先週のエチエンヌに続いて、今週の新宿伊勢丹マ・パティスリーはヴォワザン。
買いに行ってきました。
行きは薄曇りだったのが、帰りになるとなぜか雷鳴が遠くで。そして雨がポツポツと。
あわてて家に帰ったら雨ザバー降ってきました。
ふう。危ないところだった。
そんな雷鳴轟く中のケーキタイム。
まず最初に手を付けたのは、ブールサレ。
名前の通り塩バターのケーキです。
これ、美味しい!
久しぶりに言っていいですか?
「バタークリームは正義!!」
塩気はかなり強め。そして、バタークリームとプラリネクリーム。
一番下はサブレが敷いてあって、かなり細かい作りになってる。
いちばん上のぷにぷにと柔らかい生地から始まっていちばん下のザクザクした生地で終わる、
ストーリー性を感じるドラマティックなケーキです。
サバラン・トラディション。
上に飾られてるのは栗?と思ったら、サルタナレーズンです。
このサバランも、素晴らしく美味しい!
ラム酒はこれでもか!と効いていて、お酒弱い人は酔うかも。
たっぷりのシロップに、中はカスタードクリームとラムレーズンが、これまたたっぷり。
このサバランの素晴らしいのは、ブリオッシュ生地が、これだけお酒吸い込んでもしぼしぼしてないの。
弾力を失ってないもっちり食感。
でもシロップはちゃんと吸っていて、すごく食べごたえあるの。
サバランって、得てして生地がしぼしぼのぼよぼよになってる場合あるけど、あの食感が嫌いでサバラン好きじゃない人は、このサバラントラディション食べてみて欲しい。
あと、やっぱり個人的にはサバランはお酒がっつり効いている方が好み。
なので、このサバラントラディションは文句なし。激賞のサバランです。
実はまだ食べてなかったモンブランも買いました。
断面。
このモンブランはすごいです。正統派のマロンペースト、生クリーム、焼きメレンゲではなく、
マロンペースト、生クリーム、ペースト状のマロングラッセ、タルト台、パートフィロという複雑な構成。
これが大当たり!
自分はモンブランはシンプルであるべし、と思ってるけど、この構成は見事だなー。
よくモンブランの中に一粒栗を入れるパターンあるけど、あれはあんまりうまく作用してない場合がほとんど。
だけど、この栗餡のようなマロングラッセペースト(わずかに粒を残している)は栗のほっくり感と濃厚さがたまらない。そして、パートフィロのパリパリ感も必然性が確かにあって、すごくよく効いている。
このモンブランは、典型的なモンブランではないけれど、古典的な風格を備えた素晴らしいモンブランと思います。
さすがだなー。
次は、クレムピスターシュ。
伊勢丹の今週のマパテでの広瀬シェフの紹介では「チョコの達人」と書かれていて、確かにチョコも素晴らしいと思うけど、自分は前から何度も書いているように、広瀬シェフはピスタチオの名人と思ってる。
すきあらばピスタチオをパーツに組み込んできて、またそのピスタチオが豆々しくて美味しいのだわですよ。
そんな広瀬シェフのピスタチオまみれのクレームブリュレ、美味しくないはずがない。
この舟型の陶器も可愛いですよね。
スプーンですくってみます。
うん、やっぱり間違いない!すごく美味しいです!
ピスタチオのクレームブリュレは、以前カー・ヴァンソンのを食べたことがあって、それはちょっとあまりにも豆がえぐすぎて微妙だったのですが、この広瀬シェフのクレムピスターシュは、ピスタチオの豆っぽさと表面のキャラメリゼの焦げ感とバニラの完全なバランス。ピスタチオ好きにはたまらない香ばしさがあるんだけど、えぐくなる一歩手前でバニラが味を整えているので、食べにくいということはない。たっぷりのピスタチオクリームを堪能できる。
やっぱり自分の広瀬シェフ=ピスタチオの名人、というのはより強固になりましたね。
最後に、シュークリーム。シュー・ア・ラ・クレームです。
小ぶりのシュークリーム。アーモンドがまぶされています。
断面。
このシュークリーム、美味しいですねー。
シュー生地はザクッとした食感で、アーモンドのカリカリ感もプラスされていて。
そしてカスタードクリームはぽってり濃厚で、このザクッとしたよく焼かれた生地にぴったり合っている。
素晴らしいです。小さいけれど満足感高し。
先週のエチエンヌのケーキには深く感銘をうけたのですが、今週のヴォワザンも負けず劣らず素晴らしいケーキばかりで、感服しました。
幸せをかみしめていたら、雨もやんで外晴れてきました。