I Have A Dream.
自分には、夢がありました。
それは、いつか関西に行って、関西の名パティスリーのケーキを心ゆくまで食べつくすという。
特に京都のパティスリーには、行きたい店がうんとこさある。
実のところ、去年も行くタイミングを図っていたのですが、都合がつかず持ち越しになっていました。
なので今年こそ・・・とチャンスを伺っていました。
京都に行くならいつがいいか、というと、
冬は寒すぎる。
夏は暑すぎるしケーキには向いてない。
やっぱり春でしょう。桜の季節に京都、最高じゃないですか。
そして、今年は、お仕事のスケジュール、なんとか調整すれば土日〜月火で行かれそう。
これはもう、ここをはずせばまた来年、そしていつになるかわからない。
このチャンスを逃すわけにはいかない!
お金は、貯金そんなにないけど、全部はたいてでも行くべき!
・・・ということで、アマタマ京阪神ケーキツアー、決行することにしました。
京都に行ったら行きたいパティスリー、もう既に下調べはついていて、
行きたいお店の地図も作成済みでした。
こんな感じ。
地下鉄烏丸線の烏丸御池駅を中心に南北に細長く伸びた地図内にマッピングされた名パティスリーたち。端から端まで歩いても大した距離じゃない。
これが東京と違う所。東京は東急線乗って京王線乗って小田急線乗って・・・と、あっちこっちに行かないと回れないのに対して、京都は全部徒歩で回れる。
まあ街全体が小さいですからね。これはすごいメリット。
この地図のデータをタブレットにインストールして、いざ京都へ!
京都についたらすぐに行動開始できるように、京都には10時に着くように新幹線の予約をとっておきました。
天気予報は、この4日間全部雨の予報。
うーん、でも、もう決めたことだし、運を天に祈るしかないよね。
新幹線、乗るの多分10年ぶりぐらい。
ケーキもりもり食べる予定だから、朝食は軽めに。
そうこうしているうちに、京都着きました!
いやー、とうとう着きましたよ!
賽は投げられた!
京都からは速攻で烏丸線へ。
目指すは丸太町駅。
外はほぼ晴れの薄曇り。
雨の心配はなさそう。
そして暑い!
20度はありそうな陽気でした。
丸太町駅から、タブレットに入れた地図をたよりに、目指す1軒目はアグレアーブル!
おしゃれなお店です!
到着したのは10時半ごろ。
だけど、お客さんひっきりなしに来る。
地元の人が、ケーキ買っていく。
いいですね、そういうの。
自分は、勢い込んでショーケースを覗きこむと・・
美味しそうなケーキが、ズラリと並んでます。
これは、見ただけでこのお店のレベルの高さがわかりました。
悩んで、ケーキ4つをイートインで。
ケーキ皿4つがずらりと並びました!
どうです!美味しそうでしょ!
まず最初に、フォレノワールから手を付けました。
このフォレノワールは、チョコ感とチェリー感がしっかり出ている。
自分はフォレノワールはチェリーを惜しんだらダメだと思っているので、このフォレノワールはすごく好み!キルシュも効いていて、ダンディなフォレノワールになっています。すごく美味しい。これは幸先いいスタートです。
ミルフイユ。
このミルフイユは、折りがアンベルセなのかな?はらりとした食感。パイはバターのいい香りがして、とてもパイが美味しい。カスタードクリームはどちらかというと軽めの味わい。玉子の味わいを感じさせて美味しいけれど、全体としては軽めのミルフイユになっています。
タルトフランボワーズ。
これ、ラズベリーいくつ使ってるんだ?という。
贅沢なタルトです。
この大量のラズベリーが、甘さもしっかりあって、とてもみずみずしい。
よくある、見かけは可愛いけどラズベリーが水っぽいよね、ということがない。
断面。
この甘味も酸味も十分に感じられるラズベリーに、中にもラズベリーのジュレが入っていて、ラズベリーを全体から楽しむことができる。
フレッシュな味わい!とても美味しいです。
そして、店名を冠したケーキ「アグレアーブル」。
断面。
このケーキは、はちみつ入りのキャラメルムースに、紅茶風味のチョコムースを合わせたケーキ。
こちらはかなり濃厚な味わいのケーキになっています。だけど、重すぎず、紅茶の香りもしっかり感じ取れる繊細さも持ち合わせている。
