(1日目はこちら)
カプセルホテル「ナインアワーズ」であんまり良く寝られずに、旅の疲れもあって調子はあんまり良くない2日目。
しかも、2日目は雨。
初日は晴れたけど、2日目はだめでしたねー。
ナインアワーズは10時チェックアウト。
連泊なんだけど、連泊の人も一旦チェックアウトしないとダメなんだそう。
しかたないので、10時に一旦チェックアウトしました。
だけど、今日回るお店はみんな11時以降のオープンだったので、少し時間をつぶさないといけない。
どうしようかなーと思いつつ錦市場あたりをぷらぷらしていたら、「紅茶専門店」という看板が。
その看板に導かれて階段を上がると、2階に「デリカ」というお店が。
ここのお店、紅茶専門店をうたうだけあって、紅茶の種類がなかなりマニアック。
普通のお店には置いてない茶葉がいろいろ。
なので、ここは通ぶって「キームン」を発注。
それに、プラスして「今週のモーニング」を。
そしたらなんと!ミルクピッチャーとティーポットに、今はお店閉めて卸しかしていない堂島ムジカの文字が。
店員さんに聞いてみると、やはりムジカの茶葉も扱っているそう。
だけど、自分の選んだキームンはムジカのではなく、九州にあるキームンだけを扱った業者のものなのだそう。
キームンだけを扱った紅茶卸って、あるんだー。
ちなみにそこのキームン、スモーキーでとても美味しかった。
このお店「デリカ」、なかなかいいですよー。紅茶美味しい。
大丸の裏手にあります。
デリカで軽い朝食を食べて、10時50分に最初の目的地、「オ・グルニエ・ドール」のサロン・ド・テへ。
そしたら、開店前だというのに、どんどん人が増えていく。
ひょえー、すごい大人気店なんですねー。
さすが老舗として名を馳せているだけのことはある。
開店少し前に店内にお客さんを入れてくれて、ショーケースのケーキを見る時間ができた。
どれも美味しそうだねー。さすがです。
この中から選ぶの大変でしたが、なんとか4つをチョイス。
11時と共にサロン・ド・テへ。
自分は中庭の見える席を確保。
中庭、雨に濡れそぼって味わいがあります。
しばらく待つと、ケーキと紅茶がやってきました。
ここでも頼みましたミルフィーユ。
ここのミルフィーユはいちごたっぷり。
こちらのパイは正統派の折り。
粉糖がたっぷりかかってるので、ズボンが白くなっちゃったり、ちょっと食べにくさはあったけど、パイはさすがの美味しさ。いちごもたっぷり入って、これぞミルフィーユ!という、間違いのない味。
安心しますねーこういうの。
スペシャリテのピラミッド。
以前は、こんな形のケーキない!ということで話題にもなったケーキなのだそう。
三角なのでちょっとナイフが滑る。なので、叩くようにして切るのがいいのだそう。
切ってみました。
ミルクチョコのやさしい甘さ。全部がチョコレートなのですが、甘さがやさしく、万人受けしそうな味わい。なのでもたれない。奇をてらったことはしてないのですが、とても美味しい。さすがです。
リンツァトルテ。
これはラズベリージャムの酸味が鮮烈!シナモンの香りがかぐわしい生地はどっしりとその酸味を受け止めている。これも正統派の、間違いのない美味しさです。
そして、さくらんぼとメレンゲのタルト。
メレンゲ生地の表面はさっくり。中にはたっぷりのチョコチップが入っていて、その重さと、生地の軽さが好対照。さくらんぼの存在感があんまりなかったのがちょっと残念だったけど、メレンゲの軽さをたっぷり感じさせてくれました。
お会計をする時に、店員さんに「このケーキの組み合わせ、ケーキお好きなんですねー」と言われてしまった。
ちなみに、オ・グルニエ・ドール、サロン・ド・テのすぐそばにテイクアウト店もあって、そちらは間口がすごい狭いんだけど店内は広い。
焼き菓子なんかはこちらのテイクアウト店のほうが充実してたりしました。
オ・グルニエ・ドールから雨の中をテクテク歩いて、次に向かったのはパティスリーS。
京都のパティスリー、どこも人が絶えないんだけど、パティスリーSは特にすごくて、開店1時間もしないうちに品切れの商品がいくつもあった。
うわー・・・「リ・オ・レ」食べたかったなー・・・
しかたないので、ショーケースにあるケーキから、4つをセレクト。
イートインで食べました。
「エス」というケーキ。
白くて可愛いですねー。
断面。
中からベリーの赤いソースがとろりと。
このケーキはチーズケーキの一種。チーズの酸味とベリーの酸味、さらにグレープフルーツの酸味も加わって、酸っぱさのアンサンブル。そして柑橘のほろ苦さも。かなり凝った構成になってます。
