ふむ。張られてしまいました。
うかつな事は言えんねぇ。恐るべし、はてなダイアリー。
で、まじめに考えたました。明るい黒人音楽って?
そうすると、なんというか、面白いことに気付きました。
**黒人音楽の超荒っぽい経過**
- ブルーズ(暗い)・ゴスペル(明るい)
- ジャンプ(明るい)
- ノーザンソウル〜モータウン(明るい)
- サザンソウル〜スタックス(暗い)
- ファンク(恐い)
- ニューソウル(ちょっと暗い)
- Pファンク(どろどろと暗い)
- 大所帯ファンク(明るい)
- ディスコ(明るい)
- 初期ヒップホップ・GOGO(明るい)
- ブラックコンテンポラリー(エロい)
- 中期以降のヒップホップ(暗い)
- NJS(明るい)
- 最近のR&B(暗い)
・・・もちろん1つのジャンル内でさまざまなバリエーションがあるので
一概には言えませんが。当然。あとジャズについても本当は無視
できないのですが話がややこしくなるので敢えて割愛しました。
で、思うのですが、黒人音楽には2つの幹線があって、1つが
- ブルーズ→サザンソウル→スタックス→インヴィクタス→ファンク→プリンス
という流れと、もう1つが
- ゴスペル→ノーザンソウル→モータウン→フィリーソウル→ディスコ→マイケル・ジャクソン
という流れが、
DNAの二重らせん構造のようにからみながら現在にいたる、と。
(・・・我ながら乱暴な論理だなぁ)
だから特定の一時期をさしてブラック・ミュージックが明るい・暗いというのは
言いにくくて、最近まではどの時代でも明るい音楽と暗い音楽が
陰陽拮抗していたような気がします。
とはいえ、ブラック・ミュージックのメインストリームは間違いなく
マイケル・ジャクソンのルートだったはずなんですが、いつのまにか
こっちの路線は「セル・アウト」だなんだかんだ言われているうちに、
かなり痩せ細っているように思えるのです。
というか「セル・アウト」という言葉自体、昔のブラック・ミュージックには
絶対ありえない言葉で、かなり最近まで黒人の方々の間では絶対的に
「売れる=善」だったはずなのですが。
このあたりはピーター・バラカンの名著「魂のゆくえ」(絶版)がとても
わかりやすく書いているのですが、氏はその本の中で
ディスコの発生と共に良質な黒人音楽・ソウルはその息の根を止められたと
書いています。
自分はそうまでは思わないのですが、(ディスコ・ミュージック大好きだし)
最近のブラックミュージックに、黒人にしか出せないグルーヴ感がほとんど
欠如しているのがすごく気になる。そして、そのなかで良質なソウルを
継承している音楽はなぜかことごとく暗いのも気になるのです。
で、まったく根拠の無い印象なんですが、やっぱり大きな原因としては
上にあげた黒人音楽の2つの幹線を併呑して急激に巨大化したヒップホップ文化が
コンテンポラリーな音楽の中心に位置したまま、著作権法によって
栄養源を絶たれて餓死寸前までに陥っている事がかなり大きいのではないかと。
明るいブラックミュージックの最後の砦は、誰だろう?と考えたのですが、
・・・・・・
南部系ヒップホップも、なんというか、腰にくる「ため」が
あんまり感じられないような気がするのです。黒い要素も
あるんだけども・・・
うーん、J5?くらいしか思い当たらん。
個人的には前にも書いたUgly Ducklingとか、
すごく好きなんだけども、全然売れてもいないし、有名でもないし。
白人DJのほうが黒い音楽を作ってる、というのは逆説的だけど、
スライ&ファミリーストーンも、スタックスのThe MG'sも
黒人白人混成だったから、珍しくは無いのですが。
まあ、おそらく、新しい文化の種はストリートに芽生えてるとは思います。
そのうちブワァッと来るのでしょうね。新しいカルチャーが。