クリスマス前の日曜日、ケーキを買うのはどこにしようか?
かなり迷いました。
新規開拓をするか?
なじみのお店で限定ケーキがあるか見に行くか?
で、結局、悩んだ末に今回は新規オープン店に行くことに。
この秋~冬もたくさんのパティスリーがオープンしましたが、
自分としては期待大だったのが、清澄白河に開店した「アンヴデット」。
実は、ここのケーキは、ケーキショーで一個食べてるんですよね。
www.nyao.club
この時点ではまだ開店前だったのですが、オープンしたら行こうと思っていて。
そんなわけで、清澄白河へ行ってきました。
こちらがアンヴデットのお店になります。
アンヴデット、すごくいいお店!
ショーケースには色とりどりのケーキがズラッと並んでるし、パンもたくさん。
そしてヘキセンハウスも売ってました。
シュトーレンや焼き菓子も。
厨房も広いみたいだし、かなり幅広いアイテムがラインナップされている、本格的なパティスリーでした。
そんな、居並ぶケーキの中から悩んでいくつか購入。
アンヴデットのお店のそばには、「ブリオシュ+ジェラート」のお店「ブリジェラ」なんてのも。
今度機会があったら食べてみたいなー
ということで、アンヴデットのケーキを持って帰ろうとしたのですが、
清澄白河って、水天宮から1駅なんですね。
水天宮、寄ってくか。
水天宮駅前といえばオクシタニアル。
久しぶりに訪れました。
オクシタニアル、店内のショーケースを見ると、ケーキの種類がちょっと少ない。
クリスマス前だからか、日曜日だからか、わかりませんが、やや拍子抜け。
でも、それでも美味しそうなケーキもいくつかあったので、それらを購入。
今度こそ帰ってきました。
それでは、まずはアンヴデットのケーキからいただいてみます。
最初に、置いてあって嬉しかったムラングシャンティ。
断面図。
ここのムラングシャンティは、オーソドックスな中にも工夫がされていて、
焼きメレンゲはさっくさくで軽い食感、クリームはいい意味で乳臭くて甘さ控えめで、甘いメレンゲとよく合ってる。
特筆すべきは上に載っているキルシュ漬けのカシス。これがたった2粒なんだけど、ものすごく効いている。
メレンゲとクリームがやや重めの感触なのに対して、このカシスと砂糖がけのくるみが、飽きずに食べられる絶妙なアクセントになっている。
うーむ、ムラングシャンティも最近はここまでやるんですねー。感動。
次に、これも定番と言えるシブースト。シブースト・オ・ポムです。
断面。
このシブーストは、上がシブーストクリーム、タルトの中にはりんごとあんずのコンフィが。
シブーストクリームは、ちょっとバニラ効かせすぎなんじゃ?と思うほどこってりバニラ味。
そのこってり感に対して、下のコンフィはかなり酸味が強い。
なので、合わせて食べるとちょうどいいんですね。ダイナミックレンジが広い。
これも、シブーストだけだと食べ飽きやすいのを、うまく飽きずに食べられるように誘導しています。
工夫が素晴らしい。
モンブランはこんなでした。
このモンブランは、台がガトーバスク、そしてメレンゲはトップに載っている、レザネフォールに似た構成。
マロンクリームは適度に濃厚だけど、全体としてはかなり軽めの構成になっています。
大きさもやや小さめなので、若干の物足りなさも。
美味しいんですけどね。
次に、店名を冠したケーキ「アンヴデット」です。
かなり気合の入ったフォルムですねー。
切ってみます。
店名を冠しているだけあって、自信のケーキだと思われますが、果たして・・
!
これは、かなりすごいです!
