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おこもり中でも美味しいケーキ食べたい人は・・紹介記事書きました。


アン・プチ・パケの及川シェフは魔法使いかもしれない

秋晴れ!三連休!
こうなると、やっぱり出かけたくなりますよね。
今日はケーキ日和だし、ちょっと遠出してみようかなーなんて。
なかなか行かれないケーキ屋さん、どこにしよう・・・
と考えて、今日選んだのは、
「江田ケーキツアー」!
アン・プチ・パケは、伊勢丹催事に来たのが去年の今頃。
お店に行ったのはさらに前の2013年の今頃。
1年に1回程度しか行かれてない。
遠いからねー。気軽に行かれる場所じゃないから。
行きたい気持ちはいつも持っているけど、なかなか・・・


でも!今日は晴れたし比較的早く起きたし、ケーキ食べたい欲もマックスだし、いいケーキツアーができるのではないか!
そう思って出かけました。


江田駅は東急田園都市線。なので、今は半蔵門線から直通なんですよね。
なので、四ツ谷からだと南北線で永田町乗り換えなら1回乗り換えで着く。
そういう意味では、恵まれている方だとは思う。
だけど、電車に乗ってる時間が長くてねー。
ようやく江田駅に着きましたよ。

江田駅といえば、アン・プチ・パケ以外にも忘れちゃいけないのがナッシュカッツェ。
ナッシュカッツェ、忘れちゃいけないとか言いつつも今日で2回めです。
だって、ナッシュカッツェ、アン・プチ・パケと真逆の方向にお店あるんだもん・・・
でも今日はしっかり訪れましたよ!

ナッシュカッツェ、店内は基本写真撮影禁止になってた。
でも、店員さんに声をかけて許可をもらいました。


今回は、イートインスペースでこのケーキを食べました。

なんでイートインにしたかというと、ここの名物の和栗のモンブランが持ち歩き時間制限があるので、持って帰れないという事情があったので。
その和栗のモンブラン。

切ってみました。

この和栗のモンブラン、最初にナッシュカッツェを訪れた時も食べたのですが、経験値を積んだ今食べてみると、すっごい美味しいのな!
和栗のクリームがすごく栗を感じさせるほっくり感。これはかなり上位に入るほっくり感ですよ!量もたっぷりなので、栗を心から味わえる。
それに無糖の生クリームとメレンゲの王道の組み合わせ。メレンゲはシュワっと溶ける比較的甘さ控えめの作りになっていて、ほんと和菓子みたい。


うまうまとケーキを食べていたら、今井シェフがきさくに話しかけてくださって。
「やっぱりモンブラン、店内で食べるのがいちばん美味しいんですよねー」と話してくれたので、「そうですよねー。メレンゲが湿気ちゃうし」と返事をして。
そうしたら、和栗のモンブラン、メレンゲが湿気ないように色々考えてみたのだそう。でも、チョコでコーティングすると和栗の繊細な味が消えちゃうし、バターを塗ることも考えたんだけど、結局は持ち歩き時間制限をつける今のスタイルになっているとのこと。
自分も、メレンゲをチョココーティングするのは反対なので、シェフと同意見。
そして、シェフからはこの地で約10年頑張ってきたその苦労のお話なども聞いたりして、ちょっとしんみり。
お話をしながらケーキを食べました。
キャラメルヌガートルテ。

これはキャラメルのほんのりほろ苦い味とチョコレートのほんのり優しい味が合わさって、全体的には苦さも感じつつほんわかとした味わい。
強い自己主張というよりも、おやつとして日常的に食べられるような飾らない味が魅力ですね。


そして、シェフとお話していて、おすすめされたのが、土日祝のみ限定で販売しているプレッツェル。なんでもシェフはドイツではパン屋さんで修行していたとのことで、パンを焼くのは得意なのだそう。確かに様々なパンに食パンまで売ってました。
じゃあ、そのおすすめプレッツェル、食べてみましょう。
バタープレッツェルです。

このプレッツェル、おすすめだけあってすごく美味しい!
生地が香ばしくて、もっちりしていてすごく美味。
そこに岩塩の塩っぱさが加わって、甘くなっていた口の中をさっぱりとさせてくれる。
そして、このプレッツェル、中に無塩バターが挟まれているんですね。

