現代アート作家、ヤノベケンジさん。自分はほんとに彼の作品が大好きです。先日訪れた横須賀美術館の杮落とし展でもその存在感は際立ってました。
彼の長年にわたる「トらやん」プロジェクトの集大成ともいえる絵本が刊行されていました。
- 作者: ヤノベケンジ
- 出版社/メーカー: 赤々舎
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: ハードカバー
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内容は、可愛いオッサンの「トらやん」と小さな太陽との出会いを描いたパートと、彼の作品製作風景をうつした写真のパートが交互に収録されています。
物語自体は単純な、子供が素直に楽しめるストーリーになっているのですが、大人にとっては、その無邪気な内容の背後にある(本編ではあえて語られない)核の問題、アーティストの眼前につきつけられた圧倒的な現実を思い知らされるのです。
横須賀の展覧会の時には
彼の作品は本当に子供っぽい、無邪気な発想に基づいていて、それがいかにもとってつけたような「子供が考えそうなこと」ではなくて本当にガキっぽい。
そして、そのガキのような無邪気さが、そのまま裏に潜む「問いかけ」の強靭さ、純度の高さにつながっているような気がするのです。
と書きましたが、この絵本を読んでも強く思うのは、やはりこれだけ過酷な現実と向き合い、それでも稚気を持ち続けられるのは強いなぁ・・と。
本の内容は↓の予告ムービーで大体の雰囲気が分かるかと思います。
http://www.yanobe.com/
http://www.akaaka.com/html/newpage.html?code=12#com_yanobe