ドゥーパティスリーカフェのブログはRSSチェックしているのですが、
11月30日のブログ記事で、
この度真に勝手ではございますが
私、菅又亮輔は12月末をもってドゥーパティスリーカフェを退社致します。
という突然の知らせ。
まあ間違いなく独立の目処がついた、ということなのでしょう。
その新店にも期待が高まりますが、やっぱり菅又シェフがいるうちにドゥーパティスリーカフェにも行っておきたい。
ということで、今日都立大学まで行ってきました。
最後まで東京駅のドゥーパティスリー・ア・トウキョウとどっちにするか悩んだのですが、東京駅の方はやっぱり品数が少ないので、せっかくだから本店行っておこうと思って。
まずはミルフィーユから。
ドゥーのミルフィーユは、季節によって様々なバリエーションが出るのですが、今回は「ミルフィーユバニーユルージュ」でした。
パイで挟まれた上にはカスタードクリーム、下はラズベリーとチェリーとグロゼイユ(赤すぐり)が。
美しい層をご覧ください!
ドゥーの季節のミルフィーユ、すごく好きなんです。
先日食べたエーグルドゥースのような圧倒的な強さとか、ピュイサンスのギリギリの火入れとか、そういう凄みはないのですが、パイはしっかり香ばしいし、今回食べたバニーユルージュも甘さと酸味のバランスがきっちり調和している。味の構成の計算がピタッと合ってるんですよね。
素晴らしいミルフィーユでした。
ムラングシャンティーも、一工夫してあります。「ムラングシャンティーキャラメルオランジュ」という名前。
ムラングシャンティーって、ミルフィーユ以上に食べるのが難しいケーキ。
手をベトベトにしない食べ方がわからん。
で、当然のように手をベトベトにしながら食べていたのですが、名前の通りほのかにオレンジの香りが。
このオレンジ、どこから来てるのかなーと思いつつ、ふと焼きメレンゲの断面を見たら、
なんと!焼きメレンゲが2層になってる!
表面の焼きメレンゲの中にオレンジ味の焼きメレンゲが入ってる。
これはすごい。というか、こんなことできるんだ。
これは、いったんオレンジの小さな焼きメレンゲを作って、それを普通のメレンゲで包んでもう一回焼いている、ということ?
もしそうだとしたら、どうかしてる!
その手間のかけかたは尋常じゃないでしょう。
うーーーむ・・・絶句。
ソーブルというケーキ。
ワイルドないでたち。
これは、チョコのスポンジと、キャラメルのバタークリームのケーキ。
なんだけど、上の飴がけアーモンドがすさまじく美味しくて。
これ、ケーキの上にフロランタンが載っているようなもの。
その存在感が強いので、全体としてはとてもナッティーな味わいになってる。
とても美味しいです。個人的にはもうちょっとバタクリの層が厚いと、バタクリたっぷり楽しめてよかったのかもなーという気が。でも飴がけナッツは大好物なので、全体としてはとても満足。
最後、エクレアがとびきりプレミアムに。「エクレールマロンカシス」です。
すごいでしょ?これ。マロングラッセが堂々と居並んでいます。美しい・・・
でも、それだけで終わる菅又シェフではない。
断面。
カシスのクリームとカスタードクリーム、そしてマロンのクリームまで。
カシスのクリームはそれほど強くないのですが、カシスの粒が混ざっているので存在感はある。そして濃厚なカスタードとマロンのクリーム。
全体としては重めのフィリングですが、それを受け止めるシュー生地が素晴らしく美味しい。シュー生地って、えてしてカリカリすぎたり、逆にしっとりしすぎたりで、微妙なバランスが難しいのですが、このエクレアのシュー生地はサックリとしっとりの中間。どっしりとして食べごたえがある皮なのです。
それに仕上げのマロングラッセ。
エクレアと侮る無かれ。今回食べた4つのケーキの中でいちばんヘビーでした。
素晴らしすぎます。
というわけで、ドゥーパティスリーカフェの菅又シェフのケーキ食べ納め。
やっぱりすごいです。
菅又シェフの作るケーキは、出身のパティスリーからは考えられないほど、納得できる味の構成を組み立ててきますよね。「こんなケーキを作ったらみんなびっくりするんじゃないかなー」というのではなくて、「こんなケーキを作ったらきっと美味しいだろうなー」というコンセプト。
そして、手間のかかる仕事を丁寧に丁寧に作りこんでる。
これはシェフと、シェフが育てたスタッフの力量の賜物でしょう。
そういえば、ケーキ袋に、紙が2枚入ってました。
1枚はクリスマスケーキの予約の紙。
もう1枚は、菅又シェフのご挨拶文。
菅又シェフ、当然新しい店を近いうちに出すのでしょうが、しばしのお別れ。
続報を期待して待ちたいと思います。