これで味に変化がついて、飽きずに食べられる。
最近はバター高騰して大変だっておっしゃってましたが、贅沢にたっぷりのバターを挟んだこのプレッツェル、すごく美味しいです。


最後にザッハトルテを。

このザッハトルテ、すごく美味しい!
これがザッハトルテですよ!
ザッハトルテって、日本ではほとんどの場合中のチョコケーキの部分が甘さ控えめになっていて、しかも生地がパサパサな場合があるのだけど、ここのザッハトルテは、チョコ生地がしっとり、どっしり。
この生地があるからこそ、アプリコットジャムの酸味が生きるのです。
さらに、厚くかかった上掛けのグラズール、これもしっかり甘くて、大正解。
自分はこのザッハトルテ、有名な某店よりもずっと好き。
正統派の美味しいザッハトルテでした。


ナッシュカッツェで美味しいケーキを食べて、再び駅へ。
そこから、今度は延々北に向かいます。
アン・プチ・パケへの道は、いつも苦労する。
駅から約15分、行く道はずうっと登り坂なので、ひいふうですよ。
今回はちょうどいい気候だったので、わりと調子よく登って行かれましたが、それでも着く頃には汗だく。
ちなみに、アン・プチ・パケのすぐそばにスタバができてた。

このスタバ、ドライブするーまであって、なんかいろいろビックリ。
そして、アン・プチ・パケのお店です!

久しぶりのアン・プチ・パケ、いっぱいケーキ買うぞ!と意気込んで、ショーケースを見ると、ほとんどが知らないケーキばっかり。
アン・プチ・パケ、商品の入れ替わりがものすごく多いので、本当はしょっちゅう行っていろんなケーキ買いたいんですけどねー。
中でもすごいのがチーズケーキ。
チーズケーキ、名前が違う生ケーキが3種類と焼きのチーズケーキが1種類の合計4種類も店頭に出ていて。
焼きチーズケーキはホールのみだったので、生ケーキの3種類の中から、店員さんに「どれがいちばん濃厚なんですか?」と聞いて教えてもらったのを購入。
なんだかんだで、結局ケーキ7つも買ってしまいましたよ。
そして、再び江田駅へ。もちろん徒歩15分です。
江田駅からは、鷺沼で準急に乗り換えたけど、結局アン・プチ・パケのお店から家まではたっぷり1時間半かかりましたよ。
ケーキも少しゆるくなっていると思うので、しばらく冷蔵庫で冷やします。


そして満を持してケーキタイムです。
アン・プチ・パケのケーキ、いただきますよー。
最初は、「ラルク・アン・シェル」というケーキから。

ラルク・アン・シェルというのは虹のこと。
このケーキも、虹のようにカラフルです!
では味の方は・・・
と、食べてみると、なんと!
めちゃくちゃ美味しい!
美味しいだけじゃなくて、子供の頃の幸せだった記憶がぶわっと頭のなかに噴き出してきて。
なんだ、この、魂を揺さぶるような強烈な美味しさは!
このケーキ、構成としてはピスタチオのマジパン、ラズベリーのバタークリーム、アプリコットのジャムという、組み合わせとしてはオーソドックス。
でも、このピスタチオのマジパンのアーモンドの香り!マジパンって、こんなに美味しかったっけ?と思うような、目がさめるような香りの良さ!
そして、ラズベリーのバタークリームはバターのこってりした味わいとラズベリーのジューシーな甘酸っぱさがこれまた強烈!そして、アプリコットもしっかり味を主張してきて。
ものすごく美味しい、というか、美味しいという言葉では足りない、自分の中にある感情に訴えかけてくるような、魂のこもったケーキです!


感動しつつ、次のケーキ。
ディアボロというケーキです。

これは栗とカシスとラズベリーのケーキ。
栗とカシスはもう今では定番の組み合わせ。ラズベリーと組み合わせる人も少なからずいます。
その意味では、これも奇をてらったというよりは王道の展開。
なのですが、これもびっくりするほど美味しい!
なんなんだこれ・・・ちょっとヤバイです。感情をもっていかれそうになる。
このケーキ、一つ一つのパーツの輪郭が明快なんですよ。
栗、カシス、ラズベリー、それぞれの味がしっかり判別できる。
存在感が半端ではない。
にも関わらず、全体としての調和がしっかり取れている。
ちょっとこれは・・・すごすぎる。


