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(現代アートも含めた)美術作品を展覧会で鑑賞する際の10のやり方

ブックマークで知りました。


うんざりするほど既出の話題ですが、みんな難しく考えすぎだと思うのです。
現代アート=難解、なんてのは単なる先入観。


でも、上のリンク先にあるような作品とかは実際にわけわからないじゃん!という反論もあるかも。
なんで「わけわかろう」とするの?
というか、自分も以前は現代アートなんてよくわかんねー!と思ってたので、その考えはよくわかります。
そうした思い込みから自由になるためのティップスと言うかガイドと言うか、自己流のアート鑑賞のやりかたをあげてみます。10項目。
ここでは美術展での鑑賞を念頭においていますけど、本で見るときなんかも同様だと思います。ただ、ほとんどの作品はディスプレイや印刷で見るのと本物は全く別物と言えるほど劇的に印象が異なります。やっぱり展覧会なんかで実物を見て欲しい。


それでは。


1.音声ガイドは利用しない
2.作品を見る前に作家名やタイトルを読まない
この2つはどちらも同じ理由で、「作品に対して先入観を持たない」ためです。
美術鑑賞をする時に絶対してはいけないのが「見る前から作品の価値を決めてしまう」ことです。
金銭的価値も同様。そういう野暮ったいことは一切忘れてください。作品と鑑賞者の間にはなにも置かないようにします。


3.その作品を見た瞬間に第一印象で「好き」か「嫌い」か判断する。
これ重要。
別に学者になるわけではないのだし、好き嫌いで自分にとっての価値を決めて問題なし。ただし、その時に重要なのが、上に書いた「先入観を持たずに素直に判断する」こと。意外とこれが難しいんですけどね。「あ〜これがあの有名な○○なのね」とか思ったりしがちなんだけど、できるだけ心を空白にして。
美術に限らずなんですけど、美的なものは作品そのものに宿っているのではなくて自分の心の中にあるもの。だから、どんな名作とされているものでも、気に入らなければ嫌いで問題ない。ただ、嫌いな作品というのは、逆のベクトルではあっても、その作品に対して心が大きく動いたということなので、「自分は何でこの作品が嫌いなのか」を探ってみるのも面白いです。


4.作品と向き合って、その作品をよく見る
実は、これが美術鑑賞の上で最も難しい部分であり、また経験の蓄積を要求される部分です。
美術鑑賞に慣れてない人は作品に向き合ったとき、どこをどう見たらいいのかわからないために、その作品の「意味」をすぐに探し出そうとする。その時に音声ガイドが作品の解説なんかを滔滔としゃべってくれると、なんとなくわかったような気になって、それで「作品を鑑賞した」ことにしてしまう。
でもそんなのは×です。作品を「見た」ことにはなりません。
作品を見るときには先入観を捨てて、フラットな気持ちで向き合うことが大事。
でも、じゃあ目の前にある変な絵の、どこをどういうふうに見たらいいの?なんの助けもないとわからないよ。と思うかもしれません。
確かに。最初はそれが当たり前。「わけわっからん!」と思うほうが普通。
でも、美術鑑賞を何度かするうちに、なんだか見えてくるんですよ。その作品の見るべきポイントが。
例えばなのですが、「ロッククライミング」ってあるじゃないですか。面白そうと思って試しにやってみても、素人がいきなり上まで登れるわけではなくて、最初は疲れるばっかりでどこが面白いのかさっぱりわからん!となると思うんですよ。でも、そういう時に、経験者から「何度かやってみたら面白さがわかるかもしれないからもうちょっと頑張ろう」と言われると思うんです。アートも同じ。「見る」スキルを磨けば磨くほど美術鑑賞は面白くなってきます。*1
まだ鑑賞に慣れてない場合は作品のどこを見たらいいのか・・は次項。


5.できるだけ作品から離れて見る
往々にしてやりがちなのが「木を見て森を見ず」。絵画だったら筆遣いとか、細々としたところに目が行きがちです。
でもそうではなくて、まずその作品の全体像を見て、どのような印象を持ったのか確認してから細部を見る。アート鑑賞の経験値が少ない時は特に、全体像を先に見ることが大事。細部だけを見ているときと、見え方が全く異なります。なんというか、迫力というか、オーラをまとってるというか、その作品の周囲の空気がちょっと違って見えてくるんですよね。


