話は20年近くさかのぼります。
ファッション企業「ハッカ」の服と生活雑貨のブランド「MADU(マディ)」がパティスリー&カフェを代官山にオープンしたのですね。
ここのケーキが、すごく美味しくて。本格的で。
今でこそファッションブランドが本格的なカフェを運営するのは当たり前になりましたが、当時はあんまりそういった試みはなかったし、あっても「なんちゃってカフェ」が関の山。その中でマディはずば抜けて美味しかった。
そのマディで腕をふるっていたのが桜井修一シェフ。
桜井シェフはその後世田谷に「フラウラ」という店を開くのですが、自分マディ好きだったのにもかかわらずフラウラは行ったことなかった。
いつか行こうとは思っていたのですが、場所がちょっと行きづらくて。世田谷駅に他に用事があれば絶対行ったと思うのですが。
そんなこんなしていたら、フラウラ、世田谷から代々木八幡に移転オープンしたのだそう。
オープンは8月21日。
なるほど。
今度こそ行かねば。
代々木八幡なら世田谷駅よりだいぶ近くなったし、それに代々木八幡には他に用事もあるし。
というのも、これも最近ですが、代々木八幡に新しいパン屋さんができたということで。
お店の名前は「365日」。
ここのパン屋さんのブーランジェはデュヌラルテ出身なんだとか。
正直自分はデュヌラルテにはあんまりいい印象持ってなくて、「味はそこそこ美味しいけど小さくて高くて!」というイメージだったのですが、この「365日」は店名を額面通り受け取るのならデイリーに使える店、ということなのでしょう。ならば一度は行っておきたい。
ということで行ってきました。
代々木八幡、小田急の急行止まらないんですよねー。
なので代々木上原に比べて距離近いのに時間かかる。
でもなんとか到着して、南口を約2分。
「365日」のお店がひっそりとたたずんでいました。
お店はそんなに大きくないのですが、イートインスペースもあって、出来立てのパンを食べていくこともできる。
で、パンなのですが、価格はだいたい160〜250円ぐらいが中心。サンドイッチ類は500円オーバー。安くはないなー。でもデュヌラルテよりは安いか。
まずここでパンを3個購入。テイクアウトにしました。
そして、365日から歩いて30秒のところにフラウラの新しい店舗が。
着いたのは10時10分ぐらいだったのですが、ショーケースの中はカランコとしていて。
生ケーキは4種類しか並んでいなかった。
マダムに聞いた所、だいたい揃うのは11時ぐらいだそうです。
うーむ、しかたない。
じゃあ、並んでる4つのケーキを全部購入。
そうしたら、今は開店記念で1500円以上のケーキを買うと風呂敷プレゼントしてくれるとのことで、もらってきました。
家について、まず朝食を。朝食はパンだ!
365日×クロワッサン(210円)は表面パリパリ、中はもっちり。食べごたえあるし美味しい。
林檎×シナモン(230円)はベーグルみたいなの。リンゴが甘酸っぱくて、生地はもっちりして美味しい。
焼きたてを購入した赤茄子(180円)はトマトバジルのパン。生地はもっちりして美味しい。
そうなんです!どれも美味しいんだけど、全部もっちりしてるんですよ。
日本人って、もっちり食感みんな好きですよねー。かくいう自分も日本人だしもっちり食感大好きです。けど、こうもどれももっちりしてると、ちょっと考えてしまう。
もっとカリカリッとした食感や、みっしり目の詰まったパンなんかも好きなので、全部もっちりだと、ねえ。
あと、クロワッサン210円は高い。自分の中では「クロワッサンが200円超えてる店は高すぎ」という基準があって、どんな高級店であっても、デニッシュとかが高くてもクロワッサンは160円とかに抑えるべきだと思っているのです。VIRONみたいに巨大でエシレバター使って・・・とかならまあ仕方ないかーというのはあるけど、・・・なので、ちょっとデイリーには使えないなあ*1。ううむ。
朝ごはんを食べ終わったので、朝ごはんのデザートとしてケーキ食べることに。
まずはいちごのタルト「タルトフレーズ」。
今はいちごの季節からは外れてるのでどうしようかなーとちょっと迷ったのですが、店名の「フラウラ」というのはギリシャ語で「いちご」のこと。つまりシグネチャーのケーキとも言えるわけで、ならばということで買ってみました。
断面。
食べてみました。
いちごは、予想通り単体としては酸味が強くて甘みがちょっと弱い。
でも、たっぷり塗られたいちごのナパージュと、しっかり焼かれた甘いタルト台がその甘味の足りなさをじゅうぶん補っていて、全体としてはジューシーでさわやかな美味しいタルトになってる。さすがです。
これなんですよね。よくある「タルト専門店」の、適当に作ったタルト台にバイトのおねえさんが生のフルーツ適当に載せて、それでフレッシュフルーツのタルトでござい、というのは自分大嫌いで。フルーツ載せタルトはどれだけ地味な仕事をしっかりしてあるかが重要なんです。このタルトフレーズはその仕事がしっかりしてあるのがわかる。
次もタルト。いちじくのタルト「タルトフィグ」です。
スライスしたいちじくがこんもり載ってます。
断面。
見ての通り、こちらもしっかりと仕事してあります。
中にはフィグのクリームがたっぷり入ってる。
だから、いちじくという、正直ちょっと地味なフルーツが、生で食べるよりも何倍も美味しくなっている。
ちなみに、上に載ってる「フラウラ」のピックみたいなの、ビターチョコで食べられます。
サヴァラン。
断面。
これ、見かけからするとシロップ少な目に見えるけど、しっかり吸い込んでます。
そして、生クリームがてんこ盛りになってるけど、これがちょうどいいバランス。
というのも、サヴァランの生地が吸い込んでるシロップが、お酒も効いているし、かなり甘いのです。
なので、この山盛り生クリームと一緒に食べてちょうどいい甘さに。
美味しいなあ!
最後に「エミスフェール」。スペシャリテだそうです。
表面を見てわかるように、ピスタチオといちじくのケーキ。
断面。
ピスタチオのムースといちじくのムース。
間に入ってるのがなんなんだろう。クランチーな食感でした。
さすがスペシャリテだけあって、かなり美味しい。
もっとピスタチオの豆々しさがあってもいいけど、やりすぎるとバランス崩すから、このぐらいがいいのかな。
美味しかったです。
そして、開店記念の風呂敷。
オシャレです!
・・・だけど使いどころがわからない。うーむ、何に使おう・・・
十数年ぶりにたべた桜井シェフのケーキ、やっぱりどれも美味しかったです!
フラウラ、今度はすごく近くなったので、また行きたいですね。
今度は11時ぐらいに行って、ケーキの選べる状況で頭悩ませたいです。
*1:まあそういう意味ではVIRONも普段使いの店ではないし。そう考えるとPAULは偉いよね。サクサクのクロワッサンたしか200円以下で売ってたはず