Nyao's Funtime!!

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おこもり中でも美味しいケーキ食べたい人は・・紹介記事書きました。


ブロンディールの情熱の深さに感服する

秋・栗の季節。
でも、今年は出遅れ感がありありと。
やっぱり10日間の入院と、その後の食生活の制限は大きかった!
少しでも取り戻していかないとね・・

ということで、今日はブロンディールに行くことに。
ブロンディール、季節のモンブラン「モンブランセゾニエール」を販売しているとのことで。
栗巡礼、行ってきました。
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ブロンディール、今回はイートインで食べることに。
その理由はいろいろなのですが、追って説明します。

店内でケーキをチョイス、そしてカフェクレムを注文。
そうしたら、お父様がケーキを「味の薄い順番」に持ってきてくれて。
いやー、やっぱりここのホスピタリティは最高ですね!

最初に持ってきてもらったケーキがこちら。
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最初にシューアラクレームからいきますよ!
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ブロンディールのシュークリーム、食べるのは初めて。
ここのはシュー皮が店頭に山積みになっていて、注文を受けてからクリームを絞る販売形式。
だから、できるだけ早く食べないと。ということで、イートインにした理由の1つ。

ナイフでサクサクと切っていきます。
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カスタードクリームがオレンジ色になっています!

このシュークリーム、皮がやっぱりすごく美味しい。
ガリガリっと力強く焼かれた、厚みのあるシュー皮に、ちょうどいい濃厚さのカスタードが合わさって、小さいけれど強烈なインパクトを残すシュークリームになっています。
どちらかというと皮を味わうシュークリームですね。とても美味しい。


次に、待望のモンブランセゾニエールを。
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断面。
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これは・・・ブロンディールの通常のモンブランと全く違う。
通常のモンブランは洋栗のクリームに無糖の生クリーム、焼きメレンゲという構成ですが、こちらは和栗のクリーム、無糖の生クリーム、スポンジという構成。
これが、和栗のクリームも、スポンジも、甘さが極端に抑えられている。
にもかかわらず、それぞれの存在感がすごい。
千両役者は立っているだけで様になる、というけど、そんな感じ。淡い淡い味わいにも関わらず、全てのパーツが個性を発揮している。そして、それらが一体となって、幽玄な、でも間違いなくフランス菓子としての美味しさになっているんですよね。
これはすごいわ。自分は初めて食べたのですが、感動しました。


次に、モンテリマールを。
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このモンテリマールもめちゃめちゃ美味しいの!
ヌガー部分のナッツの香ばしさ、はちみつの優しい甘さ。
チョコレート部分の、濃すぎない親しみの持てる甘さ。
レモンのキュンとした酸味。
ふかっとしたスポンジの包容感。
それぞれが口の中でしっかり判別できる、個性が際立っているのにも関わらず、トータルとしての味わいの深さ。
洗練の極み。


その次に、レザンノワールカフェを。

このレザンノワールカフェ、実は2種類あって、上部にレーズンが並んでいるバージョンと、チョコのグラサージュになっているバージョンがある。
自分はレーズン山盛りバージョンをチョイス。
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断面。
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このレザンノワールカフェ、美味しい!美味しすぎる!
あまりの美味しさに、しばし陶然・・・
なんだこれ、ヤバイ。
レーズンが、たっぷりのラム酒を吸ってふっくらとしていて、それが濃密なねっとりしたシロップと合わさって、これだけで既に感動的に美味しいのですが、そこにコーヒーのバタークリームが合わさって、この組み合わせ、本当にクラクラするほど美味しい。
レーズンにバタークリームが合うのは、ミゼラブルやマルセイバターサンドなどをとってみても分かると思うけど、ここではレーズンが主役、バタークリームが補佐役という、通常ではありえない組み合わせ。
それが、最高に美味しい。レーズンに溺れる、そんな感じ。
これは、言葉が追いつかない。言葉にならん。
味を作り上げる手腕ももちろんすごいけど、これ、レーズンもバターも最上級のものを使っているのがよくわかる。
藤原シェフは「安い材料を使って美味しくするということはしない。最高の材料を使って、最高の味を作り上げる」と言っていますが、これはその最たる例。こんなにすごいケーキが、500円かそこらで買えるなんて、ちょっと信じがたい。


最後に、ジョリを。
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今回イートインにしたもう1つの理由がこれ。
このジョリ、テイクアウトにすると確実に上のボールが落下する、とのことなので、その場で食べなければ!ということで。
断面。
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このジョリ、味の薄い順に持ってきてもらった今回のケーキの中では最も濃厚なケーキ、ということになるのだけど、味の対比が鮮やか。
上のピンクのボールは、柔らかな甘さでミルキーないちごのムース。
下の土台は、チェリー入りの超濃厚アーモンドチョコ。
これ、上下のパーツを別々に食べてもいいし、一緒に口に運んでもいい。
軽めの上部と重めの下部の味のバランスを自分で調節できるんですね。
すごく考えられている、必然としてのこの形状なんですね。


ということで、自分的には初めてのケーキ、いっぱいいただきました。
でも、モンブランセゾニエールは以前から季節限定で販売していたとのことですし、モンテリマールもジョリも、これまで販売していたものをリニューアルしたもの、とのこと。
ブロンディールは、新作の数は少ないけれど、既存のケーキをブラッシュアップすることが多いのですね。
その情熱の深さに感服します。
そして、最高の材料を最高の技術でケーキの形に結晶化させているにも関わらずリーズナブルな値段を維持している、その意味でのケーキにかける志の熱さにも感服です。