滋賀県にあって全国に有名を轟かせているパティスリー、ドゥブルベ・ボレロ。
大阪にも支店があるので、いつか関西ケーキツアーする時には寄らないとねーと思っていたら、向こうから来てくれました。
相変わらず新宿伊勢丹マ・パティスリー、やることが大胆です。
渡邊シェフは伊勢丹の中の厨房を使って生ケーキを作るんだとか。
すごい、すごすぎる・・・
これはもう、当然行く以外の選択肢がない。
意気込んで行ってきました伊勢丹。
10:30オープンと同時にマ・パティスリーへ。
7〜8人ぐらいの人がなだれ込んできて、自分は4番手ぐらいの位置に。
すると、マパテの店員さんが、ケーキ一覧が書かれたパウチッコ紙を渡してくれます。
そんなの初めて。やっぱり伊勢丹側も相当気合入ってる。
今回生ケーキは14種類。今日の朝いちの時点では、3つのケーキがまだ完成してなかった。ケーキ一覧の紙の完成してないケーキの部分はポストイットで隠してありました。
さてさて、ケーキ、どうすべ。
せっかくの機会だし、いろいろ食べておきたいよねー。
ショーケースのケーキ、見るとわりと小さめだし。
・・・ということで、自分の番になって、ケーキを6つ発注。
6つぐらいは余裕OKでしょう。
おうちに持って帰ってきて、さて食べようと思ったのですが、
ムース系のケーキがかなりやわらかくて、型崩れしそうだったので、あわてて撮影しつつ食べつつの大忙しでした。
フィグ・カシス。
いちじくとカシスの組み合わせって、食べたことあったかなー?
どうだろ・・・
と食べてみたのですが、これはかなり美味しい!
美味しいけど、かなり渋いですねーこれは。
いちじくって、調理法によって様々な側面を見せる不思議なフルーツですが、ここでは生のいちじくのえぐみ、渋さが前面に出てきている。
そのいちじくの渋さに、カシスの実の酸味と渋みが合わさり、さらにハーブ(タイム)の香りもついていて、全体にとても大人の味わい。繊細です。
そうなんだ、ドゥブルベ・ボレロって、こういう感じのケーキなのね。
このフィグ・カシスはとても気に入りました。シックでゴージャスなケーキ。
グアバ・メロン。
グアバもメロンも、甘みの強いフルーツ。それをどう処理しているのだろうか。
断面。
メロンのムースにグアバのムース。メロンのムースはやわやわ、グアバのムースは少ししっかりした感触。
これは、食べてみてびっくり。
グアバとメロンという、味の濃いフルーツを使っていながら、味わいがとても繊細なのです。
南国果実のトロピカルさよりも、和食のデザートに出る「水菓子」という趣。
ほわわー・・・これは驚いた。
大きさも小さめなので、こちらも気合を入れて食べないと、気が付いたら食べ終わってた、ということになりかねない繊細さ。
ロゼ・バニーユ。
これ、フォルムが美しいですね。可愛い。
このケーキは断面撮りそびれたのですが、薔薇のムース、ホワイトチョコムース、中に赤いベリーが入っていました。
これも薔薇のムースがふわっとしていて、とても軽い感触。
そして、味も繊細。甘さ控えめのホワイトチョコムースに、儚げな薔薇の香りがプラスされていて、乙女の淡い夢の様なケーキ。
うっとりしてしまいます。
ムースリーヌ・パバナ。
スタイリッシュなフォルムからは、バナナはあまりイメージされませんが・・・
このケーキは、名前からバナナが主役と思いきや、バナナの酸味とパッションフルーツの酸味が合わさった、複雑な味わいのケーキ。上にローズマリーが載っているので、ハーブも使ってるのかな。
とても美味しいです。特にパッションフルーツは、強烈な酸味が特徴ですが、その酸味をバナナとクレーム・ムースリーヌが絶妙に緩和させていて、調和がとれている。
なるほどねー。よく考えられているケーキです。
ここまで食べてきて、だいたいドゥブルベ・ボレロのイメージが固まってきました。
季節もあってトロピカルなフルーツをふんだんに使った、ムースのケーキが多いのですが、それがとても洗練された玄妙な味わいに変化している。
がっつり洋食じゃなくて、はんなり和食の味わい。
東京で近いのは、イデミだと思います。
ポーションが小さいのもイデミに似てる。
でも、値段はイデミの7割ぐらい。それもあってイデミより好感。
とてもいいと思います。
次、シトロニエ。
チョコとレモンのケーキ。
チョコはパリンとした薄い板チョコ状になっている。
レモンは酸味はしっかり感じられるけど、主張しすぎない、調和のとれた酸味。
チョコの味は深いのですが、レモンの酸味もあってスッと食べられる。
最後、アイアシェッケ。
バタークリームとチーズのケーキ。
これも美味しいですねー。
チーズがかなり濃厚。ねっとりとした食感。バニラの香りが芳醇。でも重すぎない。
6個目のケーキだけど、スッと食べられる。
表面の砂糖がシャリッとしていていいアクセント。
美味しかったです。
というわけで、ドゥブルベ・ボレロのケーキ、贅沢に6個行きました。
夏らしくさっぱり食べられるケーキが多かったということもありますし、全体に複雑で繊細な味わいというのもあって、食感をしっかり感じながら食べました。
これだけ複雑なことをやっていたら、原価も高くなると思うのですが、全体に価格抑えめ。素晴らしい。
東京では贅沢な素材を使った複雑な味わいのケーキは高い、というのが常識なので、400円台前半でこれだけできる、というのが示された意義は大きいと思います。
1個700円も800円もする贅沢ケーキに慣れている人は、ぜひ食べてみるべき。
刺客からのナイフがグッサリ刺さること間違いなしですよ!