まず最初に、このたびのパリ・ノートルダム大聖堂の火災について、パリ市民の方、フランス国民の方、フランスを愛するすべての方にお見舞い申し上げます。
自分のような、単にフランスのケーキがちょっと好きなだけの外国人にとっても、あの光景は正直9.11に匹敵するショックでした。
今度自分パリに行きますが、その時には当然ノートルダム大聖堂見てくるつもりでしたし、薔薇窓の美しさを堪能してくるつもりだったので、個人的にもすごく残念ですが、それ以上に世界的な文化遺産がこんなことになってしまって、ほんとうに何と言っていいのか・・
でも!嘆いていてもはじまらないので、寄付!寄付ですよ。寄付しましょう。
現時点では、在日フランス大使館が公式サイトで、募金先を紹介しています。
jp.ambafrance.org
現時点では、日本国内の団体ではなく、フランスの団体への寄付になるようです。
くれぐれも怪しいサイトなどに騙されずに、上記フランス大使館認定の団体に寄付するようにしてくださいね!
自分も、微力ながら、「フランス文化財センター」に寄付しました。
スマホの画面でいうと、
こちらの画面で、寄付金額を決められます。
ボタンだと30ユーロからですが、下に金額記載欄があるので、多分1ユーロから大丈夫だと思います。
自分は、なけなしのお金でほんと少ないですが、1000ユーロ、寄付することにしました。
寄付は、クレカ(VISAかマスターカード)のみ。
寄付の手続自体は、英語ですが全く難しくありません。
テキパキと終了。
1000ユーロ、今回自分がパリ旅行する航空券+宿代とほぼ同額ですが、
こういう時に頑張らないと、いつ頑張るんだ?と思って。
もし、このサイトをご覧の方で、今回の映像に心を傷められた方いらっしゃいましたら、
1ユーロでも10ユーロでもいいので、寄付にご協力いただければと思います。
特に、このサイトをご覧の方は、フランス菓子を好む方、多いと思います。
フランス菓子への恩返しのつもりで、できる範囲でいいので、寄付していただけますか?
お願いします!
さてさて、今日は新宿伊勢丹に、9時50分に到着。
というのも、新宿伊勢丹、4/1から営業時間を10時開店に戻したんですよ。
やっぱり業績が・・ということなのかなー?元の木阿弥ですが、大丈夫なのかなー?
開店前に並んだ目的は、フランス展!ではなく、今日からスタート、ジュンウジタ@マ・パティスリーです。
ジュンウジタのケーキは、オープン以来定期的にマパテに来てますが、どんどん変化してきている。
目が離せないのです。
今回は、どんなラインナップだろう?
・・ということで、開店と同時に店内へ。
ラインナップ、やっぱり渋めですねー。
マルジョレーヌとか、ベレバスクとか、そのあたりの、茶色いケーキが多め。
そんな中ひときわ目を引いたのが、カジノ!
カジノ、カットしたケーキと、アントルメも置いてあって。
ちょっと悩んだのですが、カジノのアントルメ、やっぱり魅力的で、つい買ってしまいました。
あとは、渋い中にもやや軽めのケーキを中心にセレクト。
10時半には家に着いてました。
紅茶を淹れて、まずは、カジノのアントルメ!
カジノについては、今月号の柴田書店「カフェ・スイーツ」で、エーグルドゥース寺井シェフがルノートル時代を回顧する記事の中で、ルノートルのカジノが素晴らしかったという話を書いていて、カジノ食べたいと思ってたのですよ。
これ、作るのけっこう面倒らしいですねー。その記事にも書いてありました。
では、切ってみます。
おー!
食べてみました。
おーおー!
これ、バニラのババロアが、かなり存在感ある!
バニラと卵の風味がすごく強い。
甘さはそこまで甘くないんだけど、まったりと濃厚。
そこに、グロゼイユとフランボワーズが、適度な酸味。これも、そこまで酸っぱくはない。
全体的には、バニラのババロアが主役で、重すぎないようにグロゼイユがアシスト、という作り。
半分の断面はこちら。
古典菓子らしい、重くて美味しいカジノでした。
さて、ここからはプチガトー。
まずは、これも昔からラインナップされている、ムースアラマント。
ジュンウジタのムースアラマント、なんか、見るたびにブラッシュアップされているように見える。
ちなみに、昔のムースアラマントのフォルムはこちら。
ね?だいぶ違うでしょ?
断面はこちら。
こちらのブラッシュアップされたムースアラマントですが・・食べてみると、おー、という。
ミントが、ハーブとしてのミントの香りはすごく出ているのですが、全くからくない。
清涼感だけを抽出したような、ふわっとした、とらえどころのないような風合い。
チョコレートも、甘さがかなり抑えめで、チョコの風味だけを抽出したような。
なので、食べてみて、とてもたおやかな味わいなのです。
なんというか、エッセンスだけを抽出した、抽象的とも言える味わい。
これは、なんかすごいなー。
次に、タルトフレーズを。
このタルトフレーズ、すごくて、上半分が分厚いいちごのジュレ。
切ってみると、こんな感じです。
分厚いいちごのジュレは、ゼリーっぽいんだけど、いちごの味わいを凝縮していて、いちご以上にいちごらしい。
なので、フレッシュのいちごの数はそこまで多くないんだけど、いちご感がものすごい。
濃いです。甘さはそこまで強くないんだけど。
下のタルト台は、さっくり、ねっちりした部分もあり。
これも、いちごという概念をケーキに結晶させたようなケーキで、非常に面白いし、美味しいです。
そして、ムースフランボワーズカシス。
これは、名前の通りカシスとラズベリーのムース。
ふわっとしたムースは、ベリーの風味や香り、エグ味などを抽出して、すごく美味しいんだけど、酸味はほとんどないのです。
これも、なんだろ、油絵というより水墨画的な?幽玄の世界。
さらに、キルシュのような、アルコールの渋みまで感じられる。
その中に、カシスの果実の酸味がキューンと酸っぱくて、現実に戻してくれる、みたいな。
最後は、アンティエ。
これは、以前にもあったケーキの復活版ですね。
でも、これも、以前のケーキとは別物。
今回のアンティエは、こんな。
以前食べたアンティエは、こんな。
大きさもフォルムも構成も全然違う。
一応構成としては、シナモンとコーヒーのジェノワーズ、バナナ、レーズン、なんだけど。
この組み合わせ、なかなか難しいと思うんだけど、以前のアンティエも、記事を読み返すと、けっこう美味しかったみたいだけど、今回のブラッシュアップアンティエは、すっごく美味しくなってた。
シナモンもコーヒーもしっかり感じられるんだけど、強くは主張してくなくて、意外とバナナが強めで、レーズンも存在感しっかり。全体の調和が取れていて、どのパーツも、この濃さでなければ!という必然が感じられる。これはかなりのものですね。
・・・そんなわけで、ジュンウジタのケーキ、色々食べてみました。
今回はセレクトとしては華やかなケーキ多めのつもりだったのですが、ほんと幽玄とも言うべき、純度の高い味わいになってました。
ジュンウジタについては、オープン当初はちょっと地味かなー?と思ってたのですが、その後メリハリの効いた味に進化して、お!と思ってたら、そこからどんどん渋い方向に渋い方向に進んで、でも、地味とは違う、迫力のある地味さ、とでも言うような、凄みを感じさせるように。
今回食べたケーキは、そんなすごさを更に高めているように感じました。
なんというか、宇治田シェフ、居合斬りの達人じゃないけど、求道者的に思えてきました。
これからも更にブラッシュアップされていくであろうジュンウジタのケーキ、ますます期待持てそうです!