経済的自立を目指すホームレスの人が街頭で販売する雑誌「ビッグイシュー日本版」(水越洋子編集長)の発売が11日、大阪市内で始まった。
英国で創刊された雑誌の日本版で「雇用の創出などを目的にした雑誌の発売は国内初」(編集部)といい今後、事業として軌道に乗るかどうか注目されている。
「ビッグイシュー日本版」は大阪の市民団体が設立した有限会社が発行。ホームレスの人しか販売できない。1冊200円で、そのうち110円が販売者の収入となる。
創刊号は5万部で映画やファッション、時事問題などを掲載した。「ビッグイシュー」は24カ国以上で発売、英国では事業として成功している。
正直、駅のホームでよく見かける、読み捨てられた雑誌を拾い集めて
売る行為とどこが違うの?という疑問もわくだろうし、バックに怪しげな
市民団体がついて搾取してるのかもしれない。そもそも偽善行為でしょ、
こんな事でホームレス問題の解決には全くならないという意見もきっと
あると思います。
それでも僕がこの試みを是非紹介したいと思ったのは、これまで完全に
隔絶していた「ノーマルな世界」と「ホームレスたちの世界」が多少なり
とも接触する可能性があるからです。
ノーマルな世界に住んでいる人は、ホームレスの人のことを異世界の
生物と思ってるフシがあるような気がするのです。
だから、中学生・高校生が路上生活者を簡単に殺してしまう。
彼らは、未来の自分なのかもしれないのに。
駅の雑誌拾いにしてもそうですよね。拾い集めた雑誌を通勤途中の
サラリーマンに売るのはホームレスの人本人ではなく、テキヤの
おじさんなわけで。
いわば、あちらの世界とこちらの世界をつなぐ外交官のような存在が必ず
間に入っているのです。
今度の「ビッグイシュー関西」は、ホームレスの人が直接手売りをする、
この一点において画期的であり、意義のある活動だと思います。
ただし、この事業が成功するかは、その雑誌が200円を出すに値するか
どうかにかかっています。
雑誌の内容がつまらなければ、それこそ偽善的な慈善事業でしかない。
どうせなら編集者/記者も経験のあるホームレスに担当させて、
思い切りリアルで独創的な記事が満載の雑誌をつくればもっと良いのに、
などと思ったりもします。
最近は関西に行く機会がほとんどないですが、もしこの雑誌を買われた
方がいらしたら、どんな内容だったか教えてくれませんか?
関東版が出たら最初の号は必ず買ってみたいと思います。
何号か読んで、つまらなければもう買いませんけどね。