さらに感動しながら3個めのケーキ。
4種類あったチーズケーキの中から、最も濃厚と言われたケーキ、
「ノルマンディー」です。

断面。

このケーキもすごい!すごく美味しい!
このケーキも、パーツの存在感、その明快な輪郭線がしっかりと伝わってくる。
上のチーズムースは、言われた通り濃厚。ミルキーな味わいと、チーズの酸味がしっかり。
そして、それ以上に美味しいのが、下のサブレ生地。
これ、エダムチーズが入っていて、まるでチーズスティックのように塩気がついているんですね。
なので、甘さと塩っぱさのコントラストがくっきり。
そして、チーズの持つ多様性をひとつのケーキで全部表現しきっている。
もう、この時点で、どうしても我慢できなくて、ツイートしました。

以前から及川シェフって実は魔法使いなんじゃ?と思ってたけど、今日は一層その思いが強くなった。

本当、アン・プチ・パケのケーキは、単に美味しいという以上の何かを感じさせるのです。
魔力的な魅力がある。どうしようもなく惹きつけられる。
まるで、ナルニア国物語の女王が子供に与えた魔法のロクムのように、魔法の粉でも使ってるんじゃないか?と思うような。
元々、このお店の店名を冠したケーキ「アン・プチ・パケ」は、どうやったらこんなに美味しいケーキができるのか不思議でならなかったのですが、今日ケーキを食べていてわかりましたよ。及川シェフはきっと魔法使いなのですよ。
じゃなければ、これだけシンプルなのにここまで美味しいのは、説明がつかない。


興奮しながら、次のケーキ行きます。
初めて食べるミルフィーユです。

このパイ生地はアンベルセだと思いますが、表面の焼色が!

キュイ・ドール、まさに黄金色に光り輝いています!
そして、この火が徹底的に入ったパイ生地、ふわ、はらっとした、羽毛のような軽さ。
そこに、カスタードクリームが!このカスタードクリームが!なんだこれ!異常にうまいぞ!
驚くほど軽いパイ生地に、驚くほど美味しいカスタードクリーム。
ちょっと言葉を失いますね。
震えます。


次に、これも定番の「ババ」。

カップの中はこんな感じ。

このババ、普通に食べると、オレンジとレモンの香りがほのかにする、全年齢的な美味しさなのですが、スポイトに入ったラム酒を足すと、一気に大人の味わいに。この豹変ぶりがすごい。
ババの生地はしっかり目だけど、シロップはたっぷり吸っていて、とても自分の好みの固さ。
そして、中には生クリームとカスタードクリームが入っていて、オリジナリティーもじゅうぶん。
このババも美味しいなー。やっぱり自分はババはお酒が効いていてほしいので、このスポイト式はとてもいいですね。


次に、パヴァルドというケーキ。

これ、断面図撮り忘れちゃった。ちょっと興奮してたもので。
このパヴァルド、ピーカンナッツにラムレーズン、キャラメルとチョコという組み合わせ。
この組み合わせだけ見るとなに?と思われるかもしれませんが、これが実に美味い!すごく美味しいぞ!
ものすごくざっくり言うと、アーモンドロカとラミーを一緒に食べたような味わい。
ピーカンナッツの香ばしさも、ラムレーズンの甘さも、キャラメルのほろ苦さも、チョコのコクも、全てを把握できる。これも味の輪郭がビシっと決まってるんですね。
ものすごく濃厚で、かなり甘いのですが、このピントがピッタリ合った明快な味のおかげで、飽きずに食べられる。
なんでこんなに美味しいんだ・・・


最後に、ガトーバスクを。

このガトーバスクもすさまじく美味しい!
表面はサクッと、中はしっとり、そして中心はトロリと。
その味のグラデーションが素晴らしい。
そして、バニラとラム酒のかぐわしい香りが。
やっぱり及川シェフ、焼きも素晴らしいです。
エーグルドゥースやパリセヴェの新しいガトーバスクも美味しいけど、このガトーバスクも、すごくすごく美味しい。
わずかにトロッとしているのが最高!


というわけで、アン・プチ・パケのケーキ、7個一気食いしました。
もう上にさんざん書いたので繰り返しませんが、及川シェフはきっと魔法使いですよ。
ナルニア国物語や、チャーリーとチョコレート工場のような、児童文学に描かれているような、不思議な力でケーキを作っているに違いない。
江田は遠かったですが、全く悔いなし!すばらしい1日でした!