Nyao's Funtime!!

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おこもり中でも美味しいケーキ食べたい人は・・紹介記事書きました。


吉祥寺お久しぶりケーキツアー!

そろそろアテスウェイに行かなきゃな。
というのは、前から思っていて。

アテスウェイ、前回行ったのは、もう4年前になるんですね。
www.nyao.club
この時は吉祥寺ロフトの前のベンチで食べたのですが、
その時の印象、今記事読み返すと、「89点感」って書いてありますねー。
でも、その後思い返すと、70点ぐらいだったかも。
これは、正直ショックでしたねー。
自分は、アテスウェイを首都圏の中でも特筆すべきパティスリーとして位置づけていて、
「本当に美味しいケーキベスト20」でも上位にランクインさせていたぐらい好きなお店だったのですが、
それが「そこそこ美味しい店」になってしまったのが、すごくモヤモヤと悲しさがあって。


それで、それ以来ちょっと足が遠のいてしまったのですが、
そうしている間に、アテスウェイはお店の建て替えや、アイスとチョコのお店を隣に作ったり、
かなり大きく変貌を遂げていて。
特に、改装については「back to basic」をコンセプトに掲げている、ということもあり、
ケーキの種類も変わった、という話を聞いていて。
行かなきゃなー・・でもなー・・
というのが続いていたのですが、今回、ようやく重い腰を上げることにして。
9月に入って栗の季節もスタートしたし、アテスウェイで人気のモンブランも食べようかなーというのもあって。


本当は昨日行こうとして早起きしたのですが、ちょっと調子が悪くて、
今日仕切り直しで気合い入れて行くことにしました。
気合を入れて、家を9時前に出ました。


そしたら、行く途中に念のためにと思ってアテスウェイの公式サイトみたら、
開店11時でした。10時と勝手に思い込んでた。
あらま。もう家出ちゃったよ。
どうしよう・・・
じゃあ、AKラボにも行こう!
AKラボも久しく行ってないし!


ということで、吉祥寺。
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吉祥寺からテクテク歩くこと約15分。
ほぼ10時ジャストにAKラボに着きました。
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AKラボも移転以来はじめてなんですよね。


AKラボ、最近はフランス全土の郷土菓子を発掘したり、パフェを提供したり、
かなり個性の強いお店になっています。
久しぶりにお店入ったら、焼きっぱなしタルトや焼き菓子、生ケーキと、バラエティに富んだお菓子がズラッと並んでいます。
季節のパフェはいちじく。
いいですねー。
じゃあ、パフェとケーキ、両方いただきます。

ということで、持ってきてもらいました。
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おおー!壮観ですねー


AKラボの、いちじくのパフェ。
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このくしゃくしゃしたのは、小麦粉を細く焼いたものだそう。
このいちじくのパフェ、生のいちじくがたくさん載っていて、まずはそれを食べますよね。
いちじく、美味しい!秋を感じさせますねー。でも、いちじくだから甘ーい!というものではなく、繊細な味と香り。
それをある程度食べると、次にカシスのアイスとキャラメルアイスにたどり着く。
そして、その下には琥珀色のジュレ(お茶?)と、フィヤンティーヌ、パールクラッカンなどなど。
とっても盛りだくさんなパフェです!
甘さはやや控えめで、いちじくが生きてました。
美味しかった!


パフェを食べ終わってから、ケーキいきます!
まずは、これ、意外だった「なしのタルト」!
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これ、最初見た時絶対ぶどうだと思ったら、和梨なんです!
ピンクに色付けしてあるんですね。

和栗はよくあるけど、和梨はどうだろ・・と思いつつ食べたのですが、
和梨って、究極に甘さが繊細なんですね。
いちじくも繊細だし、さくらんぼも繊細だけど、和梨の繊細さはぶっちぎりかも。
すごく熟れて美味しい梨なのですが、ケーキにするには甘さが薄すぎる。
だから、ナパージュで甘さを補強しているんですね。このあたり、考えられている。
タルトはしっかりと焼かれて香ばしくて、自分はすごく好きなのですが、これに限って言うと、もうちょっと個性を抑えても良かったかも。なにせ梨がごくごく繊細なので。
でも、美味しいタルトになっていました!