さすが店名を冠しただけのことはある。とても美味しい、名作ケーキだと思います。
今回のツアー1軒目のアグレアーブル、いきなり素晴らしいケーキを食べることが出来て感激。
アグレアーブルは、全体的にやさしい味わいのケーキが多いような気がします。ミルフィーユも軽めだし、「アグレアーブル」は濃厚だけど細かい所まで丁寧に仕事をしてあるのがわかる軽やかさも持ち合わせている。
どれもすごく美味しかったです。
アグレアーブルを後にして、2軒目、歩いてすぐのところにあるグラン・ヴァニーユを目指します。
こちらもお客さんひっきりなし。
京都にケーキ文化って、確実に根付いているみたいですね。
こちらでもイートインでケーキ4つ選びました。
ドリンクに紅茶を選んだのですが、すごく大きなマグカップに入ってきたのが嬉しい。
グラン・ヴァニーユのケーキ、まずは「エマ」から。
真っ赤なフォルムが目を引きます。
断面。
このケーキはマスカルポーネとラズベリーのケーキ。
マスカルポーネって、ちょっと練乳のようなミルキーさがあるんですよね。
そのミルキーな乳の味わいと、酸味の強いラズベリーが絶妙にマッチしていて美味しい。大きさも小ぶりなので、さっぱりすっきり食べているとあっという間に無くなってしまう。もうちょっと食べたいなーと思わせるケーキでした。
こちらでも頼みましたミルフィーユ。
こちらのミルフィーユは豪快ですねー。横倒しになったアンベルセのパイ生地に、たっぷりのキャラメルクリームが絞られている。
このミルフィーユ、まずパイがカリッカリに焼かれている。表面もキャラメリゼしてあって、カリカリ感がより増幅されている。
それに、上に載ったキャラメルクリームがかなりほろ苦さを感じさせるもので、パイの香ばしさと合わさってとても香ばしい。こういうの、何て言えばいいんだろ、ほろ苦さと香ばしさが合わさった、とても気持ちのよい味わいのことを表現する言葉を知らないんだけど、この香りの良さは絶品ですね。すごく美味しい。
次に、コルセ・ノワを。
これは、見ての通り、キャラメリゼしたくるみがドンと上に載ったケーキ。
断面はこんな。
このケーキは、くるみの渋みはもちろんなんだけど、それ以上に主役を張っているのはヘーゼルナッツのムースプラリネ。ナッツの濃厚な味わいがドッと押し寄せてくる。それにキャラメリゼしたくるものカリカリが加わって、ナッツそのものを食べているかのようなナッティーな味わいが。
すごく美味しい!
最後に、モンモランシーを。
見ての通り、これはピスタチオとチェリーのケーキ。
断面。
このモンモランシーはピスタチオが主役のケーキなんだけど、ピスタチオの豆々しさはそれほどでもなく、クリーミーなまったりとしたコクがある味わいになっています。それに甘酸っぱいチェリーが合わさって、なんというか、胸キュン?ハートを撃ち抜かれた、乙女な味わいになっています。
これはピスタチオの豆っぽさが苦手な人でも美味しい!と思える味になっているんじゃないかな。
グラン・ヴァニーユのケーキ4つ食べましたが、こちらも名店確定。
ケーキのルックスも可愛いし、どちらかというと人懐っこい味わいなんだけど、ミルフィーユの大胆な焼きや、コルセ・ノワのナッティー感など、ケーキ好きにも納得の美味しさがしっかりとあって、素晴らしいです。
いやー、京都に着いてまだ1時間ちょっとしか経っていないのに、もうその素晴らしさに圧倒されてしまいました。
こんな素晴らしい名店がすぐ近所にあるんだから、どんだけだよという。
すごいなあー・・・
まずは2軒パティスリーをめぐって、そこから歩いて四条河原町方面へ。
今日と明日は、藤井大丸裏のカプセルホテル「ナインアワーズ」に宿泊します。
ナインアワーズ、京都の観光本を読んでいるとけっこうな頻度で出てくる「オシャレカプセルホテル」らしい。
ホームページを見ても、なかなかオシャレっぽいし、カプセルホテルとはいえ楽しめるんじゃないかなーと思って。
ちなみに、自分カプセルホテル初めてです。
ナインアワーズの外観。
1Fで受付して、そのすぐ隣が狭いラウンジスペースなのですが、外国人ばっか!
どうやらここは世界中のバックパッカーさんたちの聖地になっている様子。
なるほどねー。
ちなみに、カプセルはこんな感じで並んでいます。
近未来的ー!
