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おこもり中でも美味しいケーキ食べたい人は・・紹介記事書きました。


春はすぐそこ!広尾ケーキツアー

今日は3月11日ですね。2011年からもう9年経ちました。
あの日を境に大きく変わってしまった日本。
でも、亡くなった方のためにも、立ち直らなければ・・とみんな頑張って、良くなったり悪くなったり色々ありましたが、少しずつ立ち直っていく、そんな中での今年のウイルス騒動。
おかげで9年目の311はちょっと影の薄いものになってしまいました・・
とても残念です。
今回のウイルスの問題では、311の空前の非常事態から学んだこと、全然学べてなかったこと、色々浮き彫りになりました。
まだ終息してませんが、今回の経験を生かして、次こそ理性的に行動するようにしたいですね。
とりあえず現在言えることは、何度も書いてますが、雰囲気や空気に流されず、全力で毎日を楽しむこと!それが経済的に苦しんでいる人を救う道にもつながっていると思うのです。
微力でも、自分は毎日楽しく過ごして、牛乳もいっぱい飲むし、今度中華街も行くよ!

ということで、ここ最近は意図的にお出かけツイート多めにしているのですが、今日は久々ケーキ!
というのも、広尾に用事があったのです。

ここ最近はケーキツアー以上に都内のアートギャラリーを廻って展覧会を見て、時々作品買ったり、しています。もちろん貧乏なので高い作品は買えないし、たいていは見るだけなんですけどね。
元々自分大学では美術史とるぐらいアートには興味があって、でも気になる作家さんの個展にたまに行くことはあってもそんなにギャラリーをあちこち巡る、ということはしてこなかったのですが、この1年ばかり色々見て回って、大いに知見広がりました。いっぱい考えることできた。楽しい。ちょっと苦しい。なにかについて深く考えることは楽しくもあり苦しくもあり、ですよね。

今日は、天気もよくて、なんと最高気温19度!ほぼ春来ましたの天気の中、広尾に行ってきました。
まず最初の目的は、アート鑑賞。
kaikai kiki galleryで昨日からスタートした、obさんの個展「螺旋と春」を見に来ました。
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kaikai kiki gallery、すごく広くて、大作が展示されていることも多く、今回のobさんの個展でもすごく大きい作品が何点かありました。小品もいくつか、ドローイングもかなりありました。
どれも少し寂しげな少女が、砂漠や茫漠とした場所に佇んでいる、そんなモチーフの作品になっていました。あとなぜかお風呂シリーズが可愛かった。

そして、目の保養の次は、ケーキですよね!
広尾には美味しいケーキ屋さんいっぱいありますが、今回は、まずはこちら。
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ルコント広尾本店ですね。
ルコント氏が亡くなってしばらくして一時閉店したA・ルコント。その後復活して広尾を中心に何店舗か構えるに至ったのですが、自分広尾のお店に来るのは初めてだったのです。
お店の中、広くて喫茶スペースもあり、地下もあります。
ケーキは、基本的には銀座や渋谷のお店と大きくは変わらない。時々広尾のみのケーキも出るみたいですが、今日はなし。
フレジエも、もうシーズン終わったのかな?すごく可愛いフレジエを見かけて気になってたのですが、買っておきたかった・・
アントルメは、シャルロットポワールと、タルトフリュイルージュの2種類。
じゃあ、せっかくだから、ということで、シャルロットポワールを買ってみました。
これは大変なことですよ!

そして、次に向かったのはこちら。
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アルノーラエールですね。
アルノーラエール、新宿伊勢丹に期間限定出店してたお店はクローズしてしまって、現時点では広尾に行く以外ない。
伊勢丹限定のクリスタル、結局食べそびれた・・
でも、いいのです。広尾のお店でも、新作は続々出ているし。
今日もショーケースの中には、スペシャリテから新作まで幅広く並んでいました。
そんな中から、インスタなどで気になってたケーキを中心に、いくつか購入。
帰ってきました。


まずは、手洗いを念入りにしてから、アルノーラエールのケーキ、食べますよ!
最初はフレジェ。
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ラエールさんのフレジェは、表面がメレンゲ。わりと厚めのメレンゲになってます。
アーモンドスポンジもやや厚め。
ムースリーヌは固め。
そこまで激甘!というわけではないのですが、しっかりとした味わいです。やっぱりフレジェはある程度甘さやこってり感があったほうがいちごのさっぱりとした美味しさが生きる気がしますねー。その意味でも、すごく美味しいフレジェです。

次に、チーズケークルイーズ。
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表面の仕上げが美しい。層もかなり重ねていますね。
このケーキは、名前からしてチーズケーキが主体。そこに、いちごとパッションを加えたものになっています。
チーズケーキ部分は、ムースとベイクドの2種類。一番下のクランブルも含めて、チーズケーキらしさはしっかり出ています。
そこに、いちごの甘酸っぱさとパッションのトロピカルな酸味が加わって、複雑な酸味に。
パティスリーのケーキでは酸味というのはけっこう肝で、1種類の酸味で押し切る時もあるけれど、複数の別系統の酸味を合わせてより深みのある酸味を作り出す、そんなケーキもありますよね。
酸味の元としては、柑橘系、ベリー系、チーズ、トロピカルフルーツ、あとはあんずとかもありますね。中にはお酢を使ったお店も・・
今回のチーズケークルイーズはチーズ+ベリー+パッションの酸味の組み合わせ。
酸っぱーい!というわけではなく、玄妙な酸味。すごくクリエイティビティを感じさせます。
さすが。美味しいです。

