・・ということだったのですが、ペース配分間違えて、半分も見ないうちに1時間経過。後半部分は駆け足で見ざるを得なかったのがとても残念。
できれば会期内にもう一度観に行く予定。
会田誠さんの作品は、新作「滝の絵」と、代表作「ジューサーミキサー」「大山椒魚」と大作がずらっと並んだスペースが圧巻。
写真提供:上野の森美術館
だけど、今回の展覧会に限って言えば、会田作品よりも山口作品のほうが質・量ともに上回っていたような気がする。まあ会田作品については多くが知った作品だということもあるけれど。
山口晃さんの作品は、企画展なんかでは何枚か観てましたが、まとまって観るのは初めて。以前の日本橋三越での展覧会は行こうと思って行かれなかったんですよね・・。
江戸元禄と昭和元禄と文明開化をごちゃ混ぜにした独特の画風。伝統のやまと絵から大友克洋・植芝理一までをつなげたようなダイナミックな細密画。そして、絵の中に散りばめられた多数の小ネタ。見ていて飽きないし、時間があっというまに過ぎてしまう。
かと思えば、絵画・インスタレーション・ビデオアートなど、ひとりで12人分のそれぞれ全く異なるコンセプトの作品を並べてみて、ビエンナーレ〜トリエンナーレのパロディ「山愚痴屋澱エンナーレ2007」を開催したり、会場内に架空の画廊をつくってそこで個展をひらいてみたり。やりたい放題。
写真提供:上野の森美術館
なすび画廊での宮島達男「花ぶらんこゆれて」展以来です、ここまで脱力したのは。
面白かった。
会田誠と山口晃、作風は全く異なるけれど、こうやって並列に展示してみても妙にしっくりくる。それはなんでだろうな〜と考えてたのですが。
2人とも、連綿と続いてきた、だけど普段は無自覚な「日本文化の猥雑さ、バカバカしさ」をどうやって提示するか、をテーマにしているというのが共通項なのでは?と思いました。
やまと絵〜浮世絵〜アニメまで、日本独自の文化の表面のつるんっとした部分をポップカルチャーとして抽出したのが村上隆だとすると、
やまと絵〜浮世絵〜アニメまで、日本独自の文化の下層にたまったどろんっとした澱を掬い上げて強引に見せつけてくれるのが会田さんや山口さん、なのではないかと。
今回展示された作品の形態やモチーフが、屏風絵、合戦絵巻、盆栽、おにぎり、茶室、書道・・・といった日本の伝統的な意匠が非常に多かったというのも、その思いを強くした要素かも。そうした伝統的日本の様式美の中に(同じ土着性を実はもっている)現代日本のサブカルチャーを強引に押し込めることで、結果「すごみのある脱力アート」を形作られているのではないかと。
2人が最初に邂逅した展覧会が「こたつ展」だったというのも、「こたつ」=「脱力系日本伝統文化」の象徴としてぴったりだし、「澱エンナーレ」というのもしっくりくる。
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