ハウス草創期のドキュメント映画"MAESTRO"(公式サイト)観てきました。
パラダイス・ガラージ=ラリー・レヴァンを中心に、サンクチュアリー、ロフト、
ギャラリーといった'70年代〜'80年代のクラブ・シーンを回顧するもので、
当時のDJ、スタッフ、観客らへのインタビューが中心になっています。
以前にも書いた「動くラリー・レヴァンのDJプレイ」ですが、
結論から言うと、最後にほんのちょっと(数十秒)出てきます。
まあ当時のアンダーグラウンド・カルチャーを映像に収めるのは
至難でしたでしょうから、これは止むを得ないかもしれません。
そのかわりパラダイス・ガレージやロフトでの熱狂的なクラウドの様子は
多く映し出されていて、ガレージで踊り狂うキース・へリングを見るだけでも
この映画を見に行く価値はじゅうぶんにあると思います。
映画そのものの出来としてはいまひとつだったりもします。
やっぱりこの映画の主役、ラリー・レヴァンの映像がほとんどないのはつらい。
あと、全体的なトーンがかなり暗い。特にラリーの悲惨な最期について
強引にセンチメンタルにしているのがちょっと。
話の構成も若干錯綜しているので、予備知識のない人が見るのは厳しいかも。
それでもそれを補って余りある貴重なドキュメンタリーではあると思います。
最後に、フランキー・ナックルズが言っていた言葉、
「ジャングル、ドラムンベース・・・様々な新しいクラブ・ミュージックが
閃光の様に生まれては消え、結局ロフト=ガラージ・ハウスに戻ってくる。」
確かに彼ら「マエストロ」達が作り上げたガラージ・ハウスの抗いがたい快楽を
凌駕するフォーマットは25年たってもまだ見出されていないというのは。