以前から漠然とは感じていたのですが、なんとなくまとまりそうなので書いてみます。
明日上野で「対決」展を観る予定なのですね。
それで、もう夏だし、観る前に軽くお蕎麦でも食べようそうしようという話になって、上野周辺の美味しいお蕎麦屋さんをネットで探してみたのですが。
ひどすぎる。
食ログとかヤフーグルメとか。そういった「口コミ」サイト。なんの参考にもならない。
有名店はアンチが巣食ってるし、マイナーな店は情報が少ないし、で、結果ランキングの上位に来るのはチェーン店だったり居酒屋だったり。
つまり
★5の人が20人、★1の人が20人 ・・・という評価と(平均★3)
★4の人が40人 ・・・という評価と(平均★4)
★5の人が1人 ・・・という評価と(平均★5)
となっていた場合、この中でどこに行ったらいいと思いますか?
★5の人が20人、★1の人が20人
のお店は、多分なんらかの問題はあるのだろうけれど、けなしている人のコメント次第で判断するかな。
★4の人が40人
の店は、可もなく不可もない、凡庸な店だと思う。いちばんたちが悪い。
だけど、多くの一般人が選んだランキングなんかでは、たいがいこうした凡庸な店が上位に来る。
そして、この傾向は、選んだ人間の分母が大きければ大きいほど顕著になっていく。いかざるを得ない。
結果、
「100万人が選んだケーキベスト!!」
とかいう記事を見てみると、
トップが不二家だったりコージーコーナーだったりキ○フェボンだったり。
いや、不二家もコージーコーナーも大好きですよ。でも1位ではないだろう。
音楽なんかもそう。
読者の選ぶ名盤100選!なんてのは、大体が「へーやっぱりねー」なものばかり。
映画もそう。「このコミックを読め!」もだいたいそう。
大勢の人が選ぶ=万人向け=凡庸
ということを頭に入れておかないと、ランキングに踊らされてしまう。
じゃあ、なにを頼ればいいの?というのが難しいのですが、
ベストなのは「自分と似た感性を持った、精通した人をみつける」だと思いますね。これは簡単ではないけれど、今はそれほど難しくもない。自分の好きなものをキーワードに検索して、納得のいく評価をしている人についていく。そうすると、「世間的には評価が低いけれどその人が支持している」ものについては、世評を無視してもかまわないと思う。
そういう人が見つからない、または自分が完全に門外漢の場合はランキングやなんかを利用することになるのでしょうけれど、その場合は
- プロによる評価
- できるだけ少ない人数での評価
のものほど信頼できると思う。
ありていに言えば、自分は
ミシュラン>ザガット
です。*1
ミシュランのセレクションには毀誉褒貶ありましたが、そのこと自体が好感が持てた。
だって、読んだ人全てが諸手を揚げて賛成してたとしたら、そんなの信用できないじゃないですか。
・・・とまあ、こんなかんじなのですが、後半のほうの論旨はあまり自信ない。「異論は認める」というか、異論お待ちしてます。
追記:そうそう。書き忘れ。
じゃあ
★5の人が100人
という、圧倒的に傑出した存在はどうするんですか?
というツッコミは当然ありますよね。
音楽だったらスティーヴィー・ワンダーとか。食事でいえば・・・ロオジエなんかそうなのかな。行ったことないけど。
そういう傑出した存在、王道中の王道は、得てして評価の範疇から外れる場合が多いような気がする。
なんか、選ぶ人が「アレはあまりにも素晴らしいので、あえてここで評価しても今更だし」という心理が働くのでしょうかね。
*1:更に言えばエピキュリアン>ミシュラン>ザガットなのですが、エピキュリアンはフレンチだけだし、終了してしまったので