Nyao's Funtime!!

nyao(♂)の不可逆な日々を、チェスの騎士のように不規則にたどたどしく綴っていこうと思っています。

拙著「ケーキツアー入門」好評発売中!

ケーキツアー入門: おいしいケーキ食べ歩きのススメ

Kindle版
¥1,728から
(2018/4/27 00:00時点)


おしごと依頼等はnyaofunhouse★gmail.com(★→@)まで


アマイタマシイKindle

甘魂者の聖典!「アマイタマシイ」Kindle版好評発売中!!詳細は画像をクリック!
紙媒体でも復刊ドットコムから発売決定!
→復刊ドットコムのページ

長見良の魔法世界

Nyao's Funtime!!は漫画「ファンタジウム」と
長見良の魔法世界を応援します!
「ファンタジウム・パーフェクトエディション」電子書籍で配信開始!

ファンタジウム(1)【Kindle版】

おこもり中でも美味しいケーキ食べたい人は・・紹介記事書きました。


マテリエルでクープとヴェリーヌと

パティスリーの夏限定デザートを求める旅、まだまだ続いていますよ。
8月に入ったらすぐに行こうと思っていたのが、マテリエル。
マテリエルのクープは、もう名物ですよね。月ごとに内容が変わるので、何度行っても新鮮という。
今年のラインナップは、6月グレープフルーツ、7月マンゴー、8月桃、9月マスカット、10月洋梨と栗、というものだったと思う。
自分としては、やっぱり桃!
なので、8月になるのが楽しみだったのです。


梅雨があけてから、ずっとはっきりしない天気が続いていましたが、今日はようやく夏が本気出した感があります。
そんな中、東武東上線に乗って、大山駅へ。
そこから、商店街を歩くこと数分、ちょっと脇道に入って、マテリエルに到着です。
f:id:nyaofunhouse:20170805124614j:plain
正直マテリエル、駅からの距離のわりには行きづらい場所にあるのですが、さすがにもう覚えた。
バッチリです!


マテリエルでは、イートインでクープを、そしてテイクアウトでケーキを、という注文。
涼しい店内で、完成を待ちます。

しばらくしてやってきた、これが今年の「白桃のクープ」です!
f:id:nyaofunhouse:20170805125853j:plain
おー!
やっぱりステキ!

このクープは、上が白桃、その下がライチのアイス、フリーズドライのラズベリー、バニラアイス、一番下がラズベリーソース。
その中にスイスメレンゲが入ってたり、手が込んでます。
ワクワクしながら食べたのですが、
やっぱり美味しい!

白桃は、身がしまった、固めの食感ながら甘さはしっかり。
そこから順番に奥に食べ進めていくのですが、
これ、奥に行けば行くほど味が濃くなっているのですね。
味のグラデーション。
だから、白桃の淡い味わいが消されることなく、スムーズに次の味に移行する。
そして、最後のラズベリーソースまでたどり着いて、全てのパーツを味わい尽くして、美味しかったー!と締める。
この流れ、計算されていますねー。
とても満足度の高いクープでした。


そして、テイクアウトのケーキ。
今回は、ショーケースにたくさんの種類が並んでいたヴェリーヌ類の中から、3種類をチョイス。
並べてみました。
f:id:nyaofunhouse:20170805153625j:plain
色鮮やかで、バラエティに富んでいて、見ただけで美味しそうですよね!

ヴェリーヌ、まずは白桃のメルバから。
f:id:nyaofunhouse:20170805153901j:plain
スプーンですくってみます・・
f:id:nyaofunhouse:20170805154046j:plain
このヴェリーヌは、ペッシェメルバをイメージしたヴェリーヌ。
トップの飾りは甘いメレンゲ、その中には角切りの桃が入った、これは、シャンパン?赤ワイン?ちょっとお酒を感じさせるゼリー、そして、バニラクリーム、一番下にグロゼイユ入りのラズベリーソース。
白桃入りのゼリーの層がいちばん厚いので、全体的にさっぱりしていますが、バニラのまろやかな甘さもあり、酸味から甘みまで、バラエティに富んだ味わい。
桃の美味しさだけに頼らない、アンサンブルが楽しいヴェリーヌです。


