「ケーキツアー入門」、早い書店では明日ぐらいから並ぶかなー?という感じなのですが、超早いところでは並んでいる書店もいくつかある模様。
聞くところによると、池袋のくまざわ書店は3~4日頃、新宿紀伊國屋は5日入荷のようです。
その他、書店によって入荷日は前後すると思いますので、まずは問い合わせてみて下さい。
よろしくお願いいたします。
そんな「ケーキツアー入門」、多くのパティスリーにご協力いただきました。
大きく扱っているパティスリーには、本書を献本としてお送りしているのですが、そんな中、アルカションのFBで本書が取り上げられました!
www.facebook.com
とても嬉しいです!
アルカションには本当にお世話になりました。なんといっても表紙のケーキも許可いただいた恩もありますし、本文中でも様々な形でご協力いただきました。その上取り上げてくださるとは!
これはお礼しないと!
そして、「ケーキツアー入門」の原点にもう一度立ち返ってみようと。
そんなわけで、西武池袋線ケーキツアー、行ってきました。
まずは、保谷駅ですね。
駅から2分ほどでアルカションが見えます。
このお店のファサード、好きなんですよねー
アルカション、常にお客さんがいる状態。相変わらず大人気です。
幸いイートイン席は空いていたので、ケーキをイートインすることに。
今回は、このケーキを選びました。
やっぱり見目麗しいケーキが多いですね!
アルカションのケーキ、まずは、先月から続いているチェリーブーム、まだまだ続くよ!ということでタルトスリーズです!
可愛い!
ナイフでカットしてみます。
このタルトは、見ての通り、アメリカンチェリーではなく、日本のさくらんぼを使ったタルト。
食べてみると、まずタルト生地の香ばしさが素晴らしいですね!
サックリとした歯ざわり、バターの香ばしさ・・。
でも、全体の作りとしては淡い構成なので、さくらんぼのジューシーな甘酸っぱさが生きてる。
さくらんぼ自体も、甘酸っぱいシロップに漬けてあって、風味を底上げしていますね。
やっぱり、さくらんぼのケーキを作るのであれば、このぐらい丁寧な仕事をしないとダメ。
全体のバランスを考えて、さくらんぼの味の薄さを少し持ち上げて、なじませて・・・
ケーキ屋さんの仕事は、素材をそのまま食べさせるのではなく、素材をいかにより美味しく食べさせるかにある。
それを再確認させてくれる、素晴らしいさくらんぼタルトでした。
次に、はい、来ましたよ。パーデザンジュです。
ううううーーーー、やっぱり最高にステキなフォルム!惚れ惚れするわー。
切ってみました。
パーデザンジュ、久々に食べましたが、やっぱり見かけも味もすごい。名作ケーキですね!
チョコとベリーの組み合わせはよくある定番ですが、ここではあえてブラックベリーをチョイスすることで、チョコに対して甘酸っぱさでアクセントをつけるのではなく、ベリー独特の野性味を強調している。
これが、チョコの風味を軽くするのではなく、むしろ重くしている。ぐっと大人びた味わいのチョコ+ベリーになっている。
そこに、生のブラックベリーの果実味が加わって、ひとつのケーキとして完成している。
パーデザンジュだけの世界を構築しているんですね。
見かけだけでなく、味でも惚れ惚れ。
スーボワ。
このケーキは、下のキャラメル+くるみの部分が主役のケーキ。
ねちょっとしたキャラメルと香ばしいくるみの組み合わせは、自分すごく好きなんですけど、それだけに終わってないところが。キャラメルの層に対して、コーヒーを染み込ませたチョコスポンジとチョコクリームが、甘さや苦さ、香ばしさなど、様々な味を伝えてくれるんですよね。
最後に、ジェイド。
これは、土日限定のサントノーレ。
断面。
見ての通り、サントノーレの基本を踏まえた、飴がけのシューと下のパイ。
そして、クリームはジャンドゥーヤとピスタチオのミックス。
ナッツ+ナッツで、めっちゃ香ばしい。
でも、そこまでエグミはなくて、重さのバランスは考えられている。
軽快な香ばしさ、という印象。
やっぱり自分はサントノーレ飴がけが好きだなー。
ということで、アルカションのケーキ、以前食べたケーキも含め、温故知新で堪能しました。
帰りがけに、店員さんにFBへのお礼を言付けておきました。
ありがとうアルカション。
さて、保谷から再び西武池袋線に乗って、各停2駅。
石神井公園駅に着きました。
もう、おわかりですよね。
ブロンディール、久々の訪問です!
ブロンディール、この春からかなりハイペースで新作を出しているみたいで、
ツイッターで流れてくるレポートを、指を加えて見てました。
でも!ようやく自分もありつけます!
