大人の書き手を尻目に、子どもが書いた本が次々と出版されるようになった背景には、書き手の早熟さを売り物にしたい出版社側の思惑も見え隠れするが、ケータイやゲームばかりと思われている最近の子どもたちが、意外に活字に親しんでいる事実もありそうだ。
上記記事で取り上げられているのは、
(Web版"SPOON"での連載をまとめたもの)
(トイザらスのCMのイラスト描いてる子ですよね)
- 丘紫真璃(おかむらさきまり)さん(15)の『黄色い卵は誰のもの?』
- フラヴィア・ビュジョールさん(15)の『エリアドルの王国』
- 与那覇敢太(よなはかんた)君(7)の『ようかいオジジあらわれる』
といった作品が紹介されていました。
ただ、この手の「天才児童あらわる!」的アンファンテリブルな作品というのは
今に始まった事ではなく、ちょっと前に大ブレイクした竹下龍之介(当時6歳)の
『天才えりちゃん金魚を食べた』とか有名ですよね。
ただし「天才子役」と同じで、子供特有の天才的な閃きをキープするのは
非常に難しいみたい。思うに大人がちやほやして才能をスポイルしている可能性が
大ではなかろうかと。
極私的なことを言うと、「こども作家」よりはもう少し上の中学生〜高校生が書いた
小説はわりかしチェックしていて、「大御所」綿矢りささんだけでなく、
以前日記にも書いた今回の「坊ちゃん文学賞」を獲得した浅井柑さんや
第2回の受賞者中脇初枝さん、文学界新人賞を最年少で獲得した篠原一さんの
『壊音』とか、熱心に読んだ記憶があります。
(何故か男子高校生とかはあまり出てこない)
「こども作家」ほど幼くはなく、でもちょっと生硬で様々な思い悩みを
客体化しきれていない文章が、妙になまめかしくて惹きつけられるのです。
・・・追記。上の文章書くために調べていて初めて知った篠原一さんのサイト。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/hajime_s/
少女作家から大成してその後もコンスタントに活躍していらっしゃることは知っていましたが、
(キャリアよりも話題が突出してしまった綿矢さんを除いては稀有だと思う)
樋口一葉の現代語訳からATOKの開発秘話まで
手がけてらっしゃるとは・・・。
おっと、キーワードリンクもしてるんだ。
おみそれいたしました。
追追記:
キーワードリンク「篠原一」から辿ってみると、半分は同姓同名の
東大名誉教授への誤爆(?)でしたが、
id:hiro17:20040507経由でのサイゾーの栗原裕一郎氏の記事
某エンタメ作家が自身のウェブ日記で「モー娘。より可愛い。作家も顔で書く時代か」とか寝ぼけた感慨を漏らしていたけれど、なにをいまさら。顔や若さを当て込んだ系譜というのは鷺沢萠、篠原一などなど連綿とあったのであり、そのあたりの事情を「『スタ誕』と新人賞は、パラレルな問題を含んでいる」「編集者は、半ば本気で、応募作に顔写真を添付させたいと思っていたらしい」と渡部直己と秀実が話したのはもう十年近く前のこと(『それでも作家になりたい人のためのブックガイド』)。
上記は2002年1月号掲載の記事らしいですが、その後の様々な展開を考えると
かなり鬱・・・・。