最近は自分のケーキ放浪記にもコメントを下さる方が増えてきて、本当に嬉しい。
そして、そのコメントを読むと、自分ほんとに何にも知らないんだなーといつも思うのです。
みんな詳しい!
そんなありがたいコメントを下さった「みるこ」さんがプッシュしていたのが、白金高輪の「パッション・ドゥ・ローズ」。
こちらのコメントをぜひ読んでみてください。
id:ozasatoさんからも推薦をもらって、これはもう行くしかないと。
同じくコメントをいただいた「しの」さんからの情報で、8月30日がイベントデーとのことだったので、決行日はこの日と決めました。
そして当日。
四ツ谷から南北線でスッタカターと白金高輪へ。
4番出口から外に出て歩くこと約1分。1分もないかも。すぐのところに、お店がありました。
赤いファサードが目を引きます!
店内に入ると、かなり小さな店だということがわかりました。
ショーケースも決して大きくない。
でもそのショーケースにケーキがぎっちぎちに並んでる。数十種類はある。
パッション・ドゥ・ローズは月ごとにテーマを決めて新作ケーキを作るのですが、8月はラングドック、9月は(ボルドー?)とのこと。
それにしてもどのケーキも美しく美味しそう。
うわーーと思っていたら、厨房からシェフが登場。
田中貴士シェフ、噂通りすごくいい人。ショーケースに並んでいる9月新作のケーキ1点1点の解説をしてくれました。
そういう解説聞くと、全部欲しくなっちゃいますよね。
まんまと術中にハマった感がなきにしも。
でも、レギュラーメニューのスペシャリテも買いたいし・・・
あうー・・・と思いながら、絞りに絞って注文。
そしたら、「ケーキ7点でよろしいでしょうか?」
7点!多すぎるよそれ!
ということで、1点泣く泣くけずって6点にしてもらいました。
それでも6点!
大きめのケーキ箱を抱えて南北線でバビューンと帰ってきました。
とりあえず、シェフから聞いたのは、スペシャリテのオペラは常温で食べて欲しいということだったので、最後に食べることに。
あとは溶けそうなものから優先的に食べていきました。
最初は、いちばんやわらかそうだったこのケーキ。サンフロランタン。
サンフロランタン、調べてみたらフランスはブルゴーニュ地方の地名みたいですね。
あれ?ボルドー言ってたような気がするんだけど、聞き違い?あれれ?
ダクワーズにクレームムースリーヌ、チェリーのコンフィチュール。
上にはフォンダンかかってるのかな?
食べてみましたが、甘い!
バニラのクリームはいい香り。
チェリーのジャムはかなり酸っぱい。
美味しいです。うーん、でもなんか甘さがちょっと単調かなー・・・クラシカルというのとはちょっと違う、なんだろ、一本調子というか。
サントノーレ・フィグ・エ・ポルトルージュ。
これがサントノーレ!?
「これがサントノーレなんですか!?」とお店でシェフに聞いちゃいましたよ。
上に載ってる赤いのはシューに赤いクッキーをかぶせてるんですね。
一番下がパイじゃなくてサブレなのも珍しいような気が。
でも、フィグとポルト酒なんて、魅力的すぎるでしょう!
・・とワクワクしながら食べてみたのですが、
うーん、あんまりいちじくとポルト酒の味がしないぞーというか。
良くも悪くも食べやすい。普通に美味しいは美味しいんだけど、
「フィグ・エ・ポルトルージュ」という名前から過剰な期待をしていたのでちょっと肩透かし。
美味しいんだけどねー。
タルトマロン・エ・カシス。
実はマロン系のケーキは2種類あって、ひとつがこれ。もうひとつがいわゆるモンブランなんだけど「シャンティーヌ」という名前のこだわりのケーキ。
悩んだけど、今回はカシスのほうに。
断面。
うん、これは美味しい!
タルトがザクザクで、マロンクリームはぽってりしてて、カシスは酸っぱくて、生クリームがそれらを中和してて。
これは当たりです。美味しい。
以上の3つが、9月の新作ケーキ。ボルドーだったと思うんだけどブルゴーニュだったらごめんなさい。
そして、ここからが定番スペシャリテ。
まずは店名の一部を冠したケーキ「ローズ」。
バラです。君にバラバラです。
このケーキ、すごく薄い。
独特ですねー。
断面図。
ラズベリーのクリームとチョコレートのケーキ。
オーソドックス過ぎるほどオーソドックス。
ラズベリー酸っぱい。
ここのお店のベリーは全般にしっかり酸っぱいのは好感が持てる。もうちょっと野性味というか果実感が欲しいかなーとは思うけど。
ミルフィーユ。ミルフィーユは注文が入ってから組み立てるのです。
パイ生地ぶ厚い!
そして、上には粉糖でバラが。
素敵!
ここのミルフィーユは期待してました。
なんてったって料理通信の今月号にスペシャリテとして載ってましたからねー。
どんなだろう・・・・
!!
あれ?
パイ生地が、なんというか、パリパリサクサク!というより、シュワッシュワッという食感。
決してカスタードクリームを吸って湿気たわけではないのですが、水分が飛ばしきってないような感じがするのです。
これはまあ好みの問題もあるかなー。こちらのほうが食べやすいと思う人も多いかも。自分はパイは徹底的に焦げる直前まで焼くのが好きなので、もうあとちょっとオーブンの中にいて欲しかったかもパイくんたち。
カスタードクリームはとても美味しい。ぽってりバニラたっぷり。
そして最後、灼熱の自宅のダイニングですっかり柔らかくなったオペラです。
シェフ曰く、オペラはコーヒーにこだわっている、とのこと。
どーだろ・・・
と思いつつ食べてみたのですが、
美味しい!!
最後のオペラがいちばん美味しいです。
確かにびしゃびしゃのコーヒーシロップがすごくいい。チョコも濃厚でいいのですが、主役はコーヒーですねこれ。
あとバターがほのかに塩っぱいのもよい感じ。
自分普段オペラあんまり買わないのですが、これは事前に情報はいってたのが奏功しました。持つべきものは同好の士ですねー!
ということで、パッション・ドゥ・ローズのケーキ、6個食べました。
田中シェフは本当にいい人で、ケーキにかける情熱もとても素晴らしいと思う。
どのケーキにも愛とこだわりを感じます。
感じるんだけど・・・ちょっとそれが微妙にケーキに反映されていないように思える部分があったかなー・・・??なんかすごく惜しいぞ。
今回食べた中ではまずオペラ。それからタルトマロン・エ・カシスはとても美味しかったです。
個人的な感想なんですが、フランスの地方菓子にこだわるなら、もっと朴訥でいいと思うのです。今回ショーケースに並んでたケーキはどれもとても美しくて、親しみやすくて、食べやすい。でもそんなんじゃなくて、美しくもないし親しみやすくもないけど本当にフランスの地方で作られているケーキそのままでいいと思うのです。
多分今はシェフの頭のなかには作りたいケーキがいっぱいあって大変な状態なのだと思いますが、それが一巡して、たくさんの新作ケーキの中から淘汰された本当に美味しいケーキが並んだ段階が勝負どころなような気がします。
帰りにチラシもらったのですが、次回来店時にチラシ見せると焼き菓子1個サービスだとか。
焼き菓子、パンデピス美味しそうだったのだ。白金高輪はすぐ行かれるし、また行きます。今回買えなかったケーキもまだあるし。