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少女ラブキンズとマファルー老人の冒険


自分の持っている変な本をさらすコーナー。


前にも何度か書いたようにトリックアート大好きっ子さんだった昔の自分は、いや今でも好きですけど、昔はかなりのめりこんでいたので、それ系の本は多少なりとも持ってたりします。なのでそれを上げてみようかと。


まずはこれ。

少女ラブキンズとマファルー老人の冒険―さかさまマンガ

少女ラブキンズとマファルー老人の冒険―さかさまマンガ


この漫画は、今からちょうど100年前の1903年〜05年に、「ニューヨーク・ヘラルド」紙の日曜版に連載されたものです。作者はGustave Verbeek。
新聞の日曜版に載っている漫画は通常の新聞紙面の1コマ漫画や4コマ漫画よりはスペースが取れるものの、それでもやや大きめなコマ割りで6コマしかとれない。それに不満だったグスターブ・ファービーク氏が考え付いたのが、「さかさま漫画」という手法でした。


この漫画に登場する主人公、少女ラブキンズはこんな女の子。
少女ラブキンズ
スカートをはいて小さい帽子をかぶっています。足がドラえもんみたいなのと手が変なところから出てるのは無視しちゃってください。あと帽子の上でひらひらしてるのはリボンです。


もうひとりの主人公、マファルー老人はこんな姿です。
マファルー老人
テンガロン・ハットをかぶり、ひげを生やした、ちょっと荒くれ者。
顎が長いのと胴体が短いのには目をつぶってください。


・・・とここでもうお気づきになられたかと思いますが、この少女ラブキンズとマファルー老人、同じ絵をひっくり返しただけなんですね。
少女ラブキンズ←→マファルー老人


つまりこの漫画は、いったん最後のコマ(6コマ目)まで読み進んだら、新聞をひっくり返して、上下さかさまになった絵で読み返すとストーリーの続きが読めるという、「画期的なさかさま(The Incredible Upside-Downs)」漫画なのです。
この一見下手くそに見える描線も、実は上下をひっくり返したときの絵柄の矛盾を巧妙にごまかすために計算されつくした線なのです。


百聞は一見にしかず、ひとつ代表的な作品を。(本来は3コマ×上下2段のコマ割りですがWeb用に2コマづつ並べてみました)
少女ラブキンズとマファルー老人1・2コマ目

  • 1コマ目:マファルーは干し草畑に散歩にでかけます。ラブキンズもついていきます。
  • 2コマ目:彼女がふと立ちどまると、二人の小人が干し草を投げ合ってふざけているではありませんか。


少女ラブキンズとマファルー老人3・4コマ目

  • 3コマ目:まもなく大きなイビキが聞こえてくるので、よくみると、小人たちはもうぐっすり眠っているのです。
  • 4コマ目:そこで彼女はそっと音を立てぬように遠ざかります。干し草用のくま手をもって…


少女ラブキンズとマファルー老人5・6コマ目

  • 5コマ目:マファルーに追いつくと、じいさんは、おぼれ死んだフクロウの姿をみせてくれます。
  • 6コマ目:さらにどんどんいき、急な流れの川を歩いて渡ります。


<<ここで紙面をひっくりかえします>>


少女ラブキンズとマファルー老人7・8コマ目

  • 7コマ目:向こう岸に無事について、気持ちよく歩き続けます。
  • 8コマ目:突然、大きなフクロウが二人の上に襲いかかってきました。


少女ラブキンズとマファルー老人9・10コマ目

  • 9コマ目:それは、おぼれたフクロウの母親でした。目には涙をいっぱいためています。
  • 10コマ目:マファルーはフクロウの攻撃に勇敢に立ち向かい、追い払ってしまいました。


少女ラブキンズとマファルー老人11・12コマ目

  • 11コマ目:しばらくして、小人たちのところへもどってくると、彼らは枯れ草の上で逆立ちして遊んでいます。
  • 12コマ目:それから二人も、家まで駆けて帰りました。ずいぶんたくさん楽しいことのあった一日でした。


・・・どうでしょうか。
ストーリーとかそういうのは置いておいて、とにかくものすごい超絶技巧。
グスターブ・ファービークという人は、様々なテクニックを駆使して毎週毎週、トータルで64回も連載したとの事です。しかも今から100年前ですよ。
それをまとめたこの単行本は、その中から傑作を24編集めたもので、他にも驚愕の作品がたくさん載っています。入手は難しいかもしれませんが、もし古本屋などで目にしたら是非手にとって見てください。