最初に一寸宣伝。
昨日、「はてな」も関わっているメディアサイト「マネ会」に、自分の記事が載りました。
hikakujoho.com
この記事、日経新聞の「私の履歴書」みたいな感じで、様々な分野の専門家が、自分の経歴を踏まえて、好きなものへの愛を語る、みたいなシリーズのようなのですが、自分は当然ケーキ、ということで、ケーキを軸とした半生記、みたいな記事になりました。
ぶっちゃけ自分の半生なんか興味ないだろうと思い、一応最後の方に最近のオススメパティスリー情報なども載せたので、なんとか読んでいただけるものになったのではないかと。
なんだかブックマークいっぱいついているみたいだけど、ブコメ怖いので見に行ってません!チキンなので。
まあ、そんなわけで、もしお暇がありましたら読んでみてください。
宣伝おわり。
さて、世の中的にはバレンタインデー終了。
パティスリーも、チョコケーキ、ボンボンショコラの季節が終了して、次はおひなさまかな、それまでは少し余裕ができるのかも。
そんな中、自分がチェックしているカフェミクニズ浅井シェフのインスタグラムで、いよいよフレジエ発売開始!とのこと。
ミクニズのフレジエ、今までないのが不思議なぐらいだったのですが、満を持して2月中旬ぐらいに販売開始予定、という予告がインスタに出ていて、今か今かと待っていたのです。そしたら、昨日14日デビューとのこと、でも昨日は間に合わなかったので、今日、ワクワクしながら行ってきました。
あれ?
そう!実は自分、今日は早起きして、目白に向かってたのですね。
というのも、エーグルドゥースでもフレジエ、スタートしたとのことで。
となれば、元ミクニのシェフパティシエvs.現ミクニのシェフパティシエのフレジエ対決!とかどうどう?と思って。意図的に仕掛けてみましたタイトルマッチ。
エーグルドゥース、まだ10時ちょい過ぎだというのに、平日だというのに、バレンタインデーは終わったというのに、すごい人!
やっぱり人気すごいですねー。
ちなみに、おひなさま用のアントルメ、その名も「HINAMATSURI」という、ショートケーキとフレジエを合わせたようなケーキを予約受付してました。限定ケーキがお好みの方はもしよければ。
自分的にはフレジエのアントルメがあれば、と思ったのですが、今日はショートケーキとミロワールカシスのアントルメでしたね。だいたいそんな感じですよね。
プチガトーの並びは、フレジエ以外にマンゴーのケーキがありましたが、それ以外は冬っぽいケーキが多めの印象。
そんな中から、冬場限定と思われる重そうなケーキをいくつかチョイス。
えっちらおっちら四谷に帰ってきて、カフェミクニズに直行。
そしたらこちらも大盛況で、順番待ちでした。
ランチのテーブルももちろん満席。
大忙しの様子でした。
ショーケースを見ると、フレジエ、ありましたありました!
それ以外はだいたいレギュラーのラインナップ。
でも、それ以外に、おそらくバレンタインデー用?のケークオーショコラがいっぱい積まれていて、あとブールドネージュも前なかった気がするので、これらを購入。
帰ってきました。
家に帰って、ケーキタイムです!
今回買ったケーキだと、エーグルドゥースのケーキは重めのが多いので後攻。
まずはカフェミクニズのケーキからいただくことに。
さてさて、カフェミクニズのフレジエ、ついにそのベールを脱ぐときがきました。
これです!じゃん!
すごいでしょ、これ。
インスタで予告されていた時点からただ事ではないとは思ってましたが、いざ実物を見ると、圧倒的。
思わず2つ買っちゃったわけですが。
アップにすると、こんなですよ。
このトップのいちごの飾り切り!
うすーくスライスしたいちごで籠を作って、その中にくし切りのいちごを詰め込んだ、とんでもない代物。
これ、アントルメでもなかなか難しい、それがたったの550円ですよ?おかしいよ絶対・・
おもむろに切ってみます。
断面図にもあるように、中央部分にいちごのジュレが仕込まれています。
この凝り方!
