「やす・きよ」がそれまでの漫才のスタイルを一変させて
しまったのと同様、夫婦漫才のスタイルに革命を起こしたのが
「大助・花子」だと思っています。
それまでの、人生幸朗・幸子にしろ、春日三球・照代にしろ、
夫婦漫才の多くが、夫のボケが中心で、女房が相槌を打ちながら
適当なところで「馬鹿だね〜あんたは」とか、「なにを言ってる
んだろうね〜この人は」とかツッコむ、というのが基本的な
スタイルだったように思うのですが、大助・花子の場合は、
「ツッコミがしゃべり倒す」という、特異な形になっています。
それは、やはり宮川花子の類まれな才能に負うものが大きいと
思いますが、彼ら以降、夫婦漫才はベテランを除いて、
大助・花子スタイルが主流となっているような気がします。
ただ、この「大助・花子スタイル」は、ツッコミ役の女房が
夫を罵倒すると言う形だけに、ボケ・ツッコミ、共に話術の
才能とキャラクターとしての魅力が必要で、それ以上に、
絶対の信頼関係が築かれていないと駄目なような気がします。
ともすると、単なる夫婦喧嘩の現場を見させられているような、
嫌味な舞台になってしまう可能性も有り、非常に難しい形だと
思うのですが。
ミス・ハワイのような不世出の芸人さんはともかくとして、
そろそろ新しい形の夫婦漫才が出てくれば面白いですね。