とりあえず、自分のカプセルに入って、不要なもの(傘とか)を置いて、四条河原町へ。
実は、今日は神戸に住んでいる友人と待ち合わせしていたのでした。
神戸から京都って、どうやら東京から鎌倉に行くような感覚なのだそうで、その友人は神戸にいるけどあんまり京都には出てこないらしく。
なのでそのお友達にとってもある種の小旅行的なものらしいです。
河原町の桜。
友人とは無事落ち合えたので、そこから祇園方面へ移動。
目指すは高台寺。
高台寺には、東京未進出のパリの話題店「ラ・パティスリー・デ・レーヴ」があるので、そこでお茶をしようということで。
ラ・パティスリー・デ・レーヴの外観。
こちらは完全に観光客向け。観光客が何組もウェイティングしていましたが、自分たちの前には3組先約がいるとのことだったので、注文するケーキを品定めしたり、おしゃべりしたりして待ちます。
そして、20分ぐらい待ったかな?2階のカフェスペースへ通されました。
2階からは1階はこんな感じに見えました。
自分はケーキ3個、彼女もケーキ3個。
合計6個のケーキが運ばれてきました。
彼女が選んだのは名物パリブレスト、サントノーレ、タルトタタン。
自分が選んだのはヴァニーユ・デ・レーヴ、スリーズ、モンブラン。
ヴァニーユ・デ・レーヴは、ピラミッド型。
断面。
このケーキはもう、バニラの塊!というほど濃厚なバニラ。
バニラって、強すぎるとちょっと薬臭く感じられるけれど、そうならないギリギリのラインで止揚したバニラ。これはやっぱりバニラの種類がいいの使ってるから薬臭くならないんでしょうね。バニラ好きにはたまらん美味しさです。
スリーズは、大胆な形!
チェリーのケーキをチェリー型で作ってしまうという、これは日本人には思いつかない発想ですね。思わず笑ってしまいます。
パキッと切ってみると・・・
表面のチョコレートがバキバキッと割れてしまいました。
これは、変形のフォレノワールと言っていいケーキですね。
チェリーの酸味がとても強くて、さすがチェリーを前面に押し出しているだけのことは有る。表面のチョコ、中のバニラ、そして酸っぱい酸っぱいチェリー、それが合わさった美味しさ。
形だけのケーキではありません。美味しいです。
そして、モンブラン。
これは割りと普通の形してますね。
台はタルト。洋栗のねっとり感はじゅうぶんに感じられる。タルトの中にも栗使ってるのかな?和栗のモンブランとは違った、本格的な栗のモンブランです。
デ・レーヴについては、けっこうネット情報では賛否両論だったりして、どうなんだろ?と思っていたのですが、自分としてはこれは「あり!」ですね。
確かに形は奇抜だったりしていますが、味わいもしっかりしていました。
友人からわけてもらった名物のパリブレストも、レビューを読むと水っぽいとか書かれていたりしていましたが、ちゃんとプラリネクリームのナッツ感が感じられる美味しいパリブレストでしたし。タルトタタンはちょっと焼きが甘かったけど方向としてはりんごのジューシーさを前面に出した、これはこれで美味しいと思いましたし。サントノーレも古典的なサントノーレを下敷きにしたオーソドックスなレシピと、モダンなフォルムを両立させたものになっていましたし。
1FのTVモニターではフィリップシェフがピンクの服着て熱くケーキについて語っている映像がエンドレスで流れていましたが、だてにピンクの服着てるわけではない。パリ発のクリエイション、やっぱり刺激的ですね。来て良かったです。
友人と河原町でお別れして、そこから祇園にバックして、夜ご飯を食べに。
夜は、在華坊さん(id:zaikabou)が京都で夜必ずと言っていいほど訪れている祇園の「遊亀」でしっぽりと飲もう・・・と思っていたのですが、
すごい行列!店内にも列が。
あー・・・これはダメだねー。長時間ひとりで並ぶのはちょっとキツい。
なもんで、近くのお蕎麦屋さんに変更。
「権兵衛」というお店に入りました。
権兵衛、遊亀とはうってかわって人全然いない。
これはやっちまったか?
とまれ、注文。
ケーキでおなかかなりいっぱいだったので、あっさりと「親子なんば蕎麦」を発注。
これが、なかなか美味しくて。
ケーキが詰まったおなかにやさしい味わいでした。
そして、そこからナインアワーズへ。
ナインアワーズ、お風呂はないので、シャワー浴びて、就寝。
・・・そしたら、すぐ近くのカプセルから大いびきが。
カプセルホテルって、防音全くされないものなの?
ナインアワーズは、入口にロールカーテンがあるだけで、防音は全くされてないので、近くのカプセルのガサゴソ音も寝息もよく聞こえる。
そこにきて大いびき。
夜中に目覚めちゃいましたよ。
カプセルホテルって、カプセルホテルって・・・
うううーーー
(2日目に続く)