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村上隆批判をしている暇があったら「おたく文化」資産の維持管理に危機感を持つべき

話題のこの記事

まあ、ミスターさんの絵を4〜500万と予想した自分が偉そうなことはいえませんが。
でもなんか、村上批判って「(俺達の)おたく文化を剽窃して劣化コピーで金儲けするなんて許せん」といういうのが主な趣旨だと思うのですが。
だけど、そこから一歩踏み込んで、海外での日本のポップカルチャーに対する欲求に対して村上さん以外ほとんど誰も応えてない、という部分については言及されてない。


たとえば、村上さんと共に海外で大人気の奈良美智さん。
先日ついに贋作騒動までおきました。

あんまり批判されないけど奈良さんの絵だって日本の「おたく文化」を背景にしてるのは間違いないし、一見落書きに見えるし。
自分は、奈良さんの作品は愛してるし、村上さんの作品もわりと好きですが。
作品が高いのは村上さん周辺だけではないということ。
村上・奈良という作家のネームバリューもさることながら、アートの領域における日本のポップカルチャーへの需要に対して供給が少なすぎることが、作品の価格の高騰の主な原因だと思うんですが、そのことはなぜか語られない。
「村上作品はおたく文化の剽窃物」と批判するのだったらなぜ「おたく」側からアート市場/ハイ・カルチャーにうって出ないのか。すごく不思議。
 iTunes Store(Japan)


思うんですけど、日本の国民性として「サブカルチャー・ポップカルチャーをアートとして認識し、保護育成すること」に価値を見出さない、むしろ罪悪感を感じるのは昔からみたいな気がします。
江戸時代も、アカデミズム的な美術は中国の水墨画を頂点とした南画や、狩野派、琳派なんかが主で、浮世絵なんかは所詮庶民のもの、春画みたいなエロもあるしB級文化ですよ・・・・と言ってるうちに、
「なんかフランス印象派絵画に浮世絵の影響があるらしいよ!浮世絵侮れねえ〜!」と気付いた頃には一級の肉筆画はほとんどが海外流出していたという。
陶器もそうですよね。伊万里の名品はみんな海外にある。
リアルタイムでは誰も保護管理しようとしなかった。


で、現在。
まんだらけ、特に渋谷店がすごいことになっていて、外国人の姿がとても目立つようになりました。
彼らの買い方は尋常じゃなく、あきらかに「仕入れ」です。
3〜4人で徒党を組んで、買い物かご5個とか6個とかで買っていく。
「おたく文化で商売するなんて!」とか村上批判しているうちに、貴重な資料はどんどん海外流出しているのが現状なのですが。

そんな状況に危機感を持って、維持管理に務めてるのは内記稔夫さんぐらいじゃないか?
戦前の漫画本や貸本なんかだけじゃなくて、まんが雑誌や名作アニメのセル画や、それこそエロゲだって、きちんと保管していく機関が必要なんじゃないの?
そして、おたく側の人は村上批判している暇があったら、そろそろ「おたく文化はハイ・カルチャーとして成立しうる」ということを認めて、文化流出を防ぐ算段をするべきじゃないのかい?
「しょせん漫画やアニメなんて・・・へへへ」とか卑下してるうちに、海外では美術史の中で日本のおたく文化がどう位置づけられるのかの研究が(肝心の日本抜きで)盛んにおこなわれてる実情をなんとかしないと。


12/11追記。
コメント、ブクマ、トラバ、勉強になりました。ブログっていいですねやっぱり。ありがとうございます。


id:teririさんが書いていたのですが、自分は別に村上さん擁護してませんよ。「批判しなければイコール擁護」というのであれば反論できませんけど。
言いたいのは一点。「おたく文化には文化的価値、とりわけアートとしてのヴァリューがある。海外ではその認識が普通になってきている。なのに肝心の日本人が全然分かってない。だから村上さんひとりに好き放題やられてるし、貴重な資料もどんどん流出してるんじゃないですか?」ということです。
自分が「漫画ブリッコの世界」というサイトをやってるのも、別に自分のコレクションをひけらかしたいからではなくて、「おたく文化の創生」について誰もきちんとまとめていなかったから始めたわけだし、自分の作ったアーカイヴがいつか文化的な価値を持つと信じてるから続けているわけで。


なので、ブクマコメントでいただいた

別の文脈に身を置いているからこそ剽窃できるわけで、内部からその視点を持つのは難しいんだろうなとも思う。

というのは、現状確かにその通り。そうなってるけれど、それだとどんどんおたく文化が空洞化するのでは?という危機感がある。
日本の公的機関も最近コンテンツ産業に注目し始めてるけれど、彼らはやっぱりお役人だから、広告代理店に適当にあしらわれちゃって「やわらか戦車」みたいになってしまう。
だから、村上批判、やわらか戦車批判をしている暇があったら、「おたく文化」をきちんと理解している人を持ち上げて、「おたくも納得できるおたく文化」の蓄積・伝播に務めるべきで、それができないなら村上さんや電通のやり方を座視するしかないですね、ということです。