12/4までということで、なんとか行ってこられました。
http://www.abahouse.co.jp/ahi/gallery.html
蜷川実花さんの写真については、正直これまでは熱烈に支持、というわけではありませんでした。
強烈なコントラストによる鮮やかな花や魚や風景の写真をアクリルパネルにして展示する手法は個性的だし、なにしろきれいだし、可愛いし・・・好きになる要素満載なのですが。だけど、なんだろう、これまでの写真は、どれを見ても「ああ、蜷川実花さんね、きれいだね」で、その先の、心をぐっとつかまされる部分が(自分にとっては)イマイチ食い足りないような気がしてました。
なので、今回の展覧会の案内の写真を見て、「お!」と思ったのです。
真っ青な画面に、おぼろげな人々のシルエット。なんとも言えず不穏な空気。だけど美しい。
もしかしたらもしかしたら、これはジャイアント・ステップ登ったか?
・・と、かなり期待してました。
で、観てきたのですが、びっくりするほどの「大化け」とまではいかないものの、これまでの作品に比べてずっと素晴らしい作品がたくさんありました。
一番心に残ったのが、花びらの色があせた、泥のついたバラの写真。
これまでの極彩色とは正反対の淡くてはかなげな色あいで写しだされた、みすぼらしい花。
だけどこれが見事に美しい写真に昇華されていて。
蜷川さんの写真でこんなに心動かされたのは初めてです。
何枚かあったコニーアイランドの遊園地の光景も、カラフルだけど、どこか寂しげで、自分の記憶の中にある風景を見ているような気持ちになる。
一番最後に展示してあったのは、突き抜けるような青い空の下、楽しそうに歩く子供たち・・・を映した水溜りの写真。普通にそのままの景色を映せば間違いなくきれいだろうに、あえて水溜りを写す。
とても深い余韻を残す写真になっていました。
オリジナル作品は無理でも今回は作品集は買おうと思ったのですが、
この作品集はちょっといただけない。
これまでの蜷川作品の写真集は印刷に気を配ったものが多かったのですが、今回のは1枚の写真が見開き2ページで展開していて、しかも束が厚くて、背中の糊が弱いらしく、展示してあった見本はどれもページがバラバラに・・・

- 作者: 蜷川実花
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/18
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (11件) を見る