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青葉台ピュイサンス→アン・プチ・パケへのツアーはとんでもないアドベンチャーでした!

アン・プチ・パケの及川シェフが名誉あるルレ・デセールの新たな会員になったというニュース、自分は当然のことだと思いましたね。
だって、及川シェフの作るケーキは超一流だと思うし、アン・プチ・パケは名店ですよ控えめに言っても。
自分が食べログ批判で独自に作成した首都圏ケーキベスト20の記事は、このルレ・デセールのニュースの前でしたが、アン・プチ・パケは神奈川県No.1のお店にランク付けして、

名店中の名店と言って差し支えないです。

と書きました。
これは間違ってない、と思っていますし、ルレ・デセールの会員になったというのは、同業者はちゃんとわかっている、ということなのだと思います。


ただ・・・アン・プチ・パケはあまりにも遠い。
数年前にたまプラーザ駅前に支店ができて、これで少しは買いやすくなった!と思ったらすぐ閉店してしまったらしいですし・・・。
だけど、このロケーションを選んだのは及川シェフの哲学だと思うので、それを尊重します。
それに、自分が昔鎌倉から延々電車乗り継いで江田駅へ行った頃からはずいぶん行きやすくなりました。
永田町から半蔵門線直通で行かれますからね。家からは乗り換え1回だ。


そして、遠いといえばもう1軒、ピュイサンスも。
ピュイサンス、青葉台からバスに乗ってガタゴト行かないとたどり着けない。
ピュイサンスも行きたい店なんだけどなー・・・


と、ここで、ふと思ったのです。
ピュイサンスとアン・プチ・パケ、意外と距離近いんじゃ?
どっちも青葉台周辺だし。
あれ?あれ?これはもしかして?
・・・と、グーグル路線案内にお伺いたててみたら、こんな答えが。

頑張れば徒歩で行かれるよ、とのお答え。
じゃあ、行ってみる?このグーグル先生地図片手に。
ということで、不安だらけの大冒険、スタートです!


まずは半蔵門線→田園都市線直通で、青葉台駅。

やっぱりちょっと遠かったかなー。急行で30分ぐらい。
青葉台駅出て北口へ行くと、バスターミナルになってます。
その一番近い1番乗り場、藤が丘駅行きへ。
と、バスがちょうど出るとこでした。

あわてて乗り込んで、出発!
目指すは「みたけ台中学校入口」。
このバス、一軒家が建ち並ぶ新興住宅地をうねうねと走行していきます。
そして、途中から「フリー走行区間」というのがスタートして、このフリー走行区間は、バス停がなくてもブザー押せばバス止まっておろしてくれるという。
そんなシステムあるんだ。初めて体験しました。
実際に、バス停のないところでブザー押してバスおりてる人、何人かいました。
すげー。
そうこうしているうちに、目的地の「みたけ台中学校入口」へ。
ブザー押して、下車しました。

そこから歩くこと30秒、可愛らしい一軒家が。

ピュイサンスです。
外からはパティスリーとはわからないかも。つましい外観です。
でも、ドア開けて店内に入ると、たちまちフランスの菓子店のおもむきが満開。
生ケーキ、焼き菓子、パン、チョコ、それにアイスまで!
店の大きさは小さいですが、井上シェフの出身のオーボンヴュータンそのまんまの空気。
ミニチュア・オーボンです。
ケーキも、美しい榛色のケーキがたくさん並んでいました。
その中から、ケーキ3個と焼き菓子1個を、イートインで。
こんなに小さいお店ですが、イートインは3席ほどあって、自家製アイスも食べられるようになっている。
ケーキ、運ばれてきました!


