※お詫び:本当はこの記事は昨日のうちに書こうと思っていたのですが、ちょっと体調不良で・・1日遅くなってしまったことをお詫びします。
アルノー・ラエールが日本にお店出す!
アルノー・ラエールといえば、日本未上陸のパティシエの中では最大級の大物ですよね。
パリセヴェイユのスペシャリテ「ムッシュアルノー」はラエール氏に捧げられたケーキ。
そんなこともあって、彼の日本出店を待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか?
自分も、もし今年パリに行くことが出来たら、絶対行こうと思っていたパティスリー。
それが日本に来るとは!
しかも、その情報をキャッチしたのがかなり最近だったので、すごく驚きました。
これはなにがなんでも馳せ参じなければ!
アルノー・ラエール東京ショップ、オープンは1月13日午前10時。
開店した場所は広尾駅から徒歩5分程度。
自分は、朝早起きして、お店に着いたのは朝の8時少し過ぎ。
おー!お店ある!
感慨深いです。
この時点でお店の前に並んでいたのは4人。
そんなわけで、開店2時間前近くから並び始めたのですが、
寒い!すごく寒い!
並んでいる場所が、日陰ということもあって、真冬の寒さが身にしみる。
一応ホカロンと熱いお茶のペットボトル持ってたのですが、熱いお茶がすぐに冷え冷えお茶に。
待っていると、足がとにかく冷たくて、足先がかじかんでくる。
しばらく並んでいると、お店の方が出てきて、ホカロンを配ってくださいました。
ありがたや。
ホカロン2個でなんとか耐えしのぎ。
そうこうしているうちに、開店1時間前ぐらいに、ラエール夫妻、タクシーで店到着。
その後スタッフとラエール氏の記念撮影などあって。
行列の方は、開店30分前ぐらいまでは短かったのですが、その後ずいぶん増えて。
かなり行列長くなってきました。
そして開店。
混乱を避けるために、10人ずつ店舗に入店します。
自分も5番目として入店。
お店に入ってまず思ったのは、「狭いな!」という印象。
イートインはもちろんないし、パティスリーとしてもちょっと狭い部類。
そんな店舗の中に、生ケーキ、ケーク、焼き菓子、ボンボンショコラ、タブレットショコラなどがところ狭しと置いてある。
生ケーキは15種類程度かな、ケークが6種類ぐらい、マカロンはセット販売、ボンボンショコラも5種類程度のセット販売。
その他、クイニーアマンをはじめとした焼きっぱなし系のお菓子も。
かなり色々取り揃えてありましたね。
自分は、とりあえず一通り買おうと、あれもこれもと欲張ったらかなりの量を買うことに。
お会計をして、梱包を待っていたのですが、なにせお店が狭い、ということは作業スペースも狭い。
そんなこともあり、かなり待つことに。
結局、荷物を受け取ってお店を出たのは10時40分ごろでした。
これは、後続の人はかなり待つんじゃないかなーと思いつつ、家に帰ってきました。
さてさて、期待マックスのアルノー・ラエールのお菓子、まずはケーキ!
最初に、ポンパドールフレーズを。
可愛いですね。
断面。
さて、初めて食べるアルノー・ラエールのケーキは・・
おー!
美味しいです、これ。
いちご自体は日本の普通に美味しいいちごですが、ピスタチオがいいですね。しっかり豆の風味を感じさせて、バタークリームですねこれ、濃厚。さっぱりとしたいちごによく合っている。組み合わせとしてはオーソドックスだけど、レベル高い。
そして、下の厚めの生地が、サブレとダックワーズの中間のような、さっくりねっちりした食感で、これがすごく美味しい。
これは相当いいですね。上々のすべりだしです。
次に、フロマージュアグリュムを。
こちらは、チーズと柑橘の組み合わせ。
これも奇をてらったところはないんだけど、すっごくいいです。美味しい。
チーズが、普通のクリームチーズとはちょっと違う、独特の香りがありますね。なんだろ。
そして、そのチーズの香りに対して、オレンジとライムかな?柑橘もしっかりと酸味と香りがある。
これは、チーズと柑橘、どちらが主役ということもなく、バランスが拮抗している。
トップのオレンジピールのコンフィも含めて、丁寧に作ってある。
下のサブレはほんのり塩味、ややしっとりしていて、土台としての存在感がある。
これは、かなりいいんじゃないですか?
次に、タルトレットシトロンを。
構成としてはオーソドックスだけど、フォルムに独創性がありますね。
食べてみましたが・・
レモンがすごくいいですね!酸味もしっかり酸っぱく、レモンの香りもすごくいい。高級感ある。
それに対して、タルト生地はさっくりほろほろとした食感で、風味がいい。レモンクリームのトロッとしたなめらかな口当たりをしっかり支えている。
上のメレンゲは、ふんわりしていて、甘さは控えめ。ということもあり、レモンの風味がかなりたっている。
すごく好きなタイプのタルトレットシトロンです。
タルトタタンもありました。
焼き色はそこまで深くないですが・・
断面。
このタルトタタンは、りんごの調理が独特で、煮りんご、焼きりんごというより、じっくり火入れしたセミドライのコンフィのような、しっとりした味わい。
生クリームも含めて、かなりバニラを感じる味の構成です。
苦味はあまりなく、タルトタタンのガッツリ焼いたりんごのほろ苦さ、というよりは、りんごも含めた洗練されたケーキ、という作りになっています。
そして、ミルフィーユもありました。ミルフォイユキャラメル。
これもフォルムが美しいですね。
切ってみました。
おー!