楽しみ!
ブロンディール、ショーケースを見ると、nouveauと書かれたケーキが6つも!藤原シェフすごいな!
そんなには食べられない!
・・ということで、新作の中から4つを厳選、外のテーブルで食べることに。
シェフのお父様の気遣いで、ひとつずつケーキを持ってきていただくことに。
まずは、タルトレット・オ・シトロン・エ・オ・フランボワーズから。
超長い名前ですが、要はタルトシトロンにラズベリーを足した、ということ。
切ってみます。
このタルトシトロン+ラズベリー、すっっごく美味しい!
いやー、久々ブロンディール、脳天にくる美味しさですね!
タルトはよく焼けでさっくり、なにしろレモンがギューっと酸味が凝縮されていて、シビレル酸っぱさ。そこに、もうちょっと柔らかい、甘酸っぱいラズベリーの酸味が加わって、異なる酸味が美しいハーモニーを奏でる。
そして、メレンゲが!このメレンゲも最高です。やや甘めの味も、ふわっとしながらも柔らかすぎない食感も、全てが計算されつくした美味しさ。やっぱりタルトシトロンは、このぐらい酸っぱくて、このぐらいしっかり甘いメレンゲがないと美味しくないですよね!王道の美味しさ、それにラズベリーをプラス。最高か・・
次に、セヴーを。
スイスメレンゲをまとったフォルムは、ちょっとトレカルムを想起させますが。
切ってみました。
このケーキは、基本チョコバナナ味。
このところ、いろんなチョコバナナ味のケーキを食べましたが、こんなに大人びたチョコバナナは、かつて味わったことがない。
バナナは、バナナなのに甘さは極端に控えられ、かわりにラム酒がガッツリと効かせてある。
そしてチョコレートもかなりビター。
さらにヘーゼルナッツの香りが加わり、ブロンディールならではの格調高い濃厚さが味わえる。
そこに、メレンゲの甘さが重厚な味わいに軽さを与えて、完成度の高いケーキに仕上げている。
いやー、格が違う。格が違いすぎる・・・
そして、楽しみにしていたヴォロンテ。
お父様が、これはスプーンで食べたほうがいい、とのことで、スプーンをつけてくださった。
おー。
じゃあ、ということで、表面のガチガチに固いパイを崩して、スプーンですくってみました。
すると、中はとろりとしたヘーゼルナッツとコーヒーのクリーム、チョコのダックワーズ、そしてチェリーが。
ここでも思いがけずチェリー充。
これが、もう、素晴らしく美味しいのです!
表面のキャラメリゼしたヘーゼルナッツが貼り付いたパイも、中の苦みばしったクリームも、しっとりとしたダクワーズの食感も、どれもが有無を言わせず美味しい。
そこに、チェリーがアクセントとして加わって、鉄壁の美味しさに。
食べてて、「これ、フランス古典菓子の再現?」と思ったですよ。
そのぐらい、パーフェクトな完成度なのです。
ほんと、ベースとなるレシピがあるのか、それとも完全なオリジナルなのか・・
藤原シェフの天才性が遺憾なく発揮されたケーキです。
最後、サヴルー。
これ、かなり女子力高い外見ですよね。
断面。
このケーキ、パッションフルーツとグロゼイユのケーキ、ということだから、さっぱりとした爽快なケーキ?と思って食べてみたら、爽快感とかは全然なくて、めっちゃ濃厚!めっちゃ重い!
全体は軽いメレンゲの甘さ、ダックワーズのねっちりした食感、ココナッツの香りが支配。
甘さも強く、すごく甘くて濃いです。
そこに、わずかにパッションとグロゼイユが感じられるんだけど、すごく弱い。アクセントとしても、もうちょっと目立たせてあげたら?と思うほど。
でも、ブロンディールらしいんですよね、これが。
こんな可愛い外見でも、やっぱり味はこうだったか!という、納得の美味しさ。
そんなわけで、ブロンディールのケーキ、4つ食べましたが、大満足。
新作もやっぱり天才・藤原シェフの俺様ケーキでした!
どのケーキも、個性が走りまくっているのにもかかわらず、クラシックの風格を感じさせるんですよね。
これは、才能もそうだし、古典への理解の深さ、そして努力の結晶。
そして、お父様の、全くぶれないホスピタリティに、今回も感動。
あの接客で、ケーキの味が10%以上アップしてますよね。
今回の西武池袋線ケーキツアー、アルカションとブロンディール、当然「ケーキツアー入門」でも取り上げられています。
どのように書いてあるのかは、ぜひ読んで欲しい!と思います!