まずは、焼き菓子のフィユテフランボワーズから。

源氏パイみたいな外観ですね。
中にはラズベリーのジャムが。

このパイ、サクサクでもザクザクでもなく、カリッコリとした食感。
名前からしてパート・フィユテだと思うんだけど、こんなにカリカリしてるのはあまり経験ない。さすが焼きが半端ないです。


ミルフィーユ。

上にラズベリー飾ってあるのと、クリームの中にもラズベリー入ってる。
パイの表面は軽くキャラメリゼしてある。
このミルフィーユは、目が覚める美味しさ!
パイのキャラメリゼの食感の楽しさもあるし、やっぱりガッチリ焼いてあって香ばしさが素晴らしい。
そして、カスタードクリーム(クレーム・パティシエール)が異常に美味しい!なんだこれ。
バニラ以外に、隠し味にお酒とか使ってるんじゃないかな。とても芳醇な味わい。
これは、すごくすごく美味しいミルフィーユです。師匠のオーボンヴュータンのミルフィーユと食べ比べてみたい!オーボンのミルフィーユは振られ続けてるけど・・・


タルトタタン。

茶色くてツヤツヤしてます。
これも美味しいなあ。
りんごがしっかり酸っぱいけど、酸味キツイというほどではなくて、程よい酸味と、程よい甘さと、程よい苦味がきれいにバランスとれてる。
個人的にはもう少し甘苦いぐらいのが好きだけど、この絶妙なバランスにはまいりました。素晴らしいタルトタタンです。


最後に、店名を冠したケーキ「ピュイサンス」。

こんな茶色い、言ってみれば地味なケーキに店名を冠しているあたりに、シェフのケーキに対する考えが表れていると思います。
切ってみます。

中央のあんこみたいのは、キャラメルのガナッシュ。
その周囲はヘーゼルナッツの焼きメレンゲとバタークリーム、たっぷりのナッツ。
この焼きメレンゲが、また、ガリガリ・ザクザクの焼き加減。
それに砕いたナッツが合わさって、口の中切れるんじゃ?と思うほど、ハードな味わい。
すごいとしか言えない。この「香ばしさ」に対する執念が伝わってくる。


ピュイサンスのケーキ、どれも「徹底的に焼くこと」への情熱と、フランス菓子への尊敬の念が伝わってきました。
なかでもミルフィーユ!美味しかったなー。



さて、ピュイサンスを出て、これからいよいよアン・プチ・パケへ歩いて向かいますよ。
愛用のKindle Fire HDに地図をダウンロードしてあるので、それを見ながらテクテクと。
Kindle Fire HD、明るい太陽の下でも比較的画面見やすいのが助かる。
歩きながら、途中チェックポイントになる所で写真をパシャッと。










・・・いかに何にもない道を延々歩いたかがお分かりいただければ。
そして、なんとか無事に「大場町入口」までたどり着きました。
ここまでは地図通り。
そこから更に歩きます。

・・・すると、地図にないY字路が。

あれれ?
更に進むと、全く地図にない五叉路が。

あれれれ??
まあ、とにかく進みましょう。
ということで、テクテク。テクテク。テクテク。
・・・道に迷いました。


もう、こうなると地図は役に立たないので、あとは直感頼りに。
テクテク。テクテク。テクテク。
歩きながら、思いました。
これはもう、だめかもわからんね。
そう、方向音痴の人の特徴として、「ありもしない直感に頼る」というのがあるのです。
まさに自分がそれ。
やらかしてしまったらしい。
ああ、大冒険の結末は・・・


・・・と、郵便局を発見。

もう、ここで道訊かないと、どうにもならない。
ということで、窓口のお姉さんにたずねました。
「ここはどこですか?」
そして、Kindle Fire HDを差し出すと、お姉さんとても優しくて、
「アン・プチ・パケに行くなら、こっちだよ。」と。
その指さした方向は、今自分が延々歩いてきた道。
つまり、自分はアン・プチ・パケからどんどん遠ざかってたのでした。
おそるべし、自分の直感!
家に帰ってきてから、要所要所で撮影した写真を元に自分が歩いた道を検索したら、

なんともはや。ひたすらアン・プチ・パケから離脱していたとは。
というか、大場町入口からすぐの分岐で間違えてたのですね。
はううううう・・・


そんなこんなで、予定より大幅に遅れてアン・プチ・パケ到着。

アン・プチ・パケ、やっぱり素敵な店。
ケーキもどれも美味しそう!
その中から3つをチョイス。


お会計する時、レジのところにルレ・デセールの会報誌が置いてあって、
チャリティーに寄付するとタダでくれるんだとか。
うわー!嬉しい。
ケーキ買ったお釣り寄付して、1部もらってきました。
こんな美しい雑誌です。

