なんだかまた叩かれてますねぇ、村上隆さん。
この状況で擁護発言なんかしようものなら、一斉攻撃くいそうな予感(あるいは冷笑か)だけど、
自分は基本的に村上隆好きです。と立場表明。
前にもこんな文も書きましたし。
上記の文章にもう少し補足すると、「悪意」のもつ嫌悪感を基にした作家は多いけど、彼の作品のテーマは最初から一貫してポップカルチャーが本質的に含有する「偽善」の持つ嫌悪感をベースにしている。
なかでも、極端にいびつであるにもかかわらず、日常的に消費される「日本のポップカルチャー」に照準を据えて。
それが、「加勢大周宇Z」では失敗し、「Hiropon」では成功した。
ということではなかろうかと。
だから、嫌悪感をもたれるのはまあ計画通りなんだろうな。
彼にとって「おたく文化」は、単なる金づるというよりは、
日本のカルチャーの「歪み」を端的に表現できるテーマという意味合いの方が
大きいように思う。
彼にしてみれば、ダッコちゃん→ランドセル→B級タレント→・・・と
模索しつづけて、やっと見つけた金脈といったところでしょう。
海外で村上作品が売れるのは、日本の「おたく文化」が彼らにとって
エキゾチックだから。要は浮世絵と同じ、自分たちの文化圏にない
表現に新鮮さを感じた、という部分がほとんどでしょう。
村上作品は、そのエキゾチカとしてのおたく文化を、そのいびつさや
偽善的な面も含めて、非常に分かりやすい形で抽出・提出できたことが
評価されたのだと思っています。
彼にとって「おたく」は手段であって彼自身がおたくではないし、
おたくを賛美しているわけでもない。
そのあたりが、おたく界隈の人から必要以上に叩かれる原因なのでしょう。
ただ、個人的にはおたく文化の偽善を晒すことでもたらされる嫌悪感もいいんだけど、
ちょっと弱い。
(何度も何度も申し訳ないんだけど)チャップマン兄弟*1や、
Maurizio Cattelanみたいな、世界的なスキャンダルに発展するような
すさまじい嫌悪感までは至ってない。
会田誠すら受け入れてしまう許容の国・日本でここまで嫌われるのは
かなりすごいことだけど、まだまだ甘い。
もっともっと嫌われろ、村上隆。