そして、パリブレストピスターシュ。
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円形でないパリブレストも普通になりましたよね。
このパリブレストは、さらにヘーゼルナッツクリームのかわりにピスタチオプラリネを絞ってある。
さらにクリームの下にはピスタチオのペーストもしのばせている。
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そんなピスタチオなパリブレストですが・・食べてみると、やはりピスタチオ濃厚!
ピスタチオ自体の豆っぽさもあるんだけど、ちょっとアーモンドぽい香ばしさもあって、もしかしたらピスタチオ以外にナッツ配合してるのかな?
それと、印象に強く残るのが、粒塩の強い塩気。これが点在していて、ピリッとしたメリハリのある、甘塩っぱさを生み出している。塩気のあるナッツとなれば、これはもう紅茶もいいけどお酒が欲しくなる展開ですな。そんな大人びた美味しさのパリブレストです。すごく美味しい。

プチガトー最後は、カスノワゼット。
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チョコレートでくるまれています。トップのヘーゼルナッツが金色に輝いていて、鳳凰堂かという。
切ってみます。
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こちらのケーキは、もうヘーゼルナッツが香り豊かで、濃厚で。もうヘーゼルナッツに溺れる、といった塩梅。
食感も工夫してあって、ジャリジャリ、カリカリ、楽しませてくれる。
なので、ヘーゼルナッツ一辺倒な作りにも関わらず飽きることがない。これはすごいクオリティだ・・・やっぱりラエールさんのケーキ、好きだわー。


そして、これが楽しみだった、フラン。フランラエールアラバニーユ。
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インスタを見たり、去年パリに行ったりして実感したんだけど、いまフランスではフランがブームなんですよね。ブームというか、元々親しまれてきた定番のケーキではあるんだけど、どちらかというとシンプルだしパティスリーというよりはブーランジェリーで売ってるケーキ、というイメージが強かったのですね。それが、どういうわけか、一流パティスリーがこぞってフランをお店に置きはじめて。ブームを通り越してパティスリーにもなくてはならない存在になっているみたいですフラン。中には、ヤンクヴルールをはじめとして、フランをスペシャリテとして位置づけるお店も。すごいんですよ。
そんなフランスでは美味しさが再認識されたフラン、いよいよ日本のアルノーラエールでも満を持して登場ですよ。
これはもう、期待大じゃないですか!
で、買ってみたら、フラン、丸いスタイル。
この丸いスタイルは、ル・グルニエ・ア・パンがプッシュしてますよね。日本では。
ラエールさんのフランは、グルニエさんよりちょっと小さいかな?直径10cmないぐらい。
切ってみます。
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おー、バニラたっぷりだー。
食べてみると、カスタードはかなりとろとろ。保型ギリギリの固さです。
フラン、お店によってカスタードクリームの固さが全然違って、固焼きプリンのようにぶりんぶりんの食感のところから、液状かというほどのとろとろのお店まで、種々様々。
ラエールさんのは、かなり柔らかめ。個人的には、もう少し固めが好み。でも、バニラの香りはさすがの良さですねー。いいバニラ使ってるなーという。
タルト部分は、さっくりと軽めに焼かれていて、柔らかいカスタードに合わせた、軽め軽めの作り。
好み直球ではないけれど、すごく美味しいフランです。


アルノーラエールのケーキは以上!
やっぱりどのケーキも美味しい。すごく美味しい。
あくまでも主観だけど、日本で展開する海外ブランドのパティスリーの中ではピカイチと思ってます。書くと長くなるので省略しますが、ラエールさんのケーキは、日本人の味覚をリスペクトしている感じがするんですよね。パリ本店のレシピもあれば、日本独自のものもあるだろうけど、どちらもラエールさんらしさと、真摯な仕事ぶりが見て取れる。好きです。あと海外ブランドにしてはそこまで値段しないのも好感。
今は広尾でしか買えないから、応援の意味も含めて広尾のお店訪問したいですねこれからも。



さてさて、しばし休憩ののち、ルコントさんのシャルロットポワール、食べますよー!
これだ!
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もうね、ほれぼれするようなクラシカル。
そもそも、シャルロットというケーキ自体、最近あんまり手掛けるお店減ってますよね。
やってても、だいたいはフルーツ主体で、シャルロットらしさは周囲の生地ぐらい・・という場合が多い。
でも、さすがルコントさんのシャルロットは、もう、ビスキュイアラキュイエールが四方を取り囲んでます。そしてこの花弁の形!美意識ですねー。

切ってみました。
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クリームぎっしり。
食べてみると、ビスキュイアラキュイエールのふんわりした甘さ、リキュールはガッツリ効かせてあって華やか、そしてシャリッとした洋梨のコンポートがたっぷり・・
まさにクラシック。
自分、ルコントさん生前のシャルロットポワールは食べてませんが、そこまで大きくは違わないんじゃないかな?お酒の使い方も含めて、甘さも含めて、もうケーキの古い教科書から抜け出たような美味しさ。
どっしりしているのですが、シャルロット自体は軽めのケーキなので、あっという間に半分食べました。
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なんというか・・感無量。
今はルコントさんもビゴさんも亡くなってしまいましたが、今でもその魂は受け継がれている。still aliveという味わい。
これからもずっと受け継がれていってほしい、最高の褒め言葉としての古臭さ、なくしちゃだめですねー。
なので、たしか銀座店は期間限定店舗?渋谷はなかなか調子いいみたいだけど、広尾のお店もできるだけ行こうと思ったのでした。



・・やはり美味しいケーキは幸せをもたらします。暗く閉じこもりそうな時ほど美味しいケーキを!自分ではどうしようもないことを憂いてもしかたないです。だったら、自分にできる方法で、自分を楽しくさせてあげましょうよ!