特集はヘーゼルナッツ。
ヘーゼルナッツを使ったケーキのレシピが、フランス語と英語の併記で書かれていました。


アン・プチ・パケから江田駅までは、何度も来てる道なので、さすがに迷わずに到着。
そこから田園都市線→半蔵門線経由で帰ってきました。


アン・プチ・パケのケーキ、最初はモンブランから。

アン・プチ・パケのモンブランは、地元神奈川の栗を使っているんだとか。
断面図。

このモンブランすごくて、表面のマロンペーストから生クリーム、そしてもう一段栗の層がある。
表面の栗は洋栗らしいこってりとしたもの、そして中の栗は甘さ控えめのほっくりした和栗の味わいの生きたもの。
モンブランで洋栗と和栗合わせたのもいくつか食べたけど、美味しい!と思ったのは初めて。
下の台は焼きメレンゲ。この焼きメレンゲはサクサクではなくてあえてねっちりした食感に仕上げてる。
いやー、このモンブランはすごい。すごいです。今年食べたモンブランの中ではいちばんの驚き。
さすがです・・・


人気商品、ARIA。

これは、ミルクチョコとヘーゼルナッツのケーキなんだけど、もうちょっと複雑で、いちばん下にはシナモンの香りとラムレーズンをいれたケーキ。そして、隠し味的に薄くレモンの層がある。
食べた瞬間には、レモンの酸味、うっすらと酸っぱいので、最初チョコの酸味かとも思った。チョコって加工次第では酸味がたつこともあるじゃないですか。あれかと思った。
つまり、チョコとレモンの味が一体化しているのです。酸味の配合が絶妙。ヘーゼルナッツのムースは軽めで、下のスパイシーなスポンジは重厚。
かなり複雑な計算のもとに作られたケーキ。なんだけど、これみよがしなところがない。さらりとやってのけている。
自分は及川シェフって魔術使いか手品師なんじゃないか?と思うことがある。
想像を超えるようなことをあっさりと、当然のようにやってのける。
だからこっちも、すごさに気づかずに、あっけにとられるばかりで。
スイーツ・ウィザードじゃないかな、と。
その最たるものが店名を冠したケーキ「アン・プチ・パケ」なのですが。


フォレノワール。

このフォレノワール、ちょっとすごくて、ケーキ箱のフォレノワールがあった箇所。

染みだしたシロップで箱がべしょべしょに。
これ、ヘタしたら底抜けるんじゃ?
あぶないあぶない。
・・・というぐらい、シロップたっぷりのフォレノワール。
底の部分。

びちゃびちゃです。
このフォレノワールも、めちゃめちゃ美味しい!
自分はフォレノワール大好きで、目につくと買うことが多いのですが、
ダメフォレノワール、けっこう多い。
1.フォレノワールはチェリーがたっぷり入っているべし!
2.フォレノワールはキルシュがたっぷり効いているべし!
3.フォレノワールはチョコクリームが濃厚であるべし!
4.フォレノワールはふんわりとした食感を保つべし!
アン・プチ・パケのフォレノワールは、全ての点から理想的なフォレノワール。
さすがです。うなります。



ということで、ピュイサンス→アン・プチ・パケの旅、途中かなり大回りしたものの、なんとか無事完遂できました。
結論から言うと、この旅、激しくおすすめしません!
理論上は可能ですが、実際やるのは大変過ぎる。
なんにもない国道を延々歩いて、その後は住宅街の中をウロウロして。
それでもやってみたいという人がいれば、まあいないと思うけど、もしいるなら、写真と地図参考にしてみてください。
自分はもう懲り懲りです。アン・プチ・パケはポイントカードもらったし、また行くけど、おとなしく江田駅から行くようにしますし、ピュイサンスは青葉台から往復するようにします。