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おこもり中でも美味しいケーキ食べたい人は・・紹介記事書きました。


シャンドワゾーの夏ケーキ!

先日おざさとさんから「シャンドワゾーの夏のケーキは食べたことないでしょ」という指摘が。
う、・・・そうだっけ?
確かに、シャンドワゾー、冬ばっかり行ってた。偶然なんだけど。
じゃあ、夏のシャンドワゾーも行ってみるよ!

ということで、8月最初の今日、真夏の暑さの中川口駅に降り立ちました。
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久々のシャンドワゾー、どんなケーキが待っているかなー??


シャンドワゾー、今年の春はテレビ放映の影響で大変なことになっていたらしいですが、今はさすがに落ち着いたみたい。
でも、ひっきりなしにお客さんは来てたし、お店の前に車横付けする人も絶えず・・
店内には駐車場の案内とかかなり書いてあるので、車横付けはやめましょうね。
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店内のケーキ類は、やっぱり夏の装い。
ヴェリーヌも2種類置いてあったし、柑橘系のさっぱりとしたケーキが多い印象。
その中から、ヴェリーヌを含めてケーキ6個購入。
暑い中家まで大急ぎで持って帰ってきました。



シャンドワゾーのケーキ、まずは夏っぽい!このケーキから。
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パファン・デ・ジルというケーキ。
このケーキは、パッションフルーツとココナッツといった、夏の定番の組み合わせ。
オーソドックスな味だけど、パッションの強い酸味とココナッツのやわらかい甘さが、くっきりとした輪郭を描いていて、味がぼやけてない。
なるほど、これがシャンドワゾーの夏ケーキなんですね。夏のケーキも美味しいぞ!

次に、これも夏らしい、シシリアンを。
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このケーキは、レモンをふんだんに使ったケーキ。レモンのギューンとした酸味と香りの良さが、ほのかにアーモンドが香るトップの生クリームとよく合っている。これも輪郭線がよく見えるケーキ。そして、スポンジ部分がすごく美味しいです。このスポンジは、かなりリッチで重めの生地。なので、レモンと生クリームの軽さに重厚感を与えていて、味に奥行きが出ている。
この生地の美味しさは、他ではなかなか味わえない、シャンドワゾーらしいスポンジです。


フランボワジェ。
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フランボワジェ、食べてなかったかなー?食べてないらしいんだけど。
このフランボワジェ、構成としてはオーソドックス。
ラズベリーのバタークリームがラズベリーの酸味とバタークリームの濃厚さの両方が感じられてすごく美味しい。
真冬の固めのバタークリームも美味しいけど、夏の、少しゆるゆるに溶けかけたバタークリームの味わいも、これはこれで美味しいものですな。
そして、これもやっぱりスポンジが美味しい!
軽めのラズベリーバタークリームに重めのスポンジが合わさって、夏らしさを感じつつも食べごたえがある。
このスポンジの存在感はすごいですねー。


ブランシュ・ネージュ。
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これは、白いチーズケーキ。
断面。
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これ、断面をご覧いただくと分かるように、上の部分はチーズのクリーム、そして中にレモンのジュレが入ってるんですね。
これが素晴らしく美味しい。
チーズの優しい酸味と、レモンの強烈な酸味、強弱の付いた酸味のハーモニーが美しい。そして、チーズの乳くささとレモンの柑橘類の香りの、風味のハーモニーもまた光ってる。
そしてやっぱりスポンジが美味しいのであった。

シャンドワゾーの夏ケーキは、どれも酸味はしっかりあって、さわやかで食べやすいんだけど、組み込まれていスポンジ生地がリッチで重めで濃厚なので、全体の味わいが軽くなりすぎていない。さっぱりといただけるけどケーキとしての存在感は如実に感じられるのが素晴らしいです。


タルト・フリュイ・セゾン。
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すごい!こぼれ落ちそうな特盛りベリーです!
断面。
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このタルト、普通まずベリーの味から感じられると思うじゃないですか、でも、これは、最初にタルトのサクサクとした香り高い美味しさが来て、その次にぷるんとしたカスタードクリームの甘さが来て、最後にブルーベリーとブラックベリーのジューシーな甘酸っぱさが来る、という、その順番。
これは、美味しいタルトの理想形ですね。生のフルーツをいかに「そのまま食べる」より美味しくできるか。
その模範回答としてのタルト。やっぱりシャンドワゾー、感動的です。


最後にヴェリーヌを。桃とライチのヴェリーヌ。
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これは、シャンドワゾーのキーカラーを思わせる純白のヴェリーヌ。
スプーンですくってみます。
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このヴェリーヌは、ゴロゴロ入った桃と、ライチのジュレと、トンカ豆のクリームの構成。
これがものすごく繊細な味わいで。
日本の白桃は、とにかく味が繊細なので、それを生かしたケーキ作りって難しいんだけど、このヴェリーヌは、桃の繊細な甘さに、ライチの繊細な甘さ、そして、トンカ豆の桜の葉のような独特の香りが加わって、繊細で斬新、今まで味わったことのない味の構成になっています。
これは驚いたですねー。
トンカ豆って、よくチョコレートと合わせて独特の味を発揮させることが多いですが、この桃とライチというフルーティーな味に加えてきたのは冒険だし、最初食べた時は「!?」と思うんだけど、食べ進めていくと味が馴染んで、この癖になる美味しさのトリコになるんですね。
これはすごい、すごいものを食べさせていただきました。



そんなわけで、今回のシャンドワゾーのケーキ、当初の目的通り夏らしいケーキを中心にたっぷりいただきました。
どれもさわやかだけど満足感のある、ケーキとしてのレベルの高さを見せつけられました。
夏にどういうケーキを食べさせたいか、というのはパティスリーの大きな悩みだと思うのですが、村山シェフの回答は、自分にとって満足できるものでした。
やっぱりシャンドワゾー、好きですねー。