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おこもり中でも美味しいケーキ食べたい人は・・紹介記事書きました。


飯田橋〜神楽坂に密集しているケーキ屋さんのほんの2店ばかり行ってきました。

なんかここのところ、「カー・ヴァンソン行かないんですか?」と複数の人に聞かれていて。
カー・ヴァンソン、そういえば長いこと行ってないなー。たまには行ってみるかー??ということで行ってきました。


カー・ヴァンソン、相変わらず不定期の営業。月に数日しかお店開けてないという状況なので、営業している日は大変なことになっているらしく。
今回の営業日も、真夏の中大勢の人が何時間も並んでいるという情報を聞いていて、でも長時間並ぶのはいやんなので、早めに行こうっと
・・・ということで2時間前に着きました。

まあ、さすがに早すぎたか。
そこまでではないのね。なんだ。
じゃあ、神楽坂の他のケーキ屋さん行ってみようかな。


本来ならル・コワンヴェールに行きたいのですが、月曜定休。
なので、こちらも行ったことがなかった神楽坂駅近くのケーキ店「ボン・リーヴル」へ。

このステキな店構え、きっとケーキも美味しいに違いないよ、と以前から思っていて、行きたかったんですよね。
カフェスペースは店内にも店外にも数席あって、ケーキと豊富なドリンクメニューを楽しむことができる。
今回は店内で食べることにしました。
ケーキ4つと、アールグレイを発注。

なかなか美味しそうじゃないですか!?


ボン・リーヴルのケーキ、まずは伝統のサヴァランから。

中はこんな感じ。

このサヴァランは、お酒はけっこう効いていていいんだけど、お酒を含んだシロップの量がちょっと少なめなんですよね。ババの生地からじゅわーっと染み出てくるほどではなくて、お湿り程度の量。なので、ちょっと欲求不満も。でも甘さはしっかりあって、ややクラシカルな味わいになっていてそのあたりは好感触。これでシロップびしゃびしゃだったら言うことないのに・・


ソレイユというケーキ。

このケーキは、清見オレンジをたっぷり使ったケーキ。
オレンジの酸味とほのかな苦味がとてもいい感じ。クリームが少し舌触りがザラッとしているのはなんだろ、何かを配合しているのかな?ちょっとその意図は図りかねる感じでしたが。表面をグルっと巻いたスポンジは固めに焼かれていて、しっかりとした食べごたえ。


キール・ロワイヤルというケーキ。

このケーキは、カクテルのキール・ロワイヤルをイメージした、シャンパンとカシスのケーキ。とても華やかな味わいですねー。甘さはあるけれど全体的には優しい味わい。もう少しゴージャスにインパクトのある部分があってもいいかなー?という気はしましたが、カクテルのようなケーキ、いい感じです。


最後、「テ」というケーキ。

これは自分の大好きなバタークリームのケーキ。かなり甘さがあります。名前の元の紅茶と、隠し味のグランマニエは、それほど強く主張してこなくて、バタークリームの甘くて美味しいケーキ、という印象です。美味しいけど、もうちょっと紅茶を強調しても良かったかも。


ということで、ボン・リーヴルのケーキ、いい意味でオールドファッションな、ちょっと懐かしい味わいのケーキが多いな、という印象です。
強烈なインパクトや、ハイセンスなデザイン、という部分は控えめですが、食べていてホッと安心できるお味。神楽坂はオシャレなケーキ屋さんたくさんあるから、こうした店もあるとバランスが取れていいんじゃないかと思う。需要はけっこうありそう。



・・・ということで、ボン・リーヴルで30分ほどを過ごして、再びカー・ヴァンソンに戻ってきました。

誰もいないじゃん!
なんだよー、大行列なんじゃないの?
しかたないので、お店の前で行列の先頭に棒立ちになって待つこと1時間。
開店30分前になって、ようやく行列ができ始めました。
なんだよなんだよ、30分前到着でもよかったんじゃん!
張り切って1時間半も並んだ自分バカみたい・・・
ということで、開店時間2時を少しオーバーしてようやくカー・ヴァンソン、オープンしました。
ショーケースに並ぶケーキ、一番最初に思ったのは「高い!」ということ。
カー・ヴァンソンのケーキの特徴としてはボリュームが大きくて値段もちょっと高め、というのは知っていましたが、ここまで高かったっけ?
ちょっと自分の想定するケーキの値段の限界ギリギリか少しオーバーしている値付にちょっと焦る。
そんなわけで、買いたかったババ・オ・ロムなどいくつかのケーキは値段の関係上スルー。ちょっと残念でした。


