パティスリーの夏限定デザートを求める旅、まだまだ続いていますよ。
8月に入ったらすぐに行こうと思っていたのが、マテリエル。
マテリエルのクープは、もう名物ですよね。月ごとに内容が変わるので、何度行っても新鮮という。
今年のラインナップは、6月グレープフルーツ、7月マンゴー、8月桃、9月マスカット、10月洋梨と栗、というものだったと思う。
自分としては、やっぱり桃!
なので、8月になるのが楽しみだったのです。
梅雨があけてから、ずっとはっきりしない天気が続いていましたが、今日はようやく夏が本気出した感があります。
そんな中、東武東上線に乗って、大山駅へ。
そこから、商店街を歩くこと数分、ちょっと脇道に入って、マテリエルに到着です。
正直マテリエル、駅からの距離のわりには行きづらい場所にあるのですが、さすがにもう覚えた。
バッチリです!
マテリエルでは、イートインでクープを、そしてテイクアウトでケーキを、という注文。
涼しい店内で、完成を待ちます。
しばらくしてやってきた、これが今年の「白桃のクープ」です!
おー!
やっぱりステキ!
このクープは、上が白桃、その下がライチのアイス、フリーズドライのラズベリー、バニラアイス、一番下がラズベリーソース。
その中にスイスメレンゲが入ってたり、手が込んでます。
ワクワクしながら食べたのですが、
やっぱり美味しい!
白桃は、身がしまった、固めの食感ながら甘さはしっかり。
そこから順番に奥に食べ進めていくのですが、
これ、奥に行けば行くほど味が濃くなっているのですね。
味のグラデーション。
だから、白桃の淡い味わいが消されることなく、スムーズに次の味に移行する。
そして、最後のラズベリーソースまでたどり着いて、全てのパーツを味わい尽くして、美味しかったー!と締める。
この流れ、計算されていますねー。
とても満足度の高いクープでした。
そして、テイクアウトのケーキ。
今回は、ショーケースにたくさんの種類が並んでいたヴェリーヌ類の中から、3種類をチョイス。
並べてみました。
色鮮やかで、バラエティに富んでいて、見ただけで美味しそうですよね!
ヴェリーヌ、まずは白桃のメルバから。
スプーンですくってみます・・
このヴェリーヌは、ペッシェメルバをイメージしたヴェリーヌ。
トップの飾りは甘いメレンゲ、その中には角切りの桃が入った、これは、シャンパン?赤ワイン?ちょっとお酒を感じさせるゼリー、そして、バニラクリーム、一番下にグロゼイユ入りのラズベリーソース。
白桃入りのゼリーの層がいちばん厚いので、全体的にさっぱりしていますが、バニラのまろやかな甘さもあり、酸味から甘みまで、バラエティに富んだ味わい。
桃の美味しさだけに頼らない、アンサンブルが楽しいヴェリーヌです。
ヴェリーヌ、次はブランマンジェ・ココ。
スプーンですくってみます。
これは、マンゴーとココナッツのブランマンジェの組み合わせ。
完熟マンゴーはとろっとしていて、甘くて美味しい。
ココナッツのふるふるブランマンジェは、かなりココナッツの香りが強くて、南国風味。
この組み合わせなら、まあ間違いないですよね。
真夏にふさわしい、トロピカル全開の美味しいヴェリーヌでした。
ヴェリーヌ、最後はカフェ・ヴィエノワ。
これもスプーンで・・・
これは、上の生クリームとシュトロイゼルの下はコーヒーゼリー、キャラメルクリーム、ヘーゼルナッツクリームという構成。
なんだけど、コーヒーゼリーがものすっごく苦い!
これはインパクトありますね。
でも、その下にあるキャラメルの甘さや、ヘーゼルナッツの香りがあるので、味がスムーズに移行する。
そこに生クリームでさらに苦味を中和。
これも、味のグラデーションが素晴らしいです。
マテリエル、元々ヴェリーヌとしてスペシャリテである「アメジスト」があるのですが、今回食べた3種類のヴェリーヌも、ヴェリーヌを得意とする林シェフの真価が発揮された、すごく美味しいヴェリーヌでした。
クープの時もそうだったのですが、食べ進めていくうちに味が徐々に変わっていく、その順番を緻密に計算した、味のグラデーションを考え抜いての構成のうまさに、気持ちよくのせられた、という印象です。
ヴェリーヌの次は、「さくらんぼのサヴァラン」を。
断面。
このサヴァラン、まず大量のさくらんぼの甘酸っぱさが嬉しい。ちょっとむにっとした抵抗のある食感と、甘酸っぱさで、口の中が幸せ。
ババ生地はボソボソしていることもなく、適度にシロップを吸っていて、シロップにはキルシュかな?アルコールもちゃんと感じられて、サヴァランとしてもすごく優秀。
全体としては甘さと酸味が強めに出ていて、古典の風格を感じさせます。チェリー好きとしてはこの上ない美味しさ。
そしてそして、これは初めて見たかも。の「ヴォワイヤージュ」というシリーズ。
2種類出てました。
まずはヴォワイヤージュ・フロマージュ。
これは、なんだ?
一種のロールケーキ、というものなのか?
スポンジで、中のクリームをぐるっと巻いてます。
中のクリームチーズは、重さはないけどちゃんとチーズの味がして、美味しい。
レモンの層もあるので、さっぱりしています。
これは、本格的なチーズケーキとしての美味しさと、ロールケーキの親しみやすさのハイブリッド・・ということなのか?
面白い試みですね。美味しいです。
そして、もうひとつ、ヴォワイヤージュ・ショコラ。
こちらは、チョコクリームとガナッシュをロールケーキにしたもの。
基本構造はフロマージュと一緒。
こちらも、中のクリームがカカオの香りが良い、すごく美味しいクリーム。
そして、一筋オレンジのコンフィチュールがあったり、ナッツを混ぜ込んだり、構成も凝ってる。
このシリーズのコンセプトは、本格的なパティスリーのケーキを、もっと親しみやすく、食べやすく、気軽に楽しんでもらいたい、というものではないかと。
繊細な飾り付けもないし、ムースがだれる心配もないので、夏のおもたせにはちょうどいいかもですね。
そんなわけで、真夏のマテリエル、クープとヴェリーヌを中心に、色々食べました。
多分、次は10月ですねー。洋梨と栗のクープ、そりゃ食べたいでしょう。
楽しみです!