で、味の方なのですが・・
もう、匙を投げるほどの美味しさ。リアルにフォークを投げましたね。
これ、スポンジはごく薄くて、ピスタチオのバタークリームがかなりの部分を占めているのですが、このまったりと濃厚なクリームと、甘くて味を凝縮したいちごのジュレ、この組み合わせだけでじゅうぶんケーキとして成立している。濃厚なハーモニー。
そこに、質の良いいちごがトップにたっぷり、サイドにも少し、これが、濃厚なクリームとジュレに対してさっぱりとフレッシュでジューシーな美味しさを加えていて。
絶妙なバランスと、繊細な作り。
フレジエの美味しさって、人それぞれだと思うのですが、自分の場合は、ゴロゴロと入ったいちごの果実味とぽってりとしたムースリーヌのダイナミックな対比があるものが好きなのですが、これは、そのダイナミズムを持ちながら、作りとしてはすごく繊細。繊細です。
いちごをあえて細かく刻んでいるのも、飾りとしての役割以上に、ピスタチオのバタークリームといちごジュレとのバランスを緻密に考えた、計算された美味しさの役割があるのです。
いやー、これは・・・
カフェミクニズの開店以来ずっと出してこなかったフレジエ、ここに来て出してきたフレジエがこれとは・・
思わず熱くなってしまいましたね。
フレジエ2個を完食してから、次に季節のタルト。
今は、いちごを中心としたフリュイルージュのタルトですね。
断面。
生クリームの下にちょっとだけカスタードを忍ばせているのがにくい。
ここの季節のタルトはいつも間違いないのですが、やっぱり果物の質の良さと、生クリームやクレームダマンドの美味しさがクオリティの高さにつながっていて、今回も美味でした。
そして、ミルフィーユ。
ミルフィーユのパイについても、浅井シェフはインスタで何度も投稿していて、日々ブラッシュアップしてますよ!とのことなのですが。
断面。
ここのミルフィーユのパイは、はやりの逆さ折り、アンヴェルセではなく、通常折りのノルマル。
それでこれだけの層が作れるのが、すごいですよね。
安易にアンヴェルセに行かず、ノルマルを極める!というその心意気、自分はすごく共感しますね。
焼きの香ばしさももちろん、キャラメルのほろ苦さとも相まって香ばしさが半端ない。
進化し続けるミルフィーユ、定期的に食べるべし!ですね。
生ケーキは今回これだけで、ブールドネージュをいただきます。
このブールドネージュ、かなり丸が大きくて、無印のブールドネージュの倍ぐらいありそう。
断面はこんな。
このブールドネージュ、アーモンドたっぷりのさくほろ生地の香ばしさプラス、シナモン風味なのです。ちょっとスペキュロスとかをイメージさせます。
すごく美味しい!素材の良さと、素朴な味わいがたまりません。
そして、多分バレンタインデー用だと思う、ケークオーショコラ。常温保存です。
これ、包装は可愛いんだけど、開けてみると・・
なにこれ?枕木?ふ菓子?
・・みたいな、シンプルにも程がある無骨なフォルム。
切ってみます。
この、可愛げのないチョコのケークが、食べてみると、生地はしっとーーり!カカオの香りも高く、見かけから想像されるパサつきが全くない。
これは、単体で食べても美味しいですが、紅茶やコーヒーと一緒に食べると、最高のマリアージュですね。
ギフトというよりも自分が楽しむケーク、という感じがします。
それにしてもカフェミクニズのケーキはどれもリーズナブルな価格設定で、びっくりしますよねー。
このケークオーショコラも1200円程度。
わかんないけど、期間限定で在庫限りの気もするので、もし気になる方がいらっしゃったらお早めがいいかもです。
そんなわけで、カフェミクニズ、浅井シェフのすごさに思いを馳せながら休憩、しばらくしてから、今度はエーグルドゥースのケーキ、いきます。
まずは、やっぱりこちらもフレジエから。
いやー、すごいですよね。
カフェミクニズのフレジエが偏執狂なまでのこだわりなら、こちらも細部までこだわりぬいた、尋常でないスタイル。
トップに厚めに塗られたメレンゲ、クリームを赤く染めるいちごのソース、しっとりとしたアーモンドのスポンジ・・
もちろん主役はいちごなんだけど、それを引き立てる他の素材の存在感がすごくて、ケーキとしての完成度が高すぎる。
改めてすごいなーと。
そして、ここからは少し重めなケーキが続きます。
まずは、レガルカフェ。
これは、コーヒーとチョコの組み合わせなのですが、チョコとコーヒーと言うとオペラを想起させますが、オペラとは全く違うアプローチ。
これ、コーヒーの苦味がかなり強烈なスポンジと、ビターなチョコガナッシュで、苦い苦い!
ケーキは甘いもの、と思ってる人はビックリするかも。
でも、単に苦いだけじゃなくて、トップのメレンゲやたっぷりの生クリームなどで苦味を緩和させて、美味しさに昇華させている。
苦いけど美味しい。そんなビタースイートな大人の味わいです。
飴がけしたスライスアーモンドがアクセント。
そして、ちょっと寄ってしまった、キャラメルショコラ。
断面はこちら。
こちらのケーキは、ムースはふんわり食感なのですが、ここでもチョコムースのビターな味わい、そして酸味も。さらにコーヒーも足してあるらしく、その苦味と酸味もあって、こちらもかなり味キツイです。
その苦味と酸味の後から、キャラメルの甘さが追いかけてくる、そんな展開。
食感は軽く、味わいは強く。そんな対比が楽しめる、これも大人向けのケーキですね。
最後は、トリュフロワイヤル。
これは、見かけシンプルなチョコケーキ。
でも、食べてみると、コニャックの強烈な香りと、アルコールが襲ってくる。
チョコとコニャックは相性いいけど、ここまで強いか?というか、むしろコニャックが主役で、このアルコールの渋みをチョコがサポートしている、そのぐらいお酒の香りが強烈。
これは子供厳禁ですね。大人だけに許された美味しさ。
しかも、一見シンプルに見えて、下にチョコの薄いサブレを敷いたり、サイドの板チョコ、カカオニブなど、細かい工夫がしてあって飽きさせない。
さすがですねーの美味しさでした。
ということで、今回はミクニ同門、師弟対決フレジエ編!だったのですが、
まあ、同じフレジエという商品名だけど、ここまで違うものになるのか、という。
そして、どちらも常軌を逸したこだわりが全面に詰まっていて、圧倒されます。
なので、勝負つかず!ですね。
どちらのフレジエもとんでもないケーキなので、機会があればそのすごさ、実感してみてください!