次に、ヌガーヌガーを。
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このケーキは、上部がヌガーのムース、下がアーモンド感のあるスポンジに、ラズベリーのジュレ。
これ、ヌガーの部分ももちろん美味しいのですが、意外にもスポンジ部分が特に美味しい。
ヌガーのムースはほんわかした甘さ、ラズベリーもそこまで酸っぱくないので、香りの良いスポンジの美味しさが際立つ。
面白いですねー。
こういうヌガーのケーキも、好きですね。生地が美味しいケーキはみんな好き。


そして、最後にサバランを。
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フォークで切った跡。
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このサバランも、生地が独特。
普通のババ生地とは違う食感ですね。みしっとしていて、ほんのり塩気も感じる。
この生地部分が、やっぱりすごく美味しい。
シロップは、量は少なめ、やや甘くて、ベースはノンアルコールだと思う。
そこに、スポイトのラム酒を足すことで、本格的なサバランになる。
これも生地が美味しくて嬉しい。


そんなわけでAKラボのケーキ、やっぱりベースとなる生地の部分の美味しさが特徴だねー
・・と思いつつ、今度は成蹊学園前のバス停から吉祥寺へバスで戻り、
そのまますぐに別のバスに乗って東京女子大前へ。
今回のケーキツアーの主目的である、アテスウェイ、久々に来ました!
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アテスウェイ、以前はきれいなスカイブルーがイメージカラーだったのですが、
今は真っ白なんですね。
店内もピカピカ。
長いショーケースには、アントルメが、何台あったろう・・・7~8台ぐらいあったような。
そして、プチガトーも、かなりの種類並んでいました。
が、イマイチ心惹かれる見かけのケーキが少なくて。
かなり熟考しました。

古典回帰、ということで、オペラなど、クラシカルなケーキも何種類か並んでいて、
このあたりが改装の効果、ということなのでしょう。
でも、やっぱり昔のアテスウェイにあったスペシャリテは全くなく。
あと、モンブランもなく。
モンブラン、聞いたら14日からだって。
うう・・・情報収集不足を露呈。
ともあれ、ケーキ6個購入しました。


ケーキを買って、隣にあるグラス&ショコラのお店へ。
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アイス、10種類以上あったかな。かなり種類は豊富。
自分は2種類をオーダー。2種類は800円です。
自分が注文したのは、「ポワール」と「リチフランボワーズ」の2種類。
2種類でもコーンに載るということで、コーンに。
こちらが、そのアイスです!
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ポワールは、洋梨の香りがしっかり。食感はねっちょり。ちょっとセブンイレブンで売ってる「まるで○○のようなアイス」を想起させる、香り、甘さ、ねっちょり感、それぞれ強めの味。
もちろんセブンイレブンのアイスよりは全然美味しいけど。
リチフランボワーズは、ライチの香りしっかりだし、ラズベリーの酸味もしっかりで、これはかなり美味しい。
それはいいのですが、食べている間に、手の体温で、コーンの内側に塗ってあるチョコレートが溶け出して、手にもつくし、ズボンにも垂れるし、大騒ぎに。
あのチョコは、なんの意味があったのだろう・・・コンビニアイスのコーンにチョコが塗ってあるのは、長期保存でもコーンが湿気ないように、というのはわかるのですが、長期保存しないお店では必要なくないか?
まあいいんですけど・・・


アイスを食べてから、バスと電車を乗り継いで、家に帰ってきました。
今日はやや残暑な暑さだったので、しっかり冷蔵庫でケーキ冷やして。
万全の態勢でアテスウェイケーキ、食べますよ!


紅茶を淹れて、いざ!
まずは、パリブレスト・オ・シトロン。
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なんでこのケーキが最初かというと、このケーキ、箱の中でシューが華麗に転倒していて。
救出がてら、最初に食べることになったのです。
このパリブレスト、上にプラリネクリームを絞り、シューの中にレモンクリームを詰めるという、かなり変則的なパリブレスト。
切ってみると、こんな感じ。
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そして、このプチシューが、下のサブレにクリームで接着してあるのですが、これが接着力弱いので、転倒してしまったというわけ。
で、この変形パリブレストですが、プラリネクリームは香ばしくて好印象。
プチシューの中のレモンクリームもキュンと軽やかな酸味で、美味しいです。
下のサブレは、味的にはあんまり貢献してなくて、土台以上の役割がないのが、ちょっとアレだけど、
パリブレストか?という疑問もありつつ、味は美味しかったです。