久しぶりのカー・ヴァンソンのケーキ、まずはタルト・シトロンから。

相変わらず豪快なフォルムだ・・・
断面。

このタルト・シトロン、レモンの酸味が、喉が焼けるんじゃないかと思うほど酸っぱい!
そりゃタルト・シトロンのレモンは酸っぱいのが原則ですが、ここまで酸っぱいとは・・・
上のメレンゲの甘さが焼け石に水状態ですよ。
さすがというか、いきなり強烈なインパクトのケーキです。
下のタルト台は、断面図をご覧いただければ分かるように極端に薄い。
なので、水分を吸って湿気てる。なので、台の役割は果たしてない感じ。ここまで薄くする必要はちょっと不明。
美味しいタルト・シトロンですが、美味しい以上にインパクトがすごくて。
いかにもカー・ヴァンソンらしいタルト・シトロンです。


ミルフィーユ・ヴァニラ。これはだいぶ昔に一度食べてますが、今のほうがミルフィーユについては経験値ついたので、果たしてどういう感想を持つか。

このミルフィーユは、パイ生地がとても軽くて薄くてほろっと崩れる。
なので、フォークでサクッと切ることが可能。そのぐらい軽い生地になっています。
中のクリームはぼてっとした濃厚なクリーム。なので、全体は一体化していて食べやすい。パイのバターの香りもいいし、クリームも美味しくていいんだけど、これ800円はちょっと高いかなー。そこまでのものとは思わない。800円なら、もう少しプラスアルファがないと、納得出来ないなー


タルト・バナーヌ。

断面。

甘さ控えめで酸味の感じられるチョコレートのクリームに、青々しさを残したバナナが合わさって、ビタースイートな大人のチョコバナナ味。こちらのタルト台はザクザクとよく焼かれています。
これは美味しいことは美味しいけど、ちょっとカー・ヴァンソンらしさには欠けるきらいが。やっぱりカー・ヴァンソンのケーキには、ガツンとした強烈なインパクトを求めてしまうので、こういう「普通に美味しい」ケーキでは納得出来ないのですよ。もちろんすごく美味しいですよ?でも、ここのお店はそれ以上が可能になる店だと思っているので、ハードルはとても高くなっています。このケーキはそのハードルを超えるのが難しかったかなーという印象ですね。


クレーム・ダンジュ・ア・ラ・マミー。

不織布のガーゼにくるまれたクレームダンジュ。
スプーンですくってみます。

このクレームダンジュは、かなり美味しい!
乳臭さを感じるチーズのクリームに、酸味の強いラズベリーのジャムがとてもよくマッチしている。2つの酸味の違いを楽しむことが出来る、とても美味しいクレームダンジュですね。「ア・ラ・マミー」という名前の通り、食べていてホッとできる、安心の美味しさです。


リ・オ・レ・アンペリアル。

なんかすごいの出てきた!
これもスプーンですくって食べます。

中はこんな感じ。

これは非常に美味しいです!
リ・オ・レというのは、フランスではよくあるお米をミルクで煮たもの。
ここではバニラたっぷりのミルクで少し粒を残して煮たお米がすごく美味しい!
これはなかなか大したもので、こうしたシンプルなスイーツは、ちょっと材料をケチったり、ちょっと作るのがもたついたりしたら、食べていて胸焼けを起こしそうな不味さになってしまう。それがこれだけ高いレベルで美味しくできているというのは、やはりさすがというしかない。お米、牛乳、バニラ、そして上に載った生クリームと、最小限の構成で、最大限の美味しさを作り出している。
これは素晴らしいですね。いかにもカー・ヴァンソンらしい、素晴らしいケーキになっています。


最後は、言わずと知れたスペシャリテ、アメール80%を。

これはもう、何も言うことないでしょう。日本におけるチョコケーキの傑作を選出するとなれば真っ先に選ばれるべき、最高のチョコケーキ。久しぶりに食べましたが、やはりこのチョコレートの濃厚さに圧倒されますね。ショコラホリック・オンリーの劇薬ケーキです。


久しぶりのカー・ヴァンソン、さすがに美味しい!というケーキと、あれ?というケーキの両方がありました。値段は全体に高いので、あんまりカー・ヴァンソンらしくないケーキにはちょっとイラッと来る部分もありますが、それも含めてカー・ヴァンソンなのかもしれませんね。今回食べた中ではリ・オ・レが素晴らしかった。やっぱりカー・ヴァンソンという名前と、その値段からは、ハードル上がるのは仕方ないこと。それをクリアするケーキを出してくるところは、やっぱり凄いなーと思いましたね。