とても複雑な味が飛び込んできました。
メインとなっているのはミルクチョコのムースとラムレーズン。
チョコとラムレーズンはよく合いますからね。すごく美味しい。
でも、その後に様々な味が加わってくる。
それはホワイトチョコだったり、プラリネだったり、フィナンシェっぽい生地だったり。
食感も複雑多岐にわたっていて、とろりとしたムース、サクサク・しっとり生地、ラムレーズンのくにゅっとした食感などなど・・・
でも、これだけ複雑な味と食感なのに、統一感が取れてるんですね。
それがすごい。
只者ではないケーキでした。
次に、これもスペシャリテらしい、ミステールです。
大胆なフォルムです。
断面。
このケーキは、ストーリー性を感じる美味しさ。
まず最初にライムのほのかな酸味が感じられて、次に全体を覆うチョコレートのほろ苦さが伝わって、最後にピリリと胡椒の辛さがくる。
実に計算が行き届いたケーキになっています。
これも、酸味→苦味→辛味と、複雑な味の展開を見せるのに、全体がバラバラになっていない。
一本の軸を持った物語が紡がれているんですね。
これも感服しました。
最後に、グラスを。ヴァンエピスです。
スプーンですくってみます・・・
このヴェリーヌも素晴らしいですね!
チョコレートの香り、スパイスの香り、ワイン漬けドライフルーツの香り・・・香りの三重奏。
かなり通好みかもしれません。スパイスもしっかり、ワインもしっかりなので、子供向きではない。
でも、大人ならこの美味しさがわかると思います。
特に冬に美味しいヴェリーヌですね。ヴェリーヌは夏のイメージ、を覆される、今の季節のヴェリーヌでした。
ということで、アンヴデットのケーキ、とても楽しみながら食べました。
森シェフの作り出すケーキは、ベースとなっている技量の高さを生かしながら、大胆な味の冒険を行っているものが多かった印象ですね。
そして、こうした凝ったケーキは、ともすれば、頭でっかちの食べにくい味になりがちなのですが、アンヴデットのケーキは、複雑な味わいでも軸がぶれてない。だから安心して冒険を楽しむことが出来る。
これはなかなかできることじゃないですよ。
アンヴデット、クオリティすごく高いです。
清澄白河はちょっと遠いけど、行く価値あるお店です。
そして、オクシタニアルのケーキも。
まずは、いちごのケーキ「フラゴラ」から。
かわいい!ちょっと毒々しいけど、それも含めてかわいい!
断面。
このケーキは、見かけを裏切らないというか、素直に美味しいいちごミルク味。
もちろんレベルは高いですが、子供が食べても素直に美味しいと感じられる味になっています。
次に、オーロラを。
断面。
断面、やっぱりすごいですねー。
オクシタニアルのケーキはほとんどが薄い円盤型をしているのですが、
このケーキも薄い中に何層も味を重ねていて、驚嘆ですよ。
で、このケーキの味は、ミルクチョコのムースがメインとなっています。
洋梨のジュレは、ある程度は感じられるのですが、やっぱり層が薄いだけに、ほのかに感じる程度。
まあ、一口で全体を味わえる、一体感のある味わいはこのお店ならではですね。
そして、ガトーコロンビエを。
このケーキ、中央にチョコ細工の鳩が載っているの、わかります?
ガトーコロンビエは、本来は春のケーキ。マルセイユ地方で食べられる、聖誕祭を祝うケーキで、鳩をモチーフにするのが一般的。
それが、なぜか冬の今、売っていました。
断面。
このコロンビエは、全体は杏仁豆腐のようなアーモンドの香りが。
舌触りもちょっとざらっとしている。
そのアーモンドに、あんずのジュレが酸味を加えている。
シンプルだけど美味しいケーキです。
でも、本来のコロンビエって、どんななんだろ。
コロンビエはまだ日本には定着してないから、よくわからないんですよねー。
オクシタニアルのケーキ、最後はモナコです。
これは、見かけからして「カジノ」の変形版ですね。
断面。
このケーキ、ベリーのジュレに、中はフロマージュブランのムース。
で、これが合わさると、なんとマヨネーズのような味になるんですね。
ちょっとクセがある。慣れればこれはこれで美味しいけど。
ということで、オクシタニアルのケーキも4つ食べました。
オクシタニアルのトレードマーク、円盤型のケーキについては、メリットとデメリット、両方あると思っていて、
今回のケーキも、両方が感じられましたね。
もうちょっと別のケーキも食べてみたかったけど・・・