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異能の天才・しとうきねお

しとうきねおさん。
はてなダイアリーのキーワードにはなっていますが、きちんとした評価はまだそれほどされていないような気がします。
かく言う自分も、特に彼について詳しいわけではないのですが、子供の頃に見た何点かの作品の強烈なイメージが残っていて、気になっている作家さんの一人ではありました。
今回た〜様のコメントを受けていろいろ検索していたら、今年の6月にお亡くなりになっていたとのこと・・・とても残念です。そして思っていたよりずっと若くて、びっくりしました。


子供のときに鮮烈な記憶として残った最初の出会いはこの作品でした。(クリックで拡大します)
電子怪獣テレビラス一族
「カラーコミックス」誌、1968年5月15日号。自分が生まれる前の作品ですが、某コミックアンソロジーに収録されていて、そこで目にしたのです。
隆盛のテレビ業界をウルトラマン(1966年放送開始)以降の怪獣ヒーローものの怪獣になぞらえて痛烈に風刺したパロディー作品です。
イラスト・設定とも細かい細かい。ポップな絵柄と相俟って子供心に強烈に訴えかけてきました。なんか「ビックリマン」を彷彿とさせますね。


こうした当時の社会風刺を「極端なコスプレ」で表現したのが、「週刊漫画アクション」に連載されていた「人間見本市」という作品。
人間見本市 ドライバー対歩行者
人間見本市 革新対保守
これも1968年の作品です。
先のテレビ怪獣といい、「おたく」の人の「設定好き」に通じる部分があって、風刺の内容はともかく、手法は古びてない。
他にも、21世紀の人間から見た昭和40年代、というSF的手法のパロディで当時の社会を風刺した作品もあって、これも極めて「おたく」的。
21世紀人が見た不思議な不思議な世界
21世紀人が見た不思議な不思議な世界


・・・このように、しとうきねおさんの表現はイラスト・漫画の範疇も超えていて、時代を考えると非常にモダンというか先鋭的というか、ものすごい才気を感じずにはいられません。
昨日買ってきた文藝春秋デラックスのカラーイラストはこんなのでした。
パチンコ玉替機


これなんかは和製ルーブ・ゴールドバーグにコラージュアートの趣まで加えていて、偏執狂的なまでの細かさ。


他には浮世絵の東海道五十三次のパロディも。
東海道五十三次の宿


こうした作品だけ見ていくと、才気と諧謔精神が先走った人みたいな印象もありますが*1、文春が以前刊行した「漫画読本」のアンソロジーに載っている未発表作品「マンモスと石と人間」は、まるでライナー・チムニクを思わせるような、リリカルな美しさに包まれた社会批判の作品で、もしかしたらこっちの方がしとうきねおの本質だったのかも・・・という気がしなくもありません。
マンモスと石と人間


調べたところ、現在amazonでも取り扱っている彼の作品は

があるようです。夏目房之介さんとは深い親交があったようで、それについては夏目氏の青春マンガ列伝という本に述べられているそうです。未読ですが是非読んでみたいと思います。

*1:「毎日中学生新聞」に連載されていた「パズラー学園」という読者投稿コーナーを担当していたとのこと。自分はそのコーナーについてはよく知らないのですが、なんとなくわかる気がします。