アンケートをとってみました。
question:1122792506(〜30代)
question:1122792629(40代〜)
結果と作品解説(自分もそんなに詳しくないので調べた範囲内で)
- 「正チャンの冒険」樺島勝一 1923〜東京朝日新聞 「正ちゃん帽」(ポンポンのついたニット帽)の語源にもなった大ヒット作。
- 作者: 織田小星,樺島勝一
- 出版社/メーカー: 小学館クリエイティブ
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
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- 「ノンキナトウサン」麻生豊 1923〜報知新聞 日本の新聞連載四コマ漫画の始まり。庶民・大衆の共感を呼んで「のんとう」と愛称された
- 「蛸の八ちゃん」田河水泡 1931〜 「のらくろ」作者のもうひとつの代表作。「のらくろ」が陸軍だったのに対して海軍をモチーフとする。
- 作者: 田河水泡
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1985/05
- メディア: 文庫
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- 「冒険ダン吉」島田啓三 1933〜少年倶楽部 遭難して南方の島に流れついた少年ダン吉が機知と才覚で原住民の王になる話。当時の少年たちは熱中したが復刊は難しいか?
冒険ダン吉 (少年倶楽部文庫) (文庫版) 全4巻 完結セット [コミックセット]
- 作者: 島田啓三
- 出版社/メーカー: 講談社
- メディア: コミック
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- 「ヤネウラ3ちゃん」南部正太郎 1946〜大阪新聞 戦後直後の世相をリアルに描いた名作。評価のわりに知名度が低いのは関西の地方新聞連載ゆえ?
- 「ふしぎな国のプッチャー」横井福次郎 1946〜 日本初の本格SF漫画。手塚治虫に多大な影響を与えた。(手塚の「アトム大使」は1951〜)
- 「轟先生」秋好馨 1949〜読売新聞 元は戦前の雑誌「漫画」の人気作。1947年に古川緑波主演で映画化もされている。
- 「いじわるじいさん」ボブ・バトル 1954〜 「大人のための漫画」を標榜した雑誌「漫画読本」(文春)の看板漫画。
「漫画読本」傑作選―劇画よ、さらば!帰ってきた’60年代の爆笑 (文春文庫―ビジュアル版)
- 作者: 文芸春秋
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1989/01
- メディア: 文庫
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- 「少年児雷也」杉浦茂 1956〜 独特の奇妙なポーズやネーミングセンスで知られ、パロディにもよく取り上げられる杉浦茂の代表作。
- 作者: 杉浦茂
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2003/03
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- 「スポーツマン金太郎」寺田ヒロオ 1959〜 「トキワ荘」一派のリーダー的存在だった寺田ヒロオのヒット作。
- 作者: 寺田ヒロオ
- 出版社/メーカー: 草の根出版会
- 発売日: 1989/08
- メディア: 単行本
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今回のアンケートでは便宜上40歳未満の層と40歳以上の層の2つに分けたのですが、ひとつでも作品を知っている割合は若年層で44%、年長層で61%でした。
このラインナップで若い人の4割以上がどれかを知っているというのは健闘だと思いますが、年長者の約4割が「ひとつも知っている作品はない」としているのは意外でした。「轟先生」なんかは1960年ぐらいまで続いた人気作なので少し上の層には「サザエさん」なみの知名度があると思っていたのですが。
あとは、若い人は知っている作品とそうでない作品がはっきり分かれたのですが、年長層では20%前後の知名度で横並びの作品が多かったようです。
このアンケートで何がどうこうというわけではないんですが、ぼんやりと考えているのは、日本の「漫画の歴史」は2つのルートがあって、1つは「カルチャー(文化)」としてのルート、もう1つは「サブカルチャー(副・文化)としてのルートで、前者は
「鳥獣戯画」→「北斎漫画」→ポンチ絵(岡本一平)→新聞連載4コマ/1コマ漫画、あるいは「漫画読本」・・・と続く道であり、後者は
手塚治虫「新宝島」がスタート地点で、→トキワ荘→貸本漫画→劇画→おたく→・・・と続く道。
「大人が読む『文化風俗』としての漫画」と「子供が読む『メディア』としての漫画」というふうに言ってもいいかも。
日本の漫画を語る上では、前者だけについて語ったもの、後者だけを扱ったもの、両方を並列に扱ったもの、錯綜しているもの、といろいろありますが、個人的にはこの2つのルートを同列に語るのは混乱の元になるような気がしています。また、その2つの道の隘路に挟まってしまっている作品もけっこうあったりして、今回のアンケート以外にも「漫画を語る上で頻出なんだけど実際はほとんど誰も知らない」作品や「大ヒット作なんだど漫画評論では無視されている」作品はけっこうあって*1、そこらへんはもっときちんと掬い上げて紹介されないと・・・と半可通の自分は思ったりします。
*1:まあ「評論」につきものの現象と言えばそれまでなんですが