ヴェリーヌ、次はブランマンジェ・ココ。
f:id:nyaofunhouse:20170805154631j:plain
スプーンですくってみます。
f:id:nyaofunhouse:20170805154807j:plain
これは、マンゴーとココナッツのブランマンジェの組み合わせ。
完熟マンゴーはとろっとしていて、甘くて美味しい。
ココナッツのふるふるブランマンジェは、かなりココナッツの香りが強くて、南国風味。
この組み合わせなら、まあ間違いないですよね。
真夏にふさわしい、トロピカル全開の美味しいヴェリーヌでした。


ヴェリーヌ、最後はカフェ・ヴィエノワ。
f:id:nyaofunhouse:20170805155147j:plain
これもスプーンで・・・
f:id:nyaofunhouse:20170805155321j:plain
これは、上の生クリームとシュトロイゼルの下はコーヒーゼリー、キャラメルクリーム、ヘーゼルナッツクリームという構成。
なんだけど、コーヒーゼリーがものすっごく苦い!
これはインパクトありますね。
でも、その下にあるキャラメルの甘さや、ヘーゼルナッツの香りがあるので、味がスムーズに移行する。
そこに生クリームでさらに苦味を中和。
これも、味のグラデーションが素晴らしいです。


マテリエル、元々ヴェリーヌとしてスペシャリテである「アメジスト」があるのですが、今回食べた3種類のヴェリーヌも、ヴェリーヌを得意とする林シェフの真価が発揮された、すごく美味しいヴェリーヌでした。
クープの時もそうだったのですが、食べ進めていくうちに味が徐々に変わっていく、その順番を緻密に計算した、味のグラデーションを考え抜いての構成のうまさに、気持ちよくのせられた、という印象です。


ヴェリーヌの次は、「さくらんぼのサヴァラン」を。
f:id:nyaofunhouse:20170805160039j:plain
断面。
f:id:nyaofunhouse:20170805160221j:plain
このサヴァラン、まず大量のさくらんぼの甘酸っぱさが嬉しい。ちょっとむにっとした抵抗のある食感と、甘酸っぱさで、口の中が幸せ。
ババ生地はボソボソしていることもなく、適度にシロップを吸っていて、シロップにはキルシュかな?アルコールもちゃんと感じられて、サヴァランとしてもすごく優秀。
全体としては甘さと酸味が強めに出ていて、古典の風格を感じさせます。チェリー好きとしてはこの上ない美味しさ。


そしてそして、これは初めて見たかも。の「ヴォワイヤージュ」というシリーズ。
2種類出てました。
まずはヴォワイヤージュ・フロマージュ。
f:id:nyaofunhouse:20170805161742j:plain
これは、なんだ?
一種のロールケーキ、というものなのか?
スポンジで、中のクリームをぐるっと巻いてます。
中のクリームチーズは、重さはないけどちゃんとチーズの味がして、美味しい。
レモンの層もあるので、さっぱりしています。
これは、本格的なチーズケーキとしての美味しさと、ロールケーキの親しみやすさのハイブリッド・・ということなのか?
面白い試みですね。美味しいです。


そして、もうひとつ、ヴォワイヤージュ・ショコラ。
f:id:nyaofunhouse:20170805162244j:plain
こちらは、チョコクリームとガナッシュをロールケーキにしたもの。
基本構造はフロマージュと一緒。
こちらも、中のクリームがカカオの香りが良い、すごく美味しいクリーム。
そして、一筋オレンジのコンフィチュールがあったり、ナッツを混ぜ込んだり、構成も凝ってる。

このシリーズのコンセプトは、本格的なパティスリーのケーキを、もっと親しみやすく、食べやすく、気軽に楽しんでもらいたい、というものではないかと。
繊細な飾り付けもないし、ムースがだれる心配もないので、夏のおもたせにはちょうどいいかもですね。


そんなわけで、真夏のマテリエル、クープとヴェリーヌを中心に、色々食べました。
多分、次は10月ですねー。洋梨と栗のクープ、そりゃ食べたいでしょう。
楽しみです!