「夢使い」アニメ化ということで久しぶりにディスコミ〜夢使いを一気読みしたら熱にうかされたみたいになってしまって、ここ数日興奮してあまり眠れない状態が続いてます。
元々読書によって精神的に影響を受けやすい性質なので、最近は体力的につらいのであまり本読まないようにしてたのですが。いやぁ・・やっぱ名作です。
で、ディスコミこと「ディスコミュニケーション」のコアなファンはご存知だと思いますが、この題名は植島啓司・伊藤俊治共著の本「ディスコミュニケーション」から来てます。
そのことでも分かるように、植芝作品のバックグラウンドにはサブカル・ニューアカ・ポストモダン思想とYMOが密接に結びついていた1980年代中期以降の「あの時代の空気」が濃厚に流れていて、それで余計に感情移入してしまうのかもしれない。
そんな空気感を多少なりとも伝えるのが、この1984年に放送されたNHKの深夜番組「TV-TV」。
音楽家・細野晴臣を紹介する特集だったのですが、放送時間の半分近くを当時NHKのスタッフだった若き日の吉成真由美さんとの対談に費やしています。
NHK「TV-TV」(YouTube)*1
この時の対談を後に発展させた対談本が「週刊本・技術の秘儀」で、このあたりはタイトルからしてモロにディスコミの世界。
ガイア仮説とかマンデルブロート集合とか、ディープに語ってます。
中沢新一の「雪片曲線論」のオリジナルが1985年2月、この週刊本が出たのが84年の12月だから、かなり早かったのは間違いない。
あと、サブカルとYMOと一口に言ってしまったけど、教授と細野さんはそれぞれ当時のポストモダン思想と接するアプローチは微妙にというかかなり異なっていたと思う。これは個人的な見解なのですが。
教授はどちらかというと社会的に、もっといえば政治的に「関わっていた」(「コミットしていた」という表現のほうがいいかも)ように思うけど、細野さんは自己の問題としてポストモダンの思想や自然科学を「取り込んでいた」気がするのです。
だから今の教授が「ロハス」とか平気で言えちゃうのは、その思索的なものとの関わり方の態度が昔からそうだったから・・・というように思うのですが、どうでしょうね。
*1:・・・ただごめんなさい、これ本来は30分番組なのですが、当時録画したビデオの前半部分を誤消去してしまっていて、20分弱しか残ってません・・・