今回の少年サンデーの大騒動。
サンデーも好きだし、ガッシュもすごく好きな漫画なので、ほんとに残念です。悲しい。
たしかに「ガッシュ」のファウード編は全く必要なかったし、あの部分を完全に割愛して、ゼオンとの確執を丁寧に描いてくれていたら・・・という思いはあります。でもまあ、あそこまで人気が出た以上は引き伸ばしは止むを得ないのかな・・とも思ってました。
サンデーも、最近は面白い作品が本当に少なくなった気がします。「ガッシュ」終了以降、「神のみぞ知るセカイ」開始までは読みたい作品がほとんどなかった。
それに、「ブリザードアクセル」の後半の失速は残念なんてものじゃなかったし、「じゃパン」の劣化も目を覆うほどだったし、「ハヤテ」は完全にオーバーワークだし、「アルバ」も「クロザクロ」も本当にもったいなかったし・・・。
自分は基本的に漫画は単行本派なのですが、週刊少年サンデーだけは毎号買ってます。もう20年ぐらい。
数年前にニューヨークに行った時も、ロックフェラーセンターそばの紀伊国屋で最新号入手しました。
そこまで意固地になっているのは、サンデーには恩義を感じているからなのです。
自分の妹は小さい時から漫画家志望で、猪突猛進、それ以外の道は考えていないぐらいの勢いでした。
妹の画力はなかなかなものだったのですが、手塚治虫信者だったこともあって、初期手塚作品のコロンとした描線に大きく影響を受けていました。それは、当時(80〜90年代)は異端だったことも事実。
それでもめげずに、いくつかの雑誌に投稿していたようなのですが、その妹の漫画をいちばん評価してくれたのがサンデーの編集部だったのです。
妹の投稿作はサンデーの「新人コミック大賞」の最終選考まで進みました。結局賞は取れなかったけれど、一応担当がつくことになって、本人も張り切っていました。
・・・ただ、残念なことに妹は完璧主義者で、「とりあえず下手でもどんどん作品を描いていく」ということよりも、ひとつの作品に執着する傾向がありました。それに完璧主義だけにものすごい遅筆。今だったら同人誌なんかで腕を磨くことが普通ですが、そういったグループにも一切属してなかったですね。
そんなこんなで、煮詰まっちゃったみたいです。自分は見守ることしかできませんでしたが・・・。
うちには今も、山のような下書き原稿やネームが残っています。結局妹は漫画家になることはできませんでしたが、彼女の才能を評価してくれた少年サンデーには今でも本当に感謝しています。
そういう経緯があるので、自分にとって今回の事件はとても残念すぎます。
妹についてくれた編集者の人はとても熱意があって親切に接してくれた、ということだったのですが、どこでこんな間違った方向に行ってしまったんだろう・・・。