ムラングシャンティ。
一見ダックワーズみたいなコロンとしたフォルム。
断面
このムラングシャンティの焼きメレンゲは、カルメ焼きのようなざっくりとした食感。甘さは控えめで、生クリームは無糖なので、味わいは淡白なのですが、この焼きメレンゲの食感で楽しませてくれる。
エガールというケーキ。
ココットに入ったケーキ、スプーンですくいます・・・
うーむ、これは・・・
ちょっと複雑な味わいだなあ。
ピスタチオのえぐみと柚子の苦さが同時に来て、ちょっとびっくりする。それに日本酒の味が重なって、なんとも言語化が難しい味に。ものすごーく凝っているけど、美味しいかというと、ちょっと唸ってしまうかも。上に載せたメレンゲが全体の味を中和しようとしているんだけど、中和しきれてないよねー。
ちょっと凝り過ぎかなーというきらいが。
最後、テールいきます。
これは、コーヒーとラムレーズンという組み合わせ。
こちらも組み合わせとしては斬新だけど、これはOK。相性バッチリです。
けっこうラムが効いていて、やっぱり大人味だね。自分はこれは好きですが、お酒の弱い人は要注意かも。
・・・ということで、大人気店のパティスリーSは、ちょっとイデミを思わせる印象でしたね。
ものすごく独創的で凝ったケーキが多いんだけど、時々凝りすぎてやらかしてしまうという。
うまくハマればクリエイションが楽しめるのですが、ちょっとそれが前面に来すぎてるかなー・・・
パティスリーSを出ると雨脚がだいぶ強くなってきた。
ここから歩いて、目指すはロトス洋菓子店。
なのですが、ロトス洋菓子店、めっちゃわかりにくいところにある。
地図があったからたどり着けたけど、これ、知らない人は絶対に来られない。
お寺の裏口の、なんでそこに!?というロケーションにある、小さな小さなお店。
だけど、店内に入ると、素朴だけど丁寧に作られているとひと目でわかるケーキが端然と並んでいる。
品数は決して多くないけど、どれも心惹かれる。
その中から4つ選んで、雨の中ホテルに戻りました。
そして、再びナインアワーズにチェックイン。
今度はカプセルの場所が変わります。
そして、1Fのラウンジで紙皿広げてロトス洋菓子店のケーキを食べることに。
まずは、大胆な「たまごのショートケーキ」から。
これはすごいですね!
具材なしの、クリームだけのショートケーキ。
よっぽどの自信がなければ作るのをためらってしまう。
だけど、この具なしショートケーキ、予想通り素晴らしく美味しい。
スポンジの存在感、生クリームとカスタードクリームの存在感。
それぞれ、地味ながらも渋く光る存在感が素晴らしい。非常に端正なバランスのシンプルなケーキ。美味しいです。
ムートン。
これもシンプルなケーキ。
断面。
これは、栗とカシスとバニラのケーキ。
タルト台がきっちり焼きこまれていて美味しいなあ。
これも、シンプルなパーツ、栗、カシス、バニラクリームが、いぶし銀の存在感を漂わせていて、素晴らしいアンサンブルを奏でている。
地味だけど鈍く光る、通好みのケーキになっています。
カカオフイユテ。
チョコのミルフィーユ。
なんだけど、このケーキも、チョコの多様な表情を引き出すことに成功している。
チョコのパイ、上に載った板チョコ、そしてチョコのクリーム。
サクッ、パリッ、トロッ、とした、1つのチョコレートの持つ多面性を的確にすくい上げている。美味しいなあ。これも地味だけど、その確かな手腕には感服する。
そして、焼きっぱなしケーキの「いちごのタルト」
見るからに地味。でも、見るからに美味しそう!
タルトの中に入ったアーモンドクリームはとろっとしていて柔らか。
いちごはかなり酸味の強い、甘酸っぱさがしっかり立っている。
この酸味と、クリームの甘さが組み合わさった時に、最高の美味しさが待っている。
・・・ということで、ロトス洋菓子店、場所も僻地、店も小さく、見かけは地味なケーキ。
だけど、これはかなり大したものですよ。
才能と手腕がなければ、作ることの出来ないケーキたち。
すごいです。
こういうお店は、場所の悪さに負けずに頑張ってほしいなあ。
もっと知られていい店だと思う。
と、これで京阪神ケーキツアーの京都編はおしまい。
お腹いっぱいになったので、夜ご飯はパスしました。
ナインアワーズのカプセルは、この日もあっちからもこっちからもいびきの音が。
自分はカプセルホテル、向いてないかもなーと思いながら寝た雨の京都の夜でした。
(3日目に続く)