世田谷文学館で開催中の「美内すずえとガラスの仮面展」。
http://setabun.jp/exhibition/garasunokamen/
そのなかの企画として、実際に劇団を立ち上げてガラスの仮面にちなんだ公演をうつ、というのがあって、どうなることやらと興味しんしんで観に行ってきました。
世田谷文学館は京王線・芦花公園駅近くにあって、正直芦花公園駅は始めて降りたったのですが、非常にこう、鄙びていて味のある町でした。
世田谷文学館への道にも人通りもまばらだったので、お客いるのかいな・・と思って建物の中に入ると、ものすごい混雑ぶり。びっくりしました。
結局、観客席は150席の椅子が満杯で、立ち見も100人近くでるという大賑わい。
客層は、女性8割男性2割といったところ。年齢層はかなり幅広い。
劇の内容は、劇団つきかげのメンバーが公演に向け「女海賊ビアンカ」(ガラスの仮面では北島マヤがひとりで演じた演目)を稽古しているところに月影先生がやって来て・・・というもの。
正直観るまではしょせん展覧会の関連企画だし、団員は一般公募だというし、まあ学芸会レベルかなー・・と若干あなどっていたので、予想外の面白さに驚きました。
脚本がとても見事で、劇団員の練習風景と「女海賊ビアンカ」の劇中劇との2重構造は「ガラスの仮面」全体の構造と同様。また、セリフの一つ一つもガラスの仮面の世界をきれいにすくい上げていて、なおかつひとつのお芝居としても笑いあり、感動ありととてもうまくまとまっていた。
なかでも月影先生のキャラクターは傑作で、原作における月影先生の「非常識とも思える演劇に対する厳しさと執念」をうまく笑いに転化していて、会場は大爆笑。
他の団員役のひとたちも、演技のレベルはとても高く、急ごしらえとは思えないくらい良くまとまってました。本当に素晴らしかったです。
劇終了後には美内すずえ先生のサイン会も行われていました。
展覧会そのものの内容もとても充実していて、ガラスの仮面第1話冒頭のシーンから紅天女試演までの数多くの名シーンを原画で追うコーナーや、北島マヤの部屋を再現したコーナーまであったり。
劇団つきかげの公演はあと1回、8/25にあります。「ガラスの仮面」好きの方にとっては、わざわざ行く価値があると思いますよ。