次に、タルト・コンポテ・アブリコ・ポワール。
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こういうシンプルなケーキこそ、実力が出ますよねー!
で、食べてみたのですが・・
あんずと洋梨のコンポート部分は、かなり美味しい。甘酸っぱくて、フルーツの美味しさが強く感じられる。
それに対して、タルトは・・というと、端っこの部分はカリッとしているのですが、中にあるクレームダマンド?なのか?存在感がまるでないのですが。
自分、何度も何度も書いているように、フルーツタルトは生地が主役!ということから考えると、せっかくフルーツ部分がすごく美味しいのに、タルトがちょっと残念なのは、すごく惜しい。
まずい!ということでは全然ないのですが、惜しいですねー。


次もフルーツタルト。タルト・オ・フランボワーズです。
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これ、すごく可愛い!
これは期待できるんじゃないですか?
切ってみました。
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このタルトは、端然と並んだラズベリーのフレッシュな甘酸っぱさ、そして、トップに絞られたラズベリーのメレンゲのふわふわな甘さ、これだけでもう素晴らしく美味しい。
タルト部分は、断面の通りかなり焼きが浅いんだけど、ここではそこまで重さを求められてはいないと思うので、これはこれでありかな、という感じです。
バランスはとれているとおもいます。


そして、パブロバ。
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パブロバって、前に「フランツ&エヴァンス」で食べた気が・・あれってイギリス菓子?
と思って、調べてみたら、なんとニュージーランドのお菓子だそう!
これはビックリ。でも好きなお菓子なので、アテスウェイ流アレンジがどんなか楽しみですねー。
断面。
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これは、焼きメレンゲの器に、カスタードクリームとレモンクリームを詰めたケーキ。
この焼きメレンゲが、ほろほろほろ・・と崩れる。
儚い・・というか、ちょっと脆すぎないか?
焼きメレンゲ好きの自分としては、ちょっと物言いをつけますよ。
カスタードクリーム、レモンクリームも、一定のレベルはクリアしているけど、個性があんまり感じられなくて、
なんというか、味わいとして弱い。軽い食感のケーキでも強い印象のケーキはいくつもあるけど、このケーキは、食べたことを忘れてしまいそうな弱さなんですよね。
期待したケーキだけに、ちょっと・・・


気を取り直して、次にヌガー・フリュイ・デ・ボワを。
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これ、見かけ完全にピスタチオのケーキなのですが・・
切ってみました。
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切ってもやっぱりピスタチオ。
そして、食べてもやっぱりピスタチオ。
きいちごのジュレは酸味もしっかりで、ピスタチオを合っている・・とは思うものの、なんか色々納得いかないですね。
「ヌガー」は?中央のパンナコッタみたいなのがそうなのかな?卵白使ってるのか、わからないですが、
これも全体としてちょっと印象が弱いですね。
美味しいとは思いますが、なんというか、コレジャナイ感が。


最後、サントノーレヴァニーユを。
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これは、なかなか大きいサントノーレです。
断面。
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このサントノーレは、サントノーレの文法に則っている、飴がけシューとパイだし、バニラのクリームも濃厚にバニラが効いているし、かなり美味しいです。
今回食べたアテスウェイのケーキの中では、このサントノーレが一番好き。
こういうback to basicなら、いいですよね!


そいうことで、アテスウェイの超久々ケーキ。食べました。
今回食べた感想としては、前回の感想を裏打ちするものになったかな、と。
つまり、優等生的な美味しさはあるけど、かつての圧倒的な美味しさ、際立つ個性、力強い味わい、
というのは、もう感じられないし、お店としてもそれを追求はしていないのでしょう。
今回は、かなり腹をくくって食べたので、前回のようなショックはなかったですが、
やっぱりそうか・・・的な残念さはちょっと。


アテスウェイ・・・本当に好きなお店だったのですよ。
でも・・・しばらくは電車とバス乗り継いでまで行く必要はないかな・・
モンブラン食べてない心残りはありますが、いつか機会があれば、食べるかもしれませんが。