6.作品を見て、自分の心の中に起こった感情をきちっと捉えてじっくり反芻する
「なにこれ可愛い!」でも、「うわっ!キモ!」でもなんでもいいんです。作品の意味を謎解きするのではなく、その作品が自分の心に投げかけた波紋を正確にキャッチする。これもある程度のスキルが必要ですが。肝心なのは「意味を理解しようとしない」ことです。
意味を理解しようとするから、その対義語として「わけわからん」になるのです。そうではなくて、その作品を見たときに感じたことだけを丁寧にすくっていくことが大事。時間をかけて丁寧に丁寧に。


7.上記1〜6までをおこなってからはじめて、作品についてるプレートを見て作者やタイトルを読む
作品のタイトルなんて飾りです。偉い人には(略 です。だって、大昔の絵にはタイトルなんてなくて、みんな学者があとからつけたものなんだし。
ただ、作品タイトルがひねったものであれば、作者がそのタイトルになんらかのメッセージをこめている場合があるので、そういうときにはそれを一応尊重するのがいいかも。


8.作者やタイトルがわかったことで、作品の見え方が変わったかどうか確認
ここで、作品に初めて「意味」がプラスされました。そのことによって作品の見え方が変わったかどうか、自分の心に聞いてみる。タイトルを読んで「あ〜〜〜なるほどお」と思う場合もあれば、よけい頭がこんがらがる場合もあるでしょう。こんがらがったとしてもその時点では放置。そうした疑問符もしっかり記憶しておく。
こうした一連の行為の蓄積が美術を鑑賞するスキルにつながっていきます。


9.自分の心が大きく動いた作品についてはしっかり覚えておく
どうしても意味を知りたい場合は、音声ガイドを借りてもう一周してもいいし、パンフレットを買ってもいいし、家に帰ってからネット検索でもいいし。でも、過剰に意味を求める必要はなし。
むしろ、いろんな解説を読むことで、作品に対峙した時に感じた気持ちが上書きされてしまう・・・というようなことがないように。


10.楽しむ
作品を見て、感動したり、嫌な気持ちになったり、どっと疲れたり、不思議な気持ちになったり・・・。
そうした心の動きが記憶に残ればいいのです。「意味を理解しようとする」ことを放棄することで、ノイズのない素直な気持ちで作品を楽しむことができるのではないかと思います。
作者が作品にこめた意図なんて、無視してかまわない・・というのは語弊があるけれど、作品を見てなんの感情もわかなかった時は、作者の伝え方が良くなかったか、あるいは鑑賞者が自分の心の中の感情をすくい上げられなかったかのどちらかです。
優れた作品は、意味はわからずともなにか心にグサッと刺さるものがあります。そういうときは、作品を分析するのではなく、自分の心を分析してみる。
商業映画なんかはストーリーがきっちりあるので、それに沿って楽しむものだけど、美術はもっと直接的に自分の心と向き合うことが要求されます。
言ってみれば映画はジェットコースターで、美術はお化け屋敷とかミラーハウスのように、おそるおそる歩きながら空間そのものを楽しむタイプなのではないかと。楽しみ方のタイプが違うけど、どっちも楽しい。
あとは個々の作品について、自分が楽しめたかどうか。それだけのこと。


あと、もう一個。
美術館併設のカフェやレストランで一服する
ない場合はしょうがないですが、美術館のカフェはいいですよ。安くて美味しいことが多いし。
あと、美術館というのは一種の非日常空間で、刺激的な展示作品を鑑賞した後は神経がビキビキになったりします。そこから日常空間に戻るためのクールダウンの場所としての意味もなくもないです。

*1:まあ、ロッククライミングにしても最初のトライで諦めてしまう場合もよくありますよね。それはそれ、縁がなかったということで。でも、そうなったとしてもロッククライミングを否定するのはおかしいですよね