このミルフィーユは、すごくいいですね!めっちゃ美味しい。
膨らんだパイ生地は、さっくりはらはらとしていて、表面のキャラメリゼも含めて、焦げ感が強い。
それに対して、キャラメル味のカスタード、キャラメル味の生クリームは、キャラメルの甘さとほろ苦さを十分に伝えている。
なので、トータルとしてかなり苦味の強い、大人っぽい味の濃厚なミルフィーユになってます。
これは、かなりレベル高い、ミルフィーユマニアもうなる美味しさ。
そして、トップにある飾りのミルクチョコがめっちゃ美味しいのな。
次に、モンテクリストを。
こちらは、チョコとラズベリーの組み合わせで、こちらも組み合わせとしてはオーソドックス。
だけどやっぱりフォルムがいいですね。
味も、チョコを得意としているだけあって、チョコの部分が非常にいいです。
上のなめらかなミルクチョコムースから、下のブラウニー的なもふもふとしたチョコ生地まで、チョコの多様な美味しさを層にしている。
ラズベリーも、出しゃばりすぎてないけど、酸味も風味もきっちりあって、的確なアクセントになっている。
シンプルだけどクオリティ高いです。
そしてそして、最後に大スペシャリテのトゥールーズ・ロートレックを。
これが食べられるなんてねー。
切ってみました。
さて、食べてみますよー。
!!
おー!
これはすごいですね!
さすがさすがの美味しさ。
チョコのムースはねっとりとした、フォアグラのような重くなめらかな食感。
香りも素晴らしく、カカオがややスパイシーな香りをまとっている。
奥深い。
そして、すごく濃厚なんだけど、甘さは抑えめで、とてもクリアで雑味がない。
だから、重くても胃にもたれる感じがないのです。
はかなくとろける。
美味しいです。すごく。
ということで、期待して食べたラエールの生ケーキ、
結論としては、すごくいい!
どれも構成としては斬新なものはないのですが、フォルムも含め、細部まで丁寧に作ってあって、レベルがとても高い。
海外ブランドにありがちな、奇抜で斬新な構成だけど作りが雑、というのとは対極的な作り。
いや、これは期待以上でした。
生ケーキの他には、
クイニーアマン。
これ、かなり背が高い。
そして、表面が飴がけじゃなくて、キャラメルをぶっかけてあるスタイル。
切ってみました。
表面は塩バターキャラメルかな?ほんのり塩味で、カリッとしていて美味しい。
生地も、バターリッチで、さっくりとしていて、すごく美味しいです。
マドレーヌ。
このマドレーヌは、ふんわりした食感ではなく、みっしりと目の詰まった、重めの口当たり。
これも香りがいいですね。満足感がある。
ケークフリュイ。
こちらもやや重めのしっとり生地。
ラム酒の香りが強めにあって、生地も含めてちょっとブランデーケーキを思わせる。
フルーツの量はそこまで多くはないけど、存在感はちゃんとある。
ケークキャラメル。
これも塩バターキャラメルかな?かなり濃厚。
生地も重めなので、かなり濃いです。
これは、紅茶よりもコーヒーが合うかも。重量感。
スーリーズピスターシュ。
これはピスタチオのフィナンシェに小さめのさくらんぼが3粒も。
このさくらんぼが、甘酸っぱくてかなりいい。
生地も、ピスタチオの豆っぽさとアーモンドの香りが合わさって、かなりナッティ。
美味しいです。
そして、マカロンのセット販売。
出してみましたよー。
これ、ひとつひとつ大きさも厚みも微妙に違ってて、かえっていい感じ。
それぞれ切ってみました。
フレイバーの解説文読むの忘れたんだけど、食べたイメージでは、ラズベリー&ローズ、塩バターキャラメル、チョコ、バニラ、チョコ&カシス?
どれもマカロン生地はさっくりと繊細。重めのガルニチュールとの対比もいい。
美味しいです。
あとは、チョコレートのアソートのうち、これを購入。
これはまだ食べてません。
楽しみ。
あと、帰りにもらったおみやげチョコ。
こんなにもらっちゃっていいんですかねー。
これも後で食べます。
今回購入したのは以上!
アルノー・ラエール、どれもすごく美味しかった!
正直、海外ブランドの日本進出については、これまで何度煮え湯を飲まされてきたか。
だいたい、フランス人にとっては日本なんて極東の僻地、だから、なめてるんですよね。
だけど、ラエールさんはさすが日本人シェフとの交流もあるし、サロショコにも何度も来ているので、日本のスイーツ好きはガチだということを熟知しているのだと思います。
今回のケーキ類も、全力で来ている感じがありました。
なので、海外ブランドに対して懐疑的な人も、ぜひ一度チャレンジしてみることをおすすめします。
ただねえ、
今は、ラエール氏の目がちゃんと行き届いているからいいけど、今後はわかんないよね。
海外ブランドの日本店って、某店のように無理やり駅ナカに店出して失敗したり、某店や某店のように、あちこちのデパートでお見かけするB級店に堕して・・みたいな展開になってしまいがち。
できれば今のクオリティをキープしてくれると、とても嬉しいんだけど・・
そういう意味でも、一度早めに行ってみることをおすすめしますね。
本当に美味しいフランス最前線パティスリーのケーキを売るお店として